技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

EVをはじめとした次世代自動車市場展望とリチウム資源の需給動向

EVをはじめとした次世代自動車市場展望とリチウム資源の需給動向

~電気自動車市場と蓄電池材料"リチウム"の相関性にも言及~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年6月19日(月) 13時00分 16時30分

プログラム

 2020年の東京オリンピック、2025年の環境規制に向けて、世界の自動車産業は大きな変革に直面している。第1の変革は地球環境保護への環境対応車の開発だ。環境問題解決、低炭素社会の構築、省エネルギー性能等への対応から、燃料電池車 (FCV) 、電気自動車 (EV) 、プラグ・イン・ハイブリッド車 (PHV) 、天然ガス自動車、低燃費ガソリン車など次世代自動車の開発・普及が、世界の自動車企業によって競われている。
 燃料電池車は究極のエコ・カーとされ、2014年12月15日にトヨタ自動車が世界最初の量産型燃料電池車MIRAI (ミライ) の販売を開始したものの、フォルクス・ワーゲン、GMをはじめとした世界の巨大自動車メーカーは、燃料電池車と比較して技術的に構造が簡単な電気自動車 (EV) 開発に一斉に舵を切り始めている。世界の電気自動車向け充電器市場は2020年には2,600億円を超えると予測され、2025年における世界の電気自動車市場は、年間250万台が見込まれている。燃料電池車で先行するトヨタも系列メーカーとともに電気自動車の開発強化を行っている。
 電気自動車は、リチウムイオン電池の技術進歩により1度の充電により走行距離が300キロに達しているものの、ガソリン自動車と比較して「まだまだ短い航続距離」、「少ない充電ステーション」、「高価な蓄電池」が課題と言えるだろう。また、電気自動車はスマート・フォンと比較して1万倍近くのリチウムイオン電池の容量を必要とすることから、リチウムイオン電池の原料に用いるリチウム資源の偏在と価格上昇も課題として近年クローズアップされ始めている。リチウムイオン電池それ自体も正極材、負極材、電解液、セパレーター等の素材において電池の低価格化、大容量化の開発競争が今後さらに激しくなるだろう。
 米国カリフォルニア州では、2018年からZEV (排ガスゼロ車) 規制が強化され、販売台数の一定割合を電気自動車等のZEVとすることが求められている。自動車環境規制を強化している米国、中国ともに、日本の自動車メーカーが得意とするハイブリッド車 (HV) を対応車として含めていない。また、シェール・ガス革命によって天然ガス価格が下落していることから、米国では圧縮天然ガス自動車 (CNG) 、LNG (液化天然ガス) 自動車の開発・普及も進んでいる。天然ガス自動車は世界で1,500万台に達しているが、2035年には7,500万台に増加すると予測されている。
 第2の変革は、自動運転、ライド・シェア等の新たな自動車の将来像が具体化しつつあることが挙げられる。2020年以降にはAI (人工知能) を活用した自動運転車の普及が本格化する可能性がある。電気自動車、自動運転車の普及は、既存の自動車企業とIT企業の提携を通じた、日本の自動車メーカーの勢力図を変貌させる可能性が大きい。今後2020年〜2030年に向けて、水素と電気等など自動車関連のエネルギー供給インフラストラクチャーをはじめとした大きなチャンスが期待できる。次世代自動車を取り巻く最新動向と今後の事業機会について第一人者が的確に解説する。

  1. 地球環境に優しい次世代自動車の現状と今後の動き – 電気自動車の可能性
  2. 次世代自動車の普及状況とガソリン自動車との競争力の現状と今後
  3. 欧米における次世代自動車への政策動向と推進支援策 – 世界の環境規制動向
  4. 日本における次世代自動車への普及政策の今後 – 燃料電池車支援策
  5. 燃料電池車のメリットとデメリット – 量産化への制約
  6. 電気自動車のメリットとデメリット – 自動運転、スマート・シティーの拡大
  7. 電気自動車はデファクト・スタンダードとなるのか – カリフォルニア州
  8. 天然ガス自動車のメリットとデメリット – 米国のシェール・ガス革命
  9. 燃料電池車の普及の可能性と市場規模
  10. 水素ステーションの普及の可能性と市場規模 – 水素社会の促進策
  11. 電気自動車と充電ステーションの普及の可能性と今後の市場規模
  12. 蓄電池開発の最新動向と市場規模 – リチウムイオン電池の技術開発動向
  13. リチウムイオン電池に係わる日本企業の強み – 中国企業との競争
  14. リチウム資源の現状と今後の価格動向
  15. 天然ガス自動車と天然ガス・ステーションの普及の可能性と市場規模
  16. 自動運転技術の革新動向とライド・シェアによる次世代自動車への効果
  17. ハイブリッド車、低燃費ガソリン車の開発の現状と可能性 – トランプ政権
  18. 次世代自動車へのとるべき日本企業の戦略
    • 質疑応答

講師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/8 ソニー・ホンダモビリティ、Tesla、BYDのEV開発戦略 東京都 オンライン
2024/5/9 ゼロから学ぶ再エネビジネス基礎講座 (全2回) オンライン
2024/5/9 再エネ電力・環境価値取引で抑えたい知識と実務 オンライン
2024/5/10 容量市場・需給調整市場の基礎と最前線論点 (全2回) 会場・オンライン
2024/5/10 ゼロから学ぶ電気事業と容量市場 東京都 会場・オンライン
2024/5/14 EV×グリッド活用と今後のビジネスチャンス 東京都 会場・オンライン
2024/5/15 エネルギービジネスの未来を読み解くための情報収集・利活用ノウハウ 東京都 会場・オンライン
2024/5/17 電力・ガス業界のしくみ・ビジネス概説と秘話 東京都 会場・オンライン
2024/5/17 入門 インピーダンス測定法とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/20 アルカリ水電解技術の基礎と開発動向・展望 オンライン
2024/5/21 xEVのPCU (パワーコントロールユニット) と自動車用パワーエレクトロニクスの技術動向 東京都 会場
2024/5/21 再生可能エネルギー源としての木質系バイオマス利用の道標 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 出光興産株式会社における苫小牧CCUS構想と今後の課題 東京都 会場・オンライン
2024/5/22 カーボンニュートラル (CN) 社会における水素の役割とその技術動向 オンライン
2024/5/22 核融合炉 (フュージョン・エネルギー) の最新動向と構成材料の課題 オンライン
2024/5/22 核融合発電の最新開発動向、課題と実現への見通し 東京都 会場・オンライン
2024/5/23 FIP、コーポレートPPA等、2023年4月施行を踏まえて抑えたい知識と実務 オンライン
2024/5/23 水素サプライチェーンの実用化への取り組みと将来に向けた技術開発シナリオ 東京都 会場・オンライン
2024/5/24 核融合の開発競争とビジネスインパクト 東京都 会場・オンライン
2024/5/24 カーボンナノチューブの基礎とリチウムイオン電池への応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2018/2/23 2018年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2017/11/30 次世代電池用電極材料の高エネルギー密度、高出力化
2017/11/17 2018年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2017/9/29 触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略
2017/9/22 2017年版 スマートグリッド市場の実態と将来展望
2017/8/25 2017年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2017/7/21 2017年版 スマートコミュニティ市場の実態と将来展望
2017/5/31 車載センシング技術の開発とADAS、自動運転システムへの応用
2017/5/26 2017年版 HEMS市場・関連機器の実態と将来展望
2017/5/25 EVに最適なバッテリーマネジメント技術と市場
2017/4/27 実務対応・LiBの規格と安全性試験のEV対応 2017
2017/3/24 2017年版 スマートエネルギー市場の実態と将来展望
2017/3/10 ZEV規制とEV電池テクノロジー
2017/2/28 全固体電池のイオン伝導性向上技術と材料、製造プロセスの開発
2017/2/24 2017年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2017/1/27 2017年版 太陽光発電市場・技術の実態と将来展望
2016/12/16 2017年版 次世代エコカー市場・技術の実態と将来展望
2016/11/16 2017年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2016/9/23 2016年版 スマートハウス市場の実態と将来展望
2016/8/26 2016年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望