技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

水・熱・光による高分子劣化・変色のメカニズムとその対策

水・熱・光による高分子劣化・変色のメカニズムとその対策

~水・湿度による加水分解のメカニズム、熱による変形・膨張のメカニズムなど複雑に絡み合う劣化要因を徹底解説~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子の分析・評価技術、添加剤の適切な配合法、高分子材料の劣化と対策について詳解いたします。

開催日

  • 2016年5月23日(月) 10時30分 16時15分

修得知識

  • 高分子材料の光、熱、水による劣化と対策
  • 添加剤の適切な配合法
  • 高分子の分析・評価技術
  • 高分子の劣化・変色の原因と対策

プログラム

第1部 高分子材料の劣化要因と添加剤作用機講

(2016年5月23日 10:30〜12:00)

有機化合であるポリマー材料は、その製造、加工、使用において化学的劣化を受ける。その原因と対処法 (添加剤の使用) について解説する。

  1. ポリマーの劣化機構
    1. 劣化と自動酸化
      1. 連鎖開始反応
      2. 連鎖分岐反応
      3. 連鎖停止反応
    2. 熱劣化
    3. 光劣化
  2. ポリマーの安定化
    1. 酸化防止剤の役割
      1. 各種製品に対する添加剤
      2. 自動酸化と添加剤の関係
    2. フェノール系酸化防止剤
    3. イオウ系酸化防止剤
    4. リン系酸化防止剤
    5. 紫外線吸収剤
    6. ヒンダードアミン系光安定剤
  3. 添加剤の相互作用
    1. 相乗作用
      1. HALS NHとフェノール系酸化防止剤の相乗作用
    2. 拮抗作用
      1. HALS NHとスルホン酸の拮抗作用
      2. HALSとフェールの相互作用
    • 質疑応答

第2部 有機-無機ポリマーハイブリッドコーティング膜の作製と特性評価

(2016年5月23日 12:45〜14:15)

  1. 高分子材料と劣化要因
  2. 高分子材料と加水分解劣化
  3. 高分子材料劣化物の分析手法
    1. 高分子材料分析手法と劣化解析
    2. 赤外/ラマン分析法の特徴と劣化物解析
    3. GC/LC分析法による加水分解物解析
    4. 熱抽出GC – MS分析法による解析
    5. ソフトイオン化精密質量分析法による解析
    6. 熱抽出精密質量分析法 (ASAPTOFMS) による加水分解物解析
    7. LC導入精密質量分析法 (LC – ESITOFMS) による加水分解物解析
    8. GPCおよびDOSY (NMR) 法による劣化物の分子量依存化学構造解析
    9. XPS/TOF – SIMS表面分析法による表面劣化と加水分解解析
  4. 生分解性ポリマーの化学構造と酵素加水分解特性
    1. ポリカプロラクトン (PCL) の熱処理条件と加水分解特性
    2. DSC熱分析法によるポリマー構造解析
    3. 赤外・ラマン分析法によるポリマー構造解析
    4. X線回折分析法によるポリマー結晶構造解析
    5. パルスNMR法による解析
    • 質疑応答

第3部 分子材料の劣化による熱挙動への影響と熱履歴の推定法

(2016年5月23日 14:30〜16:00)

材料の劣化は、環境変化や時間経過、繰返し使用することによって、材料が化学または物理的に変化する事で起こる。高分子材料における劣化は酸化による弾性変化、熱による転移、加水分解など様々な影響によって引き起こされるため劣化の原因を絞り難い。ここでは、高分子材料を擬似的に劣化させることによって試料の熱分解への影響について詳しく解説する。

  1. 熱分析の基礎知識
    1. 熱分析の基礎
      • 種類
      • 定義
      • 原理など
    2. 示差捜査熱量計 (DSC) の条件
      • 測定条件の設定
      • 測定条件の影響など
    3. 示差熱天秤 (TG-DTA) の測定
      • 測定条件の設定
      • 測定条件の影響など
    4. 速度制御熱分析、湿度制御熱分析の原理と特長
    5. 加熱時発生ガス分析 (EGA) の原理と特長
  2. 必要な情報をどのように得るか
    1. 熱分析データ解釈の基礎と知っておくべきポイント
  3. 具体的な高分子劣化のケーススタディ
    1. 熱処理による影響
    2. 酸化による影響
    3. 湿度による影響
  4. 高分子の熱測定の実際と注意するべきポイント
    • 質疑応答

講師

  • 山口 和男
    工学院大学 工学部 応用化学科 高分子合成化学研究室
    講師
  • 宮下 喜好
    NPO法人 ぐんまテクノサポーターズ
    理事
  • 有井 忠
    株式会社リガク プロダクト本部 SBU熱分析
    主幹研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 化学反応型樹脂の硬化率・硬化挙動の測定・評価法 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/21 UV硬化の基礎と硬化不良対策および影部の硬化 東京都 会場
2025/1/21 分子シミュレーションによる高分子材料の内部構造と破壊メカニズムの解析 オンライン
2025/1/21 高分子材料における結晶化・ガラス転移の基礎と評価 オンライン
2025/1/21 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/24 プラスチック射出成形過程の可視化とソリ変形予測技術 オンライン
2025/1/24 材料開発にレオロジーを活用するための考え方と実践 オンライン
2025/1/24 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2025/1/27 増加する廃棄CFRP/CFRTPにおけるリサイクルの課題と炭素繊維回収の最先端およびRCF活用法と産業確立への指針 オンライン
2025/1/27 カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーが求められる次世代自動車とプラスチック オンライン
2025/1/28 車載用プラスチック材料や成形法の基礎から最新活用法まで オンライン
2025/1/28 脱炭素と循環型経済社会の実現に向けたプラスチックリサイクルの課題と展望 オンライン
2025/1/29 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/1/29 プラスチック成形部材の劣化・破損・破壊のメカニズムと評価・改善方法、破面の特徴、トラブル対策 オンライン
2025/1/29 ポリウレタン樹脂原料の基礎と最新動向 オンライン
2025/1/30 高分子分散剤の種類、作用機構、取捨選択と効果的な活用方法 オンライン
2025/1/30 フレキシブルプリント基板の樹脂フィルム/ガラスと銅箔の接合技術 オンライン
2025/1/30 ポリウレタンの材料設計と構造・物性の制御と劣化対策 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例
2021/7/30 水と機能性ポリマーに関する材料設計、最新応用