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持続可能な開発目標 (SDGs) としての生分解性プラスチック

持続可能な開発目標 (SDGs) としての生分解性プラスチック

~国内、海外の法規制と業界動向~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、バイオプラスチックの基本特性、高性能・高機能化技術、材料設計技術、成形加工技術と製品・用途開発の現状と課題について基礎から応用まで解説いたします。
また、海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの業界動向、マイクロプラスチックに対する有効性についても解説いたします。

開催日

  • 2020年2月18日(火) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 石油系非生分解性プラスチックによる地球環境・資源・廃棄物問題
  • 地球環境保全と資源循環型社会に向けての法規制・業界動向
  • 生分解性プラスチック、特にポリ乳酸の高性能・高機能化技術
  • 生分解性プラスチックの新規製品・市場開発動向

プログラム

  1. 石油系非生分解性プラスチックに係る地球環境・資源・廃棄物問題
    1. 資源枯渇問題
      • 有限なる化石資源は50~100年後には枯渇
    2. 地球温暖化ガス問題
      • 焼却することによる二酸化炭素の増大
    3. 廃棄物問題
      • 海洋プラスチック汚染
  2. 自然生態系が有する真のリサイクルシステム
    1. 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかった のか?
    2. 真のリサイクルシステムとしての炭素循環 (物質循環) とは?
    3. 地球上の生命体が生み出す高分子化合物は全て生分解性
  3. 海洋プラスチック汚染問題の正しい理解と解決策
    1. 海洋プラスチック汚染
      • 魚、鳥、人間の体内からマイクロプラスチック
    2. 海水中プラスチック濃度の経時変化曲線
      • 生分解性が決定的に重要で あることの確証
    3. 自然生態系が許容し得る生分解速度のポジティブ・コントロール
      • 海洋に大量に流入する流木・草本類を構成するリグノセルロース
    4. 海洋プラ汚染を防止するための統合的施策
  4. 持続的発展が可能な資源循環型社会
    1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
      • グリーンプラとバイオマスプラ
    2. バイオベース・モノマーの新規プラットフォームケミカル
    3. カーボン・フットプリント (carbon footprint)
      • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    4. カーボン・ニュートラル (carbon – neutral) とは?
    5. 再資源化手法としてのバイオリサイクル
      • 堆肥化又はバイオガス化
    6. 堆肥化可能 (compostable) 認証基準
  5. 世界の法規制と業界動向石油系
    1. グリーン・ウオッシング (虚偽やミスリード) からの決別
    2. 欧米グリーンガイド指針
      • ポイ捨てを助長する「生分解性」表示は禁止、再資源化手法の「堆肥化可能」表示へ
    3. 環境先進地、欧州の法規制動向
      • 生分解性以外の使い捨ては禁止
    4. 世界ラーメンサミット「大阪宣言」
      • ラーメン容器を生分解性に
  6. プラスチック廃棄物問題の原点と生分解性プラスチックの理想像
    1. ゴミの発生源抑制
      • 長期製品寿命と奉仕期間の確保
    2. 使用環境下で生分解速度の速い素材
      • ゴミの拡大再生産と経済的負担増大
    3. 生分解性プラスチックの理想像
      • 基本的には長い製品寿命を有しながら、使用後は速やかに再資源化 (バイオリサイクル) が可能な素材
  7. 生分解性プラスチックの分類、特徴と生分解機構
    1. 生分解性プラスチックの分類、メーカー、生産能力
    2. 生分解機構
      • 酵素分解型と非酵素分解 (加水分解) 型
    3. ポリ乳酸の自然環境下 (土中、海水中) での分解挙動
    4. ポリ乳酸の再資源化 (堆肥化又はバイオガス化) 過程での分解挙動
    5. 最も歴史の古い微生物産生ポリエステル系が伸びない理由とは?
  8. 生分解性プラスチックの理想像としてのポリ乳酸
    1. ポリ乳酸の基本特性
      • 環境低負荷特性
      • 生分解性
      • 生体内分解吸収性
      • 安全衛生性
      • 抗菌・防カビ性
      • 自己消火性
      • 耐候性
    2. なぜポリ乳酸がベストの選択なのか
      • 耐久性構造材料とバイオリサイクル材の両面展開が可能
    3. 2段階2様式の特異的な生分解機構
    4. 分解制御機構 (分解スイッチ・オン機構) 内蔵
    5. 分解速度制御技術
      • 長期耐久性を付与しても生分解性機能は保持
  9. 結晶性高分子の結晶化挙動と成形加工性
    1. 成形加工の物理的意味
    2. 成形加工性支配因子と改良添加剤
      • 溶融押出過程と冷却固化過程
    3. 結晶化速度式と結晶化速度パラメータ
    4. 結晶化の分類
      • Melt CrystallizationとCold Crystallization
    5. 結晶化速度支配因子
      • 一次構造
      • 分子量
      • 添加剤
  10. ポリ乳酸の高性能・高機能化材料設計技術と製品・市場開発動向
    1. 高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA)
      • %D < 0.5
    2. 改良添加剤
      • 耐熱性
      • 耐衝撃性
      • 成形加工性
      • 耐久性 (耐湿熱性)
    3. 成形加工
      • 押出成形
      • 射出成形
      • 真空・圧空成形
      • 発泡成形
      • ブロー成形
    4. 用途・製品開発動向
      • 使い捨て製品から長期使用製品まで
    • 質疑応答

講師

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
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アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

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本セミナーは終了いたしました。

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