技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向

熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向

大阪府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、熱可塑性エラストマーの技術トレンドと市場動向について、従来の熱可塑性エラストマーだけでなくソフトマテリアルに広げて解説いたします。

開催日

  • 2017年3月10日(金) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 熱可塑性樹脂・熱可塑性エラストマーの応用に関連する技術者、研究者
    • 自動車の軽量化
    • 自動車内装表皮材
    • 住宅・建築物の化粧シート
    • 太陽電池の封止材
    • スピーカーコーンエッジ材
    • 医療
    • ロボット など
  • 従来材から熱可塑性エラストマーへの移行を検討している技術者
    • 軟質塩ビからの代替
    • 熱硬化性樹脂・ゴムからの代替 など
  • 熱可塑性樹脂・熱可塑性エラストマーに関連する技術者、研究者

修得知識

  • 熱可塑性エラストマー (Thermoplastic elastomer : TPE) の知識
  • 自動車・住宅用内・外装材の最新動向
  • 紫外線や紫外線を用いた架橋システム

プログラム

 熱可塑性エラストマー (TPE:Thermo Plastic Elastomers) とは,加熱すると溶融して再度成形加工が可能な柔らかい樹脂のことである。柔らかいが加熱しても溶融しないため再度成形することができないタイヤの様な架橋ゴムとは区分けされてきた。しかし最近ウレタン系、シリコン系,アクリル系等で架橋しても柔らかいエラストマーが登場してソフトマテリアルと総称することが多いため,本講座も従来の熱可塑性エラストマーだけでなくソフトマテリアルに広げてセミナーを進めたい。
 自動車内装材・住宅・医療・食品包装材・農ビ等には,従来塩化ビニル樹脂が用いられてきた。塩化ビニル樹脂は可塑剤を混ぜて軟質塩ビ (塩化ビニール) にして用いられることが多い。可塑剤にはアレルギー物質として懸念されているフタル酸エステル (Phtalate) が主に用いられてきたが,最近ではフタル酸エステル以外の可塑剤に代替えが進み,更に塩化ビニル樹脂からポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーに代りつつある。表層にはDMF等を含んだ溶剤系表面処理剤が塗工されてきたが,最近では水系が多く用いられ,乾燥方法も熱風から赤外線に代わっている。さらに一部は紫外線,電子線架橋型になり,装置の低消費エネルギー・コンパクト・クリーン化が容易になっている。
 またユーザーの要求は多様化しており (自分だけのもの) ,プリントロールで大量生産する時代は終わり,版レスで1個造りが可能なインクジェットプリンターや3Dプリンターに変化している。更に3Dインクジェットプリンターが登場して,UV硬化システムにもかかわらず柔らかいカラフルな凹凸模様が簡単に造形できるようになり、顧客の多様性に迅速に対応可能になった。更にIoTが進み情報分析 (顧客ニーズ) ,注文,生産,品質保証,故障予知,修正の自動化が可能になりつつある。本講座では最新情報をもとにトレンドを明確にして,自動車産業を中心に熱可塑性エラストマーの応用と展開を解説する。

  1. はじめに
    1. CES2016,drupa2016,K2016等の展示会情報をもとに日本の現状と未来を考える
    2. 人や環境への配慮
      • ReachやRoHS規制に呼応してOEKO-TEX等業界団体が自主規制を設けている。
      • 塩素・臭素等のハロゲンフリー,VOC (ボラタルオーガニックコンパウンズ), SVOC (セミボラタルオーガニックコンパウンズ) の低減,軽量化が進んでいる
  2. 熱可塑性エラストマー概要
    1. オレフィン系 (TPV、p-TPV、r-TPO)
    2. スチレン系 (SBS,SEBS,SIS,SE)
    3. ウレタン系 (TPU)
    4. ポリエステル系 (TPEE)
    5. 新規熱可塑性エラストマー (ソフトマテリアル含む)
  3. 自動車内装材 (熱可塑性エラストマーの主用途である)
    1. 自動車・部品メーカーの動向
    2. 内装表皮材メーカーの動向:中国では塩ビからTPOへ急激にシフトしている
    3. 成形工法:射出成形,インモールドグレイニング,新成形工法
    4. IP (インストルメントパネル) ,ドアパネルのTPO化
      1. 工程概要
        • 配合 (安定剤処方等)
        • フィルム成形 (押出機、カレンダー成形)
        • 表面活性化処理 (コロナ、プラズマ)
        • 表面処理 (表面処理剤と処理機の選定/水性化) 絞押 (本革調の緻密な外観)
      2. TPOへの電子線照射技術
      3. 電子線架橋ポリプロピレン発泡体製造技術
      4. TPO以外のソフトマテリアル
        • PUスプレー
        • ウレタンビーズスラッシュ
        • PU-RIM
        • SEBS (射出成形)
    5. 座席 (シートカバー)
      1. 本革
        • クロムなめし
        • 臭い
        • 重い
        • アニマルフリー
      2. 塩ビ系
        • カレンダー法
        • キャスティング法
      3. ウレタン系
      4. シリコン系
      5. ブルージーンズ汚染改良技術
      6. 難燃化技術
        • アンチモンフリー
    6. 自動車外装材
      1. 塗装レス→フィルム化
      2. チッピング傷防止フィルム 自己修復塗料
      3. グラスラン
  4. 住宅
    1. ソファ等の家具
    2. 軟質塩ビ壁紙はフリースに変化
      • 印刷はインクジェットプリンターへ
    3. 床材:海外では主流のインレイド構造
  5. 医療
    • 中国・EUではスチレン系エラストマー製輸血バッグやチューブが増加している
  6. 電器電子
    • 塩素フリーが顕著に進んでいる
  7. 今後の展開
    • Robotics対応ソフトマテリアルとは?手の感触の再現

会場

滋慶医療科学大学院大学

9F 視聴覚大講義室

大阪府 大阪市 淀川区宮原1-2-8
滋慶医療科学大学院大学の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき 43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき 23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/28 プラスチック成形品の残留応力の発生機構 & 解放機構の予測法 オンライン
2025/7/28 押出機による混練技術の基礎と応用 オンライン
2025/7/29 高分子材料の粘弾性に伴う残留応力発生 & 解放機構と低減化法 オンライン
2025/7/29 ゴムの配合・混練・加工技術とトラブル対策への活用事例 オンライン
2025/7/30 ポリマーアロイにおける分散構造、界面構造の形成とモルフォロジーの観察・解析手法 オンライン
2025/7/30 グローバル包装業界におけるトップ企業の事業展開と包装技術・規制対応・環境政策の詳細 オンライン
2025/7/31 ゴムの配合・混練・加工技術とトラブル対策への活用事例 オンライン
2025/7/31 天然植物繊維を強化材とする複合材料の繊維原料特性と活用・複合化のポイント 東京都 会場
2025/7/31 プラスチック射出成形の可塑化工程に起因する成形不良と対策 オンライン
2025/8/4 高屈折率ポリマーの分子設計、合成手法と屈折率の測定方法 オンライン
2025/8/5 廃プラスチックの最新リサイクル技術の動向 オンライン
2025/8/6 光硬化に用いられる光重合開始剤とその助剤の種類、選び方、使い方、暗所・深部・厚膜硬化、速硬化への対応 オンライン
2025/8/6 マイクロ・ナノプラスチックの体内侵入に脅かされる人類とその活路 オンライン
2025/8/6 プラスチックスのリサイクルやバイオマス利用などの環境対策の現状と技術動向、今後の展望 オンライン
2025/8/6 ポリウレタンの基礎知識と応用技術および高機能化 オンライン
2025/8/7 超分子架橋を駆使した機能性高分子材料 オンライン
2025/8/7 高分子材料の粘弾性に伴う残留応力発生 & 解放機構と低減化法 オンライン
2025/8/7 プラスチックの加飾技術の最新動向と今後の展望 オンライン
2025/8/7 プラスチック・ゴム成形におけるブリードアウトの発生メカニズムと防止対策 オンライン
2025/8/7 ポリウレタンの基礎知識と応用技術および高機能化 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/31 ポリウレタンの材料設計、環境負荷低減と応用事例
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例