技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

セルロースの構造材料利用に関わる力学知識と研究開発の現状

セルロースの構造材料利用に関わる力学知識と研究開発の現状

~セルロース系天然繊維、CNF、強度・剛性、力学視点によるナノ効果の発現~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、植物系天然繊維が優れた機械的性質を発現するメカニズム、強度信頼性、ならびに力学的・化学的負荷による改善効果について解説いたします。

開催日

  • 2016年1月28日(木) 13時00分 16時30分

修得知識

  • 力学的視点によるセルロース系天然繊維の剛性発現機構とその信頼性に関する知識
  • 力学的視点による短繊維および長繊維強化複合材料の力学知識
  • 力学的視点によるナノ効果
  • 植物系天然繊維およびこれを用いた複合材料の力学的・化学的負荷による特性改善手法

プログラム

 セルロースの構造材料利用において、日本ではセルロースナノファイバー (CNF) が、欧州ではセルロース系天然繊維がそれぞれ注目を浴びている。特に欧州では、セルロース系天然繊維を使った複合材料がすでに自動車の内装材等に使われており、最近ではモビリティ全般への活用が検討されている。
 本セミナーでは、まずセルロース系天然繊維が優れた機械的性質を発現するメカニズム、その信頼性、さらなる特性向上のための力学的・化学的処理効果について解説する。続いて、CNFおよびセルロース系天然繊維を複合化した際の強度・剛性発現メカニズムに関する力学モデルを講述する。
 最終的に、力学的視点からナノサイズ強化材の強度・剛性向上可能な発現メカニズムを考察する。

  1. はじめに
    • セルロースの構造材料利用において、日本ではセルロースナノファイバー (CNF) が、欧州ではセルロース系天然繊維がそれぞれ注目を浴びている。第1部では両者が注目を集めた背景を述べるとともに、現在の動向について概観する。
  2. セルロース系天然繊維の組織構造と力学特性の関係および特性改善
    • セルロース系天然繊維は素繊維細胞 (シングルセル) が多数集まったマルチセルからなる。セルロースの結晶弾性率は140GPaでありガラス繊維を上回るものの、セルロースが束状に集まったシングルセルではその優れた剛性機能が十分生かされない。第2部では、負荷による回転現象に着目し、マルチセル構造をとることによって剛性 (弾性率) がシングルセルより向上することを、力学モデル (異方性弾性有限要素解析) を通して解説する。さらに、マルチセル化は剛性 (弾性率) のばらつきも減少させる構造であることを信頼性理論によって実証するとともに、さらなる特性向上のための力学的・化学的処理効果について解説する。
      1. セルロース系天然繊維の構造と特性、およびCNFとのちがい
      2. セルロース系天然繊維の膨張および引張負荷による回転とそのメカニズム
      3. マルチセル天然繊維の高弾性率発現機構
      4. 天然繊維の弾性率のばらつきとFOSM法による信頼性解析
      5. 繰返し引張負荷による天然繊維の強度・剛性改善
      6. アルカリ処理による天然繊維の靱性改善と複合材料への適用 ~引張・衝撃特性~
  3. 短繊維強化複合材料と長繊維強化複合材料 ~強化メカニズムのちがい~
    • セルロース系天然繊維およびCNFは繊維長に限りがあり、人工繊維のような長繊維形態をとらない。このため、ともに短繊維形態のまま強化材として使用されることが多い。一方、これらを長繊維形態にするためには、一般には紡糸・撚糸工程を経る必要があり、これを強化材として利用することもある。第3部では、短繊維強化材の強度、剛性発現機構について触れるとともに、紡糸・撚糸を強化材とする複合材料力学についても解説する。
      1. 短繊維強化複合材料の強度・剛性発現機構の基本原理
      2. 長繊維強化複合材料の力学モデル
      3. 撚糸 (ねんし) 弾性率モデル ~撚り (より) の強弱による弾性率変化~
      4. 天然繊維スライバーによる長繊維形態と力学特性
  4. 力学視点によるナノ効果の発現メカニズム
    • マイクロサイズ強化材に比べてナノサイズの優れている点を力学的視点から議論し、その本質の解明に迫る。また、母材である樹脂の結晶化にも着目し、強度・剛性のちがいを考察する。
      1. ナノサイズ強化材による強度・剛性向上可能なメカニズム
      2. 低含有率マイクロサイズ強化材の強度・剛性発現メカニズム
      3. 長繊維形態と短繊維形態によるナノ効果のちがい
    • 質疑応答・名刺交換

講師

会場

連合会館

5F 502会議室

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,000円 (税別) / 41,040円 (税込)
複数名
: 20,000円 (税別) / 21,600円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 20,000円(税別) / 21,600円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,000円(税別) / 41,040円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 40,000円(税別) / 43,200円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
  • 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
  • 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/3/13 半導体封止材用エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤と分析・特性評価法および技術動向 オンライン
2025/3/13 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) におけるブリードアウト&ブルーム現象の発生メカニズムの解明と防止・対策技術 オンライン
2025/3/13 熱伝導性フィラーの充填・表面処理技術とポリマー系コンポジットの開発、微視構造設計・特性評価技術 オンライン
2025/3/13 高屈折率ポリマーの合成法と応用、およびそれらの評価方法 オンライン
2025/3/14 高分子材料のレオロジー (粘弾性) の基礎と動的粘弾性測定 オンライン
2025/3/14 プラスチック射出成形の基礎とトラブル対策 オンライン
2025/3/14 高分子材料の結晶化度測定と分子構造解析およびその応用 オンライン
2025/3/17 高分子劣化のメカニズムと添加剤による対策や材料分析技術 オンライン
2025/3/17 炭素繊維、CFRPリサイクルの分離、再生技術、各種応用、評価解析 オンライン
2025/3/17 UV硬化型樹脂の基礎と硬化過程の測定法及び評価・解析手法 オンライン
2025/3/17 摩擦・摩耗の基礎と試験・評価・解析法 オンライン
2025/3/18 精密押出成形技術入門 オンライン
2025/3/18 カップリング剤によるフィラーの表面処理と樹脂への複合化、分散性評価 オンライン
2025/3/19 分子動力学シミュレーションの基礎と高分子材料開発への応用 オンライン
2025/3/19 樹脂硬化過程での重合誘起ガラス化およびその近傍での挙動 オンライン
2025/3/19 高温/直流高電界下における高分子絶縁材料の特性と評価法 オンライン
2025/3/21 高分子劣化のメカニズムと添加剤による対策や材料分析技術 オンライン
2025/3/24 プラスチック射出成形の基礎とトラブル対策 オンライン
2025/3/25 摩擦・摩耗の基礎と試験・評価・解析法 オンライン
2025/3/25 高分子・ポリマー材料の重合、製造における研究実験から生産設備へのスケールアップ技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/3/31 溶融紡糸技術の基礎と高性能・高機能化および生産管理の実践
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/6/28 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート