技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

治験での臨床検査値における曖昧な事項と疑問

治験での臨床検査値における曖昧な事項と疑問

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年10月31日(月) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 基準値・基準範囲の設定
  • 生理的変動の意味、生理的変動の因子
  • 病態識別値、治療目標値、カットオフ値の意味
  • 正確な疾患名や病態の表現

プログラム

 治験の現場で、カルテ閲覧を行いデータ解析や臨床医と議論をする際などに、様々な疑問が生じます。また、メディカルライティングにおいては、正確な疾患名や病態の表現が求められます。中でも臨床検査データは客観的であるが故、さらに科学的な表現が必須となります。
 検査値の変動について「上がった」「下がった」と言うこと自体は正しいのですが、それが何に基づいて出現している現象かを理解せずに記載すると、細かなニュアンスの点で齟齬が生じる可能性があります。
 臨床検査の結果は客観性がありデータそのものに意味があるのですが、解釈するにあたり、それぞれの検査の方法や原理から、異常値の出現機構を理解しておく必要があります。しばしば出会う疑問について、詳細に研修します。

検査総論

  • Q1 基準値・基準範囲はどのように決めていますか。
    • 基準範囲は、健常人がとりうる臨床検査値で、検査成績を判断する基本となっています。
      多くの検査値が基準範囲と病態時の値の分布が重複するため、一般的には健常人集団のみを対象として基準範囲を設定して利用しています。
  • Q2 生理的変動とは何を指しますか。また、生理的な変動因子にはどのようなものがありますか。
    • 「生理的変動」との語は、頻繁に使用されます。本来、生理的とは、健康状態での身体の対応を指しています。
      すなわち、健康人における性別、体位、食事、運動などによる検査値変動です。疾患が原因で一時的にダメージを負って異常値となり、その後正常に戻った際は、厳密には一過性の変動です。細かなニュアンスを整理します。
  • Q3 臨床判断値とは何をさしますか。 病態識別値、治療目標値、カットオフ値の意味は。
    • 異常値を見た際に、次に何を行うかを判断するものが、臨床判断値です。検査値の解釈法には様々あり、目的に応じてカットオフ値を決めます。
  • Q4 採血法などの検体採取法と保存による検査値変動にはどのようなものがありますか。
    • 採血に使用する器具や採血時の体位で検査値が大きく変わるものがあります。
      また、採血後の検体の保存状態によっても大きく変動します。
      異常な値を見た際に、検体採取から保存段階を考察可能な知識を得ます。

検査各論

  • Q5 LDHの値が高値となりました。上昇機構を考えるために、他のどの検査項目を検討しますか。
    • 血清LDH濃度は、様々な要因で変動します。LDHは細胞のエネルギー代謝に必須の酵素であり、特に多く含まれる細胞があります。
  • Q6 AST 50 U/L, ALT 46 U/Lと軽度高値を見ました。何を考えますか。
    • 肝疾患でない場合でも、AST, ALTの値は変動します。薬物の代謝機構を再考して、肝細胞の軽度なダメージ発生機構を整理します。
  • Q7 BUN 45 mg/dl クレアチニン 0.8 mg/dLの結果が得られました。何を考えますか。
    • 腎機能が低下していなくとも、軽度のBUN高値はしばしばみられます。BUN産生機構を理解したうえで、腎機能低下以外でのBUN上昇機構を整理します。
  • Q8 血小板数が減少との結果が得られました。何を考えますか。
    • 体内での血小板低下は身体にとって極めて重大な事象です。
      検査の過程でも、血小板数低下との結果を得る原因があります。
  • Q9 高ビリルビン血症を見た際、原因の鑑別はどのように行いますか。
    • 高ビリルビン血症による黄疸は、肝・胆道系疾患や溶血性疾患でみられます。
      肝胆道系の障害と溶血性副作用は最も代表的な薬物による有害反応です。
  • Q10 溶血の原因検索のための検査はどのように行いますか。
    • 溶血は、赤血球膜の異常によるもの、免疫学的機序によるものなど様々です。
      免疫学的機序による溶血の検査のための抗グロブリン試験の原理を理解します。
  • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 福地 邦彦
    昭和医療技術専門学校
    特任教授 / 医師

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/21 ICH Q5A ウイルス安全性評価/外来性感染性物クリアランス評価コース オンライン
2024/11/21 ICH Q5A ウイルス安全性評価/品質審査での論点と次世代シーケンシング利用/薬事申請に当たっての留意点 オンライン
2024/11/21 医薬品R&D段階でのNPV活用と課題解決策 オンライン
2024/11/22 再生医療等製品における治験薬製造の進め方とトラブル対応 オンライン
2024/11/22 国内/海外の外部委託試験施設に信頼性基準試験を委託する際の信頼性確保の留意点 オンライン
2024/11/22 ライフサイエンス領域における医療トレンドとポストコロナビジネスに求められる対応手法 オンライン
2024/11/22 情報不足な開発初期段階において事業性評価を適切に進める為のデータ活用と売上予測の方法 オンライン
2024/11/22 GMP監査・無通告査察実施時におけるポイントとQA・QCの各対応 オンライン
2024/11/25 薬価算定/制度の要点と加算取得に向けた薬価戦略のポイント オンライン
2024/11/25 QA/QCが知っておくべき (開発段階を含めた) 分析法バリデーションの基礎 オンライン
2024/11/25 CSV (コンピュータ化システムバリデーション) ・GAMP5の基礎知識および実施のポイント オンライン
2024/11/26 QC (試験部門) における効果的な電子化、電子化後のデータファイルの保管・管理における実務ポイント オンライン
2024/11/26 GMP/GDPにおける汚染管理戦略としてのペストコントロールの実態と査察指摘事項 オンライン
2024/11/26 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発とスケールアップの留意点 オンライン
2024/11/26 QMS構築によるオーバークオリティ判断と治験効率化にむけた活用 オンライン
2024/11/27 医薬品品質システム実践のためのバリデーション文書/サイトマスターファイル作成時の必修事項と記載例 東京都 会場・オンライン
2024/11/27 PIC/S GMPをふまえた医薬品のサンプリング基礎知識 オンライン
2024/11/27 無菌医薬品包装規制および完全性評価手順・各種漏れ試験方法のポイント オンライン
2024/11/28 開発段階 (求められる要件) に応じたQbDによる製剤開発と品質規格・Validation実施範囲 オンライン
2024/11/28 安定性試験実施の留意事項と安定性試験結果の統計解析/安定性予測・評価方法および有効期間の設定 オンライン