技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

蓄電池の資源循環技術と国内外の法規制

蓄電池の資源循環技術と国内外の法規制

~リチウムイオン電池を中心に~
東京都 開催 会場 開催 PC実習付き

開催日

  • 2019年11月21日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の処理およびリサイクルに関心のある技術者
  • リチウムイオン電池の処理およびリサイクルに関心のある管理職、マネジメント職

修得知識

  • リサイクルに求められる分離濃縮技術の概要
  • 物理的分離濃縮技術の概要とその動向
  • リチウムイオン電池リサイクル技術の動向

プログラム

 自動車のモーター駆動化、EV化および定置型蓄電池の必要性が増す中、リチウムイオン電池の適切な処理やリサイクル・リユースは重要度を増しています。さらに、大量の電池が必要になった場合の資源の問題もますます重要度を増してきました。
 今回は、リチウムイオン電池の廃棄物を含むいわゆる「都市鉱山」を対象として、効率的で環境負荷の少ない有用金属元素の分離プロセスの研究に取り組まれている早稲田大学 所千晴教授、また泉化研の菅原秀一氏には、廃電池の処理や法規制、バーゼル法などの国際的な規制など国内外の規制に関してお話いただきます。

講演1. 持続的未来社会を支えるえる物理的分離濃縮技術の最先端とリチウムイオン電池リサイクルへの応用

(10:30~12:00)

 リチウムイオン電池リユース・リサイクルを実現するには、コストのかからない分離濃縮技術が必要不可欠であるが、一般に物理的分離濃縮技術は低環境負荷・低コストであるものの精度が低く、化学的分離濃縮技術は高い分離精度が得られるものの環境負荷が高くコストがかかる。したがって、両者のベストミックスが重要である。また、物理的分離濃縮技術の精度を向上し、化学的分離濃縮技術の負荷を低減する技術革新も求められている。本セミナーでは、物理的分離濃縮技術の概要と開発動向を概観すると共に、リチウムイオン電池を対象とした個別の技術開発例を紹介する。

  1. 物理的分離濃縮技術の概要
    1. 物理的分離濃縮技術と化学的分離濃縮技術
    2. 破砕・粉砕の役割と概要
    3. 物理的分離濃縮技術の概要
    4. 分離濃縮の評価とシミュレーション
  2. 電気パルス法による分離濃縮技術
    1. 電気パルス法による分離濃縮の原理
    2. アーク放電を利用した分離濃縮技術
    3. 細線爆発現象を利用した分離濃縮技術
  3. リチウムイオン電池の分離濃縮技術
    1. 加熱による前処理の効果
    2. 物理的技術による分離濃縮技術の例
    3. 電気パルス法による分離濃縮技術の例

講演2. 廃EV電池の処理と国内外の法規制、3R法、バーゼル法とEU指令

(13:00〜14:30)

 現在2019年1Qの段階で、通年のEVとPHVの生産台数は100万台を越えて、200万台に近づくと予想される。過去数年のEV台数から発生する廃電池と、概ね10年後に急増する廃電池の処理は、問題であることは念頭にあっても具体的なアクションは殆ど手が付いていない。
 この原因は、1.化学電池=有機、無機と金属の集合体に対する定量的な理解が無い 2.環境問題的なイメージだけで、大量の有価物と無価物へのコスト的な解析がなされていない 3.電池材料>電池生産>EV生産の流れ、異業種の連続の中で、誰かが何とかしてくれると思った…等々であろう。
 輸出入を伴い、広範囲に分散したEVが、廃車となった時点で、廃電池は電池では無く、ケミカル・ハザードを伴う厄介者で、多くの法規制が関わって来る。講演2) ではこれらの問題への定量的なアクセスと、現行の法規制等を紹介する。

  1. EV廃電池の数量予測
  2. 廃電池の化学組成と発生する規制物質
  3. 化学物質規制、日本、諸外国とEU
  4. 3R 法規制 (日本)
  5. バーゼル法とケミカル・ハザード
  6. EU指令 (WEEE、RoHS、電池指令)
  7. 関連事項

講演3. EV用電池の元素資源量、供給・生産と廃棄の定量データ試算

(14:40〜16:10)

 内容的には 講演2の各論になるが、EVのリチウムイオン電池の活物質が、いずれが主流となるかは、現時点では流動的である。これは主にコバルトCoの資源とコストの問題であるが、廃EV電池からのリサイクルを積極的に行った方が、合理的であるとの認識はかなり共通である。その中で廃電池の無害化処理と、その後の有価物の回収は、特に正極材の合成プロセスとの連結が効果的である。
 本講では、これまでの鉱山資源系の流れから、化学合成系の流れに移し、元素資源の消耗と廃棄がない状態を考えてみたい。具体的な事例と特許公開情報などから、上記の課題解決の現状も紹介する。

  1. EV用リチウムイオン電池 (セル) の構成
  2. 正極材の選定と性能、何れが主流となるか
  3. 元素資源の所要量試算 トン/GWh
  4. NMC三元系のCo,Ni塩の所要量とコスト
  5. 廃電池の状態と無害化処理
  6. EV100万台から発生する有価物と廃棄物
  7. NMC三元系正極材の合成と元素資源
  8. 合成方法、バッチ (回分法) から連続法へ
  9. リチウム資源ソースと回収プロセス
  10. 廃電池ビジネス、国内外企業の動向
  11. 廃電池の処理とリサイクルに関する特許
  12. まとめ
    • 名刺交換

講師

会場

ちよだプラットフォームスクウェア
東京都 千代田区 神田錦町3-21
ちよだプラットフォームスクウェアの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,000円 (税別) / 51,700円 (税込)
複数名
: 21,000円 (税別) / 23,100円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額の 21,000円(税別) / 23,100円(税込)となります。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 63,000円(税別) / 69,300円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 47,000円(税別) / 51,700円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 94,000円(税別) / 103,400円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 141,000円(税別) / 155,100円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 24,000円(税別) / 26,400円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/4 リチウムイオン電池・全固体電池電極の新しい製造プロセス オンライン
2024/4/5 リチウムイオン二次電池における電極界面の設計・評価と特性改善 オンライン
2024/4/10 リチウムイオン電池のリユース & リサイクルにおける諸規制 オンライン
2024/4/10 分散型電源システムの最新動向と事業展開 オンライン
2024/4/11 リチウム二次電池の循環使用 オンライン
2024/4/12 EVにおける超急速充電の課題と対応 オンライン
2024/4/15 スラリーの挙動と制御およびリチウムイオン電池電極スラリー化技術と評価方法 オンライン
2024/4/16 2024年の蓄電池市場・政策動向とビジネスチャンスの掴み方 東京都 会場・オンライン
2024/4/16 アニオン交換膜 (AEM) 型水電解技術の展望と材料設計 オンライン
2024/4/17 「バイポーラ (対局) 構造型電池」および「三次元構造型電池」の設計開発、今後の展望 オンライン
2024/4/17 レアメタルの概要と注目市場 オンライン
2024/4/19 リチウムイオン電池のドライ電極の技術動向とプロセスの検討 オンライン
2024/4/22 レアメタル分離、抽出、回収へ向けた材料開発とプロセス構築 オンライン
2024/4/24 リチウムイオン電池のウェットプロセスとドライプロセス オンライン
2024/4/24 スラリーの挙動と制御およびリチウムイオン電池電極スラリー化技術と評価方法 オンライン
2024/4/24 HEV/EVにおけるバッテリー/エネルギー・マネジメント技術と劣化解析シミュレーション演習 オンライン
2024/5/17 入門 インピーダンス測定法とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/30 EVを始めとした次世代自動車の普及展望とリチウム、コバルトなどLiB用金属資源の今後 オンライン

関連する出版物

発行年月
2022/6/13 LiBメーカー主要7社
2022/4/11 世界の車載用LIBのリユース・リサイクル 最新業界レポート
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍版)
2022/3/9 EV用リチウムイオン電池と原材料・部材のサプライチェーン (書籍 + PDF版)
2022/2/18 2022年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2022/1/20 脱炭素へ、EVの役割と電池・原材料の安定供給 2030/35年モデルと諸問題の検証
2021/12/10 2022年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2021/9/17 2021年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2021/8/20 2021年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2021/7/16 2021年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2021/6/28 AI・MI・計算科学を活用した蓄電池研究開発動向
2021/6/22 EV用リチウムイオン電池のリユース・リサイクル2021
2021/4/26 全固体リチウムイオン電池の実用化と新たな材料市場 (書籍版 + CD版)
2021/4/26 全固体リチウムイオン電池の実用化と新たな材料市場
2021/4/16 2021年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2021/3/19 2021年版 モビリティ市場・技術の実態と将来展望
2021/2/19 2021年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2020/12/11 2021年版 スマートデバイス市場の実態と将来展望
2020/12/1 リチウムイオン電池の安全性確保と関連する規制・規格と表示ルール 2021