技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

自動車用遮音・吸音材料の設計、適用方法と車室内の防音設計

自動車用遮音・吸音材料の設計、適用方法と車室内の防音設計

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、遮音・吸音の基礎から解説し、自動車のエンジン音やロードノイズを抑えるためのポイントについて、理論と材料特性から徹底解説いたします。

開催日

  • 2019年2月25日(月) 10時00分 17時20分

プログラム

第1部 自動車における吸音・遮音技術の適用例

(2019年2月25日 10:00〜11:30)

 遮音・吸音の基礎をわかりやすく紹介し、その事例として、エンジンで発生した音がエンジンルーム内で音響増幅、さらに一重壁パネル、内装材を透過し、車室内に侵入するメカニズムと対策について解説します。
 さらに、 車室内に侵入した音の拡散を吸音シートにより防止し、車内騒音低減に成功した事例を紹介します。

  1. 吸音・遮音の基礎理論
    1. 自動車の性能評価
    2. 制振、吸音・遮音の概要
    3. 遮音理論の基礎、吸音理論の基礎をわかりやすく紹介 … 自動車への適用
  2. 音響増幅防止による車内音改善
    1. エンジンルーム内の音響増幅と車内音
    2. 共鳴型サイレンサーの開発事例
  3. 一重壁パネルの遮音性改善
    1. ステフネス、質量則、コインシデンスと透過損失
    2. エンジンカバーの遮音性改善事例
  4. 内装材の遮音性改善
    1. カーペット、フェルトなどの振動伝達比と車内音低減効果
    2. 共振型カーペット (遮音材) の開発事例
  5. 吸音対策
    1. 室定数と車内音低減効果、室定数測定方法
    2. 吸音シート、吸音天井の開発事例
    • 質疑応答

第2部 遮音・吸音のメカニズムと吸音率の予測方法

(2019年2月25日 11:40〜12:50)

 自動車の客席や建築構造物内の居室などの室内空間の快適性を向上させるためには、静粛性の確保は欠くことができない。
 本セッションでは、静粛性向上において重要となる遮音と吸音の基礎理論について説明するとともに、それらの代表的な評価特性である透過損失と吸音率の予測手法について説明する。

  1. 遮音
    1. 物理的な現象の説明
    2. 透過率と透過損失
    3. 一重壁の遮音・質量則とコインシデンス
    4. 二重壁の遮音・共鳴透過
    5. 理論式による予測手法
    6. 数値解析による予測手法
  2. 吸音
    1. 物理的な現象の説明
    2. 垂直入射吸音率
    3. 斜入射吸音率
    4. ランダム入射吸音率
    5. 微細管内における吸音
    6. 等価流体モデルによる予測手法
    7. Biotモデルによる予測手法
    8. 均質化法による予測手法
    • 質疑応答

第3部 不織布系吸音材料の自動車分野での利用について

(2019年2月25日 13:30〜14:40)

 自動車では騒音低減と音響快適化の両面から様々な部位に音対策が講じられていますが、近年はさらなる高性能化と軽量化等の要求を両立させることが求められています。
 本講演では、こうした音対策の中で主に吸音材における不織布の役割と素材構成と個別の要求特性、さらに今後の技術方向について、弊社品を含む具体的な事例を挙げながら解説します。

  1. 不織布の分類と使用素材・製造方法 (イントロダクション)
  2. 自動車における不織布の用途
  3. 自動車用吸音材における不織布の役割と性能
    1. 音に関する基本事項と評価技術
    2. 不織布の基本特性とその利用技術
    3. 性能要求と具体的事例
  4. 部位による個別事例と要求特性
    1. 各種内装
    2. エンジン周辺
    3. その他
  5. 自動車用吸音材における不織布の課題と可能性
    1. 次世代の方向と性能向上への課題
    2. 不織布における技術進化の展望
    • 質疑応答

第4部 ノイズキャンセリング機能を有する防音材料の開発

(2019年2月25日 14:50〜16:00)

 一般的な自動車用防音材料の音響性能を紹介し、目標とすべき音響透過損失と吸音率を解説する。このことを踏まえ、必要な遮音性能を確保しつつ、実車において軽量化、及び車室内騒音の低減を実現できた防音構造を紹介する。更に、この防音構造について伝達マトリクス法により理論的な考察を加え、その音響的メカニズムを解説する。

  1. 自動車用防音材料に必要な音響性能
    1. 音響透過損失
    2. 吸音率
  2. 新防音構造
    1. ノイズキャンセリング機能を有する防音構造
    2. 遮音性能の確認
    3. 実車による性能確認
  3. 伝達マトリクス法による理論的考察
    1. 周波数応答
    2. 体積速度
    • 質疑応答

第5部 自動車の防音性能設計と吸音・遮音の開発ニーズ

(2019年2月25日 16:10〜17:20)

 自動車開発において防音性能は商品性を決める重要な要素となります。昨今、自動車業界では電動化に大きくシフトし、静粛性のニーズは高まる一方です。そこで自動車開発における防音性能設計の現状と課題を紹介し、将来への吸音性能、遮音性能へのニーズについて考察していきます。静粛性向上のためには多くの防音材が必要となってきます。これは昨今の環境対応ニーズが高まる中、軽量化とは相反する方向となります。
 そこで軽量化が与える静粛性への影響と、軽量化と静粛性を両立するために必要な観点を解説し、自動車メーカーがどのように防音パッケージを決定していくのかを説明していきます。後半では従来の防音材の考え方から発展し、今後もとめられる新たなニーズをどのように答えていくべきか参加者のみなさんと考えていけるよう問いかけていきます。

  1. 背景とニーズの変化
    1. 環境対応や法規の厳格化、商品性ニーズ、CASE時代の新たな価値
  2. 材料置換による軽量化とNV性能の影響
  3. 自動車騒音の全体像
    1. 騒音現象とひとの聴覚特性との対応、環境騒音の位置づけ
    2. エンジン車両と電動車両の振動騒音の変化
    3. 騒音対策のアプローチ
  4. 防音パッケージの性能設計
    1. 防音材の基本性能の理解
    2. 防音材の性能を決定づける因子
    3. 防音材の重量と完成車重量との関係性
    4. 性能設計のアプローチ
  5. 吸音・遮音ニーズ
    1. 材料特性を超えるニーズ
    2. 組み合わせの最適化
  6. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 谷本 隆一
    愛知工業大学
    名誉教授
  • 山本 崇史 (振動工学)
    工学院大学 工学部 機械工学科
    准教授
  • 新井田 康朗
    クラレクラフレックス株式会社
    社長補佐
  • 加藤 大輔
    株式会社 HOWA 車両音響開発部
    上級スペシャリスト
  • 近藤 隆
    株式会社 本田技術研究所 4輪R&Dセンター 11技術開発室 第2BL
    主任研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/26 モータシステムに活かすCAE解析の基礎と応用 東京都 会場・オンライン
2024/11/27 xEV用バスバー・接続と絶縁樹脂の技術動向 オンライン
2024/11/27 自動車の電子制御システムとセンサの動作原理、その応用 オンライン
2024/11/27 車載用半導体の動向・要求特性と信頼性認定ガイドラインの概要 オンライン
2024/12/7 自動車用パワーエレクトロニクスの基礎と技術動向 東京都 会場
2024/12/9 カーボンリサイクルに向けた低エネルギーCO2回収 (DAC) 、燃料合成、燃料利用技術の開発動向 オンライン
2024/12/9 EVの熱マネジメントシステムと冷却・加熱技術 オンライン
2024/12/10 実践騒音対策設計 オンライン
2024/12/12 自動車リサイクルの日本および世界の現状と今後のリサイクル戦略 オンライン
2024/12/13 モータシステム設計に活かすCAE解析の基礎と応用 オンライン
2024/12/19 モータの品質問題とトラブル解決事例 東京都 会場・オンライン
2024/12/24 自動車リサイクルの日本および世界の現状と今後のリサイクル戦略 オンライン
2025/1/14 モータの振動騒音と低減対策 (基礎編) 東京都 会場・オンライン
2025/1/16 実践騒音対策設計 オンライン
2025/1/21 自動車用を中心とした半導体技術の現状・最新動向と今後の展望 オンライン
2025/1/29 自動車照明市場の最新動向・新技術トレンド オンライン
2025/2/13 自動車業界 (部品・材料メーカー等) における環境/化学物質規制対応のためのJAPIAシート作成の必須知識 オンライン
2025/2/26 自動車業界 (部品・材料メーカー等) における環境/化学物質規制対応のためのJAPIAシート作成の必須知識 オンライン
2025/3/6 実践騒音対策設計 オンライン
2025/3/31 防音材による振動騒音低減手法とその効果予測 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書
2024/1/31 車室内空間の快適性向上と最適設計技術
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2022/6/30 自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍版)
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍+PDF版)
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2021/9/30 自動車室内の静粛性向上と、防音・防振技術、材料の開発
2021/4/13 GAFA+Mの自動運転車開発最前線
2021/1/31 次世代EV/HEV用モータの高出力化と関連材料の開発
2020/12/25 次世代自動車の熱マネジメント
2019/12/13 2020年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望