分光画像に興味のある方々,またはそれを何かに利用しようとされる方々へ、「分光画像入門 (朝倉書店) 」をテキストとして、その概要と要点を紹介する。
　分光画像の生じる仕組みやその表現方法、測光学の基礎、各種分光映像法の原理、信号耐雑音比などの基礎的な概念を説明した後に、サンプリング定理と離散フーリエ変換、主成分分析など、分光画像を扱うための基礎知識を整理する。
　その後,結像型分光映像法の仕組みを述べ,次にインコヒーレントホログラフィーとフーリエ分光法の原理を統合した瞳面フーリエ分光映像法について説明し,波動光学に基づく測光量である一般化放射輝度との関係や,3次元干渉映像法,天体干渉分光映像法に触れる。
　最後に,最近注目されている誘導ラマン散乱分光顕微鏡とそのデータ処理法について概説する。

導入編

1. 分光画像とは
   1. 3刺激値
   2. 色空間
2. 光の散乱・吸収と表面色
   1. 光の散乱と吸収、表面色
   2. 散乱断面積、吸収断面積
3. 測光の基礎とフーリエ分光
   1. 放射測光学、分光放射輝度
   2. 多次元空間の測光技術
   3. フーリエ分光法
4. 分光映像法の分類
   1. 各種分光映像法の原理
   2. 信号耐雑音比

基礎知識

• フーリエ変換とその道具
• サンプリング定理とDFT
• 主成分分析とKL展開
• 領域分割とクラスタリング
• 独立成分分析

本編

1. 結像型分光映像法
   1. 像面フーリエ分光映像法
   2. 多重像フーリエ分光映像法
   3. マルチチャネル分光映像法
   4. 干渉分光断層映像法
2. 波動光学と3次元干渉分光映像法
   1. 瞳面フーリエ分光映像法とインコヒーレントホログラフィー
   2. 干渉分光映像法と一般化放射輝度
   3. 空間コヒーレンスの伝搬と3次元干渉映像法
   4. 天体干渉分光映像法
3. 分光画像の利用
   1. 誘導ラマン散乱分光顕微鏡
   2. 主成分分析と独立成分分析