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SP値・HSP値の基礎と微粒子/ナノ粒子の分散安定化技術への最新展開

SP値・HSP値の基礎と微粒子/ナノ粒子の分散安定化技術への最新展開

~溶解度パラメータの微粒子分散系への活用~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、HSP値・拡張HSP値の由来、および化合物や粒子のHSP値・拡張HSP値について最新の求め方を説明いたします。
また、HSP値ではHSP距離やHansen球、また拡張HSP値ではEED (Exchange Energy Density) などを利用した、ぬれ/分散、溶解および吸着間のバランスの取り方と、その結果に基づく溶媒/樹脂や分散剤/バインダー、および表面改質法の最適選択法について、多くの分散系調製例をもとに解説いたします。

開催日

  • 2021年3月22日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 化合物や粒子のHSP値・拡張HSP値の最新測定法
  • ぬれ分散化のための溶媒/樹脂の選択
  • 分散剤による立体反発安定化と分散剤の選択指針
  • 表面改質法と改質効果の評価
  • 分散安定性試験法

プログラム

 溶解度パラメータ (SP値) の概念を、端的に表せば“Like attracts like”、「類は友を呼ぶ」である。すなわちSP値の近いもの同士は、よく溶け合い、よくぬれ/分散化し、よく付く。当初Hildebrandの提唱したSP値 (1Dモデル) は、Hansenにより分子間力の三要素からなるHSP値 (3Dモデル) に拡充され広く採用されている。その後Beerbowerらにより酸塩基項を考慮した拡張HSP値 (4Dモデル) へと展開され、難分散性顔料の調製などに応用されている。微粒子系高機能性材料の開発では、粒子の微小化、形状や材質の多様化が進み、複雑な媒体中では分散安定化に苦慮する場合も多い。微粒子分散系は、主に粒子、溶媒/樹脂と分散剤/バインダーで構成されるが、分散安定化における粒子のぬれ/分散性および分散剤/バインダーの溶解性と吸着性は、あちら立てればこちらは立たず、互いに競合関係にあるから、それぞれのバランスを取りつつ、溶媒/樹脂や分散剤/バインダーを選択する必要がある。
 本セミナーでは、先ずHSP値・拡張HSP値の由来、および化合物や粒子のHSP値・拡張HSP値について最新の求め方を説明する。次いでHSP値ではHSP距離やHansen球、また拡張HSP値ではEED (Exchange Energy Density) などを利用した、ぬれ/分散、溶解および吸着間のバランスの取り方と、その結果に基づく溶媒/樹脂や分散剤/バインダー、および表面改質法の最適選択法について、多くの分散系調製例をもとに解説する。

  1. 微粒子分散系の基礎
    1. 微粒子分散系の課題
    2. 微粒子分散系の調製と分散安定化不良の原因
      1. ぬれ・分散化工程の不良原因と対策
      2. 安定性不良の原因と対策
      3. 撹拌・ミーリング不良の原因と対策
  2. SP値,HSP値および拡張HSP値の由来
    1. 溶解/分散現象とギブスエネルギー変化
    2. HildebrandのSP値とエンタルピー変化
    3. HansenのSP値 (HSP値) と分子間力の三要素
    4. Hansen球、相互作用距離、Teas線図の利用法
    5. 拡張HSP値・EEDと Gutmannのドナー数・アクセプター数
  3. 化合物 (溶媒、高分子) のSP値・HSP値や拡張HSP値の求め方
    1. 溶媒のSP値・HSP値および拡張HSP値
    2. 原子団寄与法による計算とHSPiP (ソフトウェア) の利用
      1. Fedors法と計算例
      2. van Krevelen & Hoftyzer法と計算例
      3. Hoy法と計算例
      4. Stefanis & Panayiotou法と計算例
      5. Y-MB法とHSPiP (ソフトウェア) の利用
    3. 濁点滴定法
    4. 溶解・膨潤性を利用したスクリーニング法
    5. インバースガスクロマトグラフィー法
    6. 固有粘度法
  4. 固体/粒子表面のSP値、HSP値や拡張HSP値の測定法
    1. 二液滴定法
    2. 重力・遠心沈降特性を利用したスクリーニング法
    3. フロック径を利用したスクリーニング法
    4. インバースガスクロマトグラフィー法
    5. 低磁場パルスNMR法
  5. 粒子のぬれ/分散化するための溶媒/樹脂の選択法
    1. 二液混合溶媒における良溶媒の計算法とTeas線図の利用
    2. 濁度測定によるグラフェンの良溶媒の選択
    3. フロック径測定によるアセチルアセトン改質TiO2の良溶媒の選択
    4. 成型密度測定による金属ナノ粒子バインダーの良溶媒の選択
  6. 溶媒/樹脂中で粒子の安定性を維持するためのポイント
    1. 粒子間に働く相互作用力
    2. van der Waals力と有効Hamaker定数
    3. 静電反発安定化とDLVO理論
    4. 高分子分散剤,特にポリマーブラシによる立体反発安定化
    5. イオン性高分子分散剤による静電立体反発安定化
  7. 高分子分散剤の働きと選択指針
    1. 水系および非水系分散剤の種類と構造
    2. 最適添加濃度と枯渇作用
    3. 最小吸着層厚さと分子量
    4. 吸着特性と吸着機構
      1. 相互作用距離を用いた吸着特性評価例
      2. 低磁場パルスNMR法による吸着特性評価例
  8. 粒子の表面改質法と応用例
    1. 表面改質の目的と手法
    2. 界面活性物質の種類、HLB値と応用例
      1. 高熱伝導性樹脂開発におけるSP値の応用
      2. ポリプロピレンコンポジットにおけるHansen球の応用
      3. レジンコンクリート調製におけるTeas線図の応用
      4. 界面活性剤改質マグネタイトにおける分散安定化例
      5. 二層吸着膜を用いたTiO2の分散安定化例
    3. カップリング反応法と応用
    4. グラフト反応法と応用例
  9. 分散系の安定性評価法
    1. レオロジー特性 (動的粘弾性) とチキソ剤の選択
    2. 低磁場パルスNMR法を利用したフロック径測定
    3. 重力・遠心沈降速度法
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 30,400円 (税別) / 33,440円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 30,400円(税別) / 33,440円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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