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実験計画法を用いた化学プロセスの設計とスケールアップの効率化

実験計画法を用いた化学プロセスの設計とスケールアップの効率化

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年4月11日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部. 化学プロセス設計への実験計画法の応用

(2019年4月11日 10:00〜12:00)

 ラボからスケールアップして実生産へのプロセスを開発していく上で実験計画をいかに上手く組立てられるかがポイントとなる。研究初期実験から製造プロセスへ改良していく過程で開発計画に沿った実験計画法の効率的な組み立て方と運用の仕方に関して述べる。

  1. 実験計画の立て方
    1. 研究初期の段階:開発計画
    2. スケールアップ段階
    3. 実生産段階
  2. 基礎研究
    1. 合成ルートの開発
    2. 反応条件の探索
    3. 最適条件の検討
    4. 反応解析
    5. 合成ルートの確認
  3. スケールアップ研究
    1. 反応解析
    2. 重要工程の検討
    3. 操作法の改良
    4. 製造法の検討
  4. 実生産検討:開発計画と原材料
    1. 立ち合い実験
    2. 逸脱事項の整理と対策
    3. 改良実験
    4. 製造法の確立
  5. 特許対策
  6. 実験ノートと生データの取扱い
  7. データインテグリティ対応
  8. アウトソーシング対応
  9. まとめ
    • 質疑応答

第2部. 実験計画法を用いたスケールアップの効率化

(2019年4月11日 12:45〜14:45)

 実験計画法は「実験の計画」と実験により得られたデータの「解析方法」の二つから構成される。実験の計画とは「目的に応じてどのような実験を行えばよいか?」あるいはどうすればデータを効率的に集めることができるか?」と言える。化学品開発の最終目標はその商用生産にあり、スケールアップ検討は避けられない部分である。小実験で使用する試薬のモル比、溶媒の使用量、反応温度、時間等のパラメータを最適化した後、スケールアップ検討に入るが、製造プロセスを設計するに当たり、目的とする化合物 (製品) の品質だけでなくコスト (採算性) も理解して検討する必要がある。実験室では工場生産を想定してパラメータを設定するが、その際は実験室スケールと工場スケールの違いを理解して実験計画を考える必要がある。
 本セミナーでは小実験で得られた結果を基にスケールアップに向けた実験計画の考え方、そこで得られた結果から想定される問題点、解決策等を実際に経験した事例を元に説明する。

  1. スケールアップの基礎
    1. 化学品開発の考え方
    2. スケールアップを前提とした実験計画の考え方
    3. その他
  2. スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法 (事例を参考に)
    1. 過酸化水素水による酸化反応 (危険性回避)
    2. 水和物と乾燥工程の関係 (晶析条件の最適化)
    3. エチルホルムイミデート塩酸塩の製造プロセスの開発
    4. その他
  3. スケールアップに向けた実験計画法の考え方 (事例を参考に)
    • 一つの製品 (全7工程) に絞り、実験室スケール (~数L) から、パイロット (200~300L) 、更に商用生産 (数1000Lスケール) の経験を参考に、スケールアップ前提の実験計画の考え方、スケールアップして経験した失敗、問題点に対しどのような実験計画を考え、解決して商用生産に結びつけたか、いくつかの工程をピックアップして説明する。
      1. 臭素化工程:臭素のモル比、反応条件、スケールアップの問題点 (滴下、反応)
      2. アシル化工程 (操作が煩雑、抽出、濃縮、晶析、再結晶、乾燥工程) の簡略化
      3. 加水分解工程生成物の遠心分離工程 (生成物はクリーム状で濾過性が悪く、遠心脱水に長時間必要)
      4. 加水分解工程:副生物が発生 (操作簡略化)
      5. 再結晶工程:再結晶すると異性化が進行 (異性化の回避)
      6. 溶媒回収:塩化メチレン/n – ヘキサン混合溶媒からの溶媒回収、再利用
      7. その他
    • 質疑応答

第3部. ケモインフォマティクスを応用した材料設計およびプロセス・装置設計

(2019年4月11日 15:00〜17:00)

 高機能性材料の開発やコンピュータシミュレーションによる設計などの研究・開発の現場において、効率的にシミュレーション・実験・製造を実施するために実験計画法が活用される。例えば5つのシミュレーション条件もしくは実験パラメータ (反応器体積・反応温度・反応時間など) があり、それぞれ 10 の候補の値がある場合、すべての組み合わせは 10 万通りになってしまう。しかし実験計画法を用いれば、その中の数回のシミュレーション候補・実験候補から実験パラメータと装置の性能・材料の物性・活性との間の関係性を統計的手法によりモデル化することで、所望の装置性能・物性・活性を実現するための候補を効率的に探索できる。このようにシミュレーションデータや実験データを活用することで、効率的な材料設計およびプロセス・装置設計を達成できる。
 本講演では、そのような (適応的) 実験計画法や実験計画法を実現するためのデータ解析理論を解説する。さらに具体的な材料設計およびプロセス・装置設計の例や最新の研究事例を紹介する。

  1. ケモインフォマティクス
    1. 材料設計とは
    2. プロセス設計・装置設計とは
    3. モデリング
    4. モデルの活用した材料設計・プロセス設計・装置設計
  2. インフォマティクス技術
    1. 線形回帰分析
    2. 非線形回帰分析
    3. 線形クラス分類
    4. 非線形クラス分類
    5. 実験計画法
    6. 適応的実験計画法
    7. ガウス過程による回帰
    8. ベイズ最適化
  3. 研究事例・応用事例
    1. ベイズ最適化による材料設計・プロセス設計・装置設計
    2. 材料設計の実例
    3. プロセス設計・装置設計の実例
    • 質疑応答

講師

  • 橋本 光紀
    医薬研究開発コンサルテイング
    代表取締役
  • 丸橋 和夫
    株式会社 三和ケミファ 医薬品事業部
    統括本部長
  • 金子 弘昌
    明治大学 理工学部 応用化学科
    准教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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