文字や顔認識における実使用に耐えてきた部分空間法・相互部分空間法の基本とそのヒューマンセンシングへの応用について解説する。
　まず、部分空間法を理解するうえで必要な基本数理について説明する。次に、部分空間法およびその自然な拡張である相互部分空間法について説明する。さらに部分空間法や相互部分空間法の識別性能を強化するための特徴抽出について説明する。
　これらの準備のもと、顔認識、手形状認識、ゼスチャー認識などのヒューマンセンシングへの応用について紹介する。

1. 画像ベクトル空間の数理
   1. 画像ベクトル空間
   2. 画像類似度の定義
   3. 部分空間の概念
   4. 正射影と直交化
2. 部分空間法の基本
   1. 主成分分析
   2. 固有空間
   3. 部分空間法による顔認識
   4. EigenFaceとFisherFace
3. 相互部分空間法への拡張
   1. 部分空間の成す正準角
   2. 照明部分空間
   3. 形状部分空間
   4. 相互部分空間法による3次元物体認識
   5. 相互部分空間法による顔認識
4. 識別性能の強化
   1. 差分部分空間/一般化差分部分空間への射影
   2. 制約相互空間法
   3. 直交相互部分空間法
   4. カーネル関数を用いた非線形化
   5. グラスマン多様体の導入
5. ヒューマンセンシングへの応用
   1. 複数視点動画像を用いた顔認識
   2. 複数視点動画像を用いた手形状認識
   3. 顔面微小特徴点を用いた個人認証
   4. 動画像列を用いたゼスチャー認識