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有機溶媒/樹脂中における微粒子の分散技術と不良対策

失敗しない・再現性の高い

有機溶媒/樹脂中における微粒子の分散技術と不良対策

~表面エネルギー、溶解度パラメータ (HSP値) 、酸塩基性の使い方、測定法~
京都府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、微粒子分散について分散化から安定化までのプロセスを一貫して解説し、期待する分散を実現、維持するための指針について詳解いたします。

開催日

  • 2017年5月17日(水) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 微粒子分散に関連する技術者、開発者、研究者
    • 粉体
    • 高分子
    • 塗料
    • インク
    • 機能性材料
    • 接着剤
    • エラストマー
    • 医薬品
    • 化粧品食品
    • サプリメント など

修得知識

  • 表面エネルギー、溶解度パラメータ (HSP値) 、酸塩基性の使い方、測定法
  • 溶媒/樹脂に適した湿潤剤・分散剤の選択
  • 分散不良・安定性不良の原因と対策
  • 微粒子のぬれ (分散化)、安定化
  • 溶媒、樹脂、 粒子表面の物性値の測定法
  • 粒子表面や溶媒に合わせた湿潤剤や分散剤の選択指針
  • 様々な物性値による表面改質粒子の分散性評価と応用例

プログラム

 微粒子・ナノ粒子の活躍舞台が、電子材料や医療診断材料などに広がるにつれ、素材は極性の強い金属粒子やナノセルロースおよび非極性のプラスチック粒子など、また分散媒も有機溶媒や樹脂と多岐に渡るようになりました。微粒子は、先ず溶媒や樹脂にぬらすことで分散させ、次いで再凝集しないように、分散剤を添加し安定化させる必要があります。
 本講では、分散・安定性を左右する粒子表面や樹脂の物性値 (表面エネルギー、溶解度パラメータ、酸塩基性など) の使い方と測定法を説明し、得られたデータをどう活用すれば、粒子表面や溶媒/樹脂に適した湿潤剤・分散剤の選択が可能か、また粒子の表面改質をどう行えばよいか、多くの事例を踏まえて分かりやすく解説します。

  1. 微粒子分散系の調製過程における分散不良の原因
    1. 微粒子分散系の性質による原因
      1. 複雑な固体表面構造と大きな表面エネルギー
      2. 微細化に伴う粒子間距離短縮と凝集速度増大
    2. ぬれ (分散) 性不良の原因
    3. 安定性不良の原因
    4. 撹拌不良の原因
      1. 予備撹拌の目的と撹拌機の選択
      2. 本撹拌の目的とスラリー特性に合わせた分散機選択
  2. ハンセンの溶解度パラメータ (HSP値) とその測定法
    1. HSP値の由来と適用分野
    2. 溶媒/樹脂のHSP値の求め方
      1. 物性値からの推算とハンセン球を利用した溶解法による測定
      2. インバースガスクロマトグラフィー (IGC) 法による測定
      3. 原子団寄与法による計算法とソフトウエアの使用
    3. 粒子表面のHSP値の測定
      1. 凝集・沈殿法による測定
      2. IGC法による測定
  3. ぬれ性不良の原因と対策
    1. 粒子の表面エネルギーとその成分項の求め方
      1. カラム/薄膜浸透法や両面テープ剥離法による接触角の測定
      2. 臨界表面張力法による表面エネルギーの測定
      3. IGC法による表面エネルギーと表面不均一性の測定
    2. ぬれ性不良の対策
      1. ぬれ限界線を用いた溶媒/樹脂の選択
      2. HSP値とハンセン球を利用した溶媒の選択
    3. ぬれ性改善のための湿潤剤 (界面活性剤) の選択指針
      1. 界面活性剤の種類と用途
      2. 親水性 – 疎水性バランス (HLB値) とその計算法
      3. 粒子表面極性に応じた親水化・疎水化の制御
      4. 自己組織化単分子膜によるナノ粒子の分散化
  4. 安定性不良の原因と対策
    1. 粒子表面電荷による静電反発作用 (DLVO理論)
      1. 極性溶媒中の静電反発作用による安定化とその限界
      2. 非極性溶媒中の安定化に必要なゼータ電位
    2. 高分子 (分散剤) 吸着層の立体反発作用による安定化
      1. 混合効果と体積制限効果
      2. 分散剤の溶解性 (HSP値) と安定性不良
    3. 非DLVO力 (疎水性引力、溶媒和力、枯渇力など) と安定性不良
    4. 粒子間相互作用力の測定法
      1. 走査型コロイドプローブ原子間力顕微鏡
      2. 光ピンセット顕微鏡
  5. 安定性改善のための高分子分散剤の選択指針
    1. 高分子共重合体の構造と吸着形態
    2. 高分子鎖の広がりと吸着層厚さ
    3. 粒子表面への吸着性と酸塩基相互作用
      1. ルイスの酸塩基性 (アクセプター数とドナー数)
      2. 滴定法やIGC法による分散剤/粒子表面の酸塩基性の測定
      3. 高分子分散剤の酸価とアミン価
      4. 溶媒、分散剤および粒子表面の酸塩基性の最適バランス
  6. 樹脂中における分散不良の原因と対策
    1. 粒子表面の物理化学的改質法
    2. HSP値による改質粒子の分散性評価例
    3. ぬれ限界線を応用した改質材料の分散性評価例
    4. 酸塩基性による改質材料の分散性評価例
  7. 分散安定性の評価法
    1. スラリー特性に応じたフロック径測定法の選択
    2. スラリー特性に応じた凝集・沈降法の選択
    3. レオロジー特性による評価
    • 質疑応答

講師

会場

京都リサーチパーク

1号館 4F 中会議室C

京都府 京都市 下京区中堂寺南町134
京都リサーチパークの地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
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