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フッ素化学の基礎と材料の合成、さまざまな用途に向けた高機能化

フッ素化学の基礎と材料の合成、さまざまな用途に向けた高機能化

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、電池や自動車・ディスプレイ分野などの応用展開が期待されているフッ素について、基礎から解説いたします。
フッ素が持つ、難燃性、耐熱性、耐薬品性、電気特性、撥水撥油などの機能を活かした応用動向についても解説いたします。

開催日

  • 2013年6月14日(金) 10時30分 16時00分

受講対象者

  • フッ素の応用製品に関連する技術者、開発者、担当者
    • 耐熱・耐寒性・耐薬品性を活かした応用製品
      • 化学プラント(配管チューブ・ライニング・パッキン類・熱交換器充填材等)
      • 半導体製造装置(洗浄薬液ラインチューブ・薬液槽・薬液タンク・ウエハー搬送部材等)
      • リチウムイオン電池パッキン など
    • 難燃性・電気特性を活かした応用製品
      • 電線被覆(ロボット・パソコン・通信・高周波対応・航空機電気系統等
      • 光ファイバー、ケーブル被覆
      • 電気・電子部品 など
    • 低摩擦性を活かした応用製品
      • 自動車用部品(自動変速機のシール材・ブレーキパッド・ショックアブソーバ部品等)
      • 樹脂添加剤(摩擦特性の向上用)
      • 橋梁等のベアリングパッド など
    • 非粘着性を活かした応用製品
      • 家庭用調理器具コーティング(フライパン・炊飯ジャー・ナイフ等
      • プリンタの定着ロール
      • コピー機の排紙用部品 など
    • 耐候性を活かした応用製品
      • ガラスクロス等への含浸による構造物の外装材
      • 施設園芸用被覆材
      • 電話基地局屋外電線被覆 など

プログラム

第1部 フッ素原子がもたらす特異性

~有機フッ素化合物の分子特性と化学反応性について~

(2013年6月14日 10:30〜12:00)

京都工芸繊維大学 大学院工芸化学研究科 物質工学部門 教授 今野 勉 氏

 フッ素原子を有する有機分子の構造、性質、そして化学反応性は、フッ素原子の導入数に著しく依存する。実際、フッ素原子導入数が大きく異なる分子どうしでは、全く異なる分子として振る舞うように感じられる。
 しかし、一見異なると感じられるそれらの分子の性質も、実はフッ素原子のいくつかの基本的性質に起因しており、そうしたフッ素原子の性質を正しく理解し、活用することができれば、所望の性質を有するフッ素化合物を、容易に合成することが可能となる。
 本講演では、低分子から高分子まで、様々な有機フッ素化合物を取り上げ、フッ素原子がもたらす特異性を概観する。

  1. フッ素化合物の性質
    1. フッ素原子の持つ特徴・性質
    2. フッ素原子導入の意味
    3. フッ素化合物の分類
      • 少フッ化物
      • 多フッ化物
    4. 少フッ化物
      1. フッ素原子導入に伴うミクロな変化とマクロな変化
        • 構造
        • 電荷分布など
      2. 少フッ化物の特徴
    5. 多フッ化物
      1. フッ素原子導入に伴うミクロな変化とマクロな変化
        • 構造
        • 沸点
        • 相溶性
        • ガス溶解度
        • 酸性度など
      2. 多フッ化物の特徴
  2. フッ素化合物の反応
    1. フッ素原子のもたらす電子的効果
      1. 置換基としてのフッ素原子の効果
        • 誘起効果 (I効果)
        • 共鳴効果 (R効果)
      2. 置換基としてのフルオロアルキル基の効果
        • 誘起効果 (I効果)
    2. カルボアニオン (sp3炭素) 生成における位および位のフッ素原子の影響
    3. カルボカチオン (sp3炭素) 生成における位および位のフッ素原子の影響
    4. フッ素化ケトンの水和現象とケト—エノール互変異性
    5. フルオロアルケンの性質ならびに反応性
    6. フルオロアレーンの性質ならびに反応性
    7. 活性種
      • ラジカル
      • 炭素陽イオン
      • 炭素陰イオン
    8. 炭素—フッ素結合の活性化反応
  3. フッ素化合物の合成
    1. フッ素原子導入法
    2. フルオロアルキル基導入法
    3. その他のフッ素化合物合成法
  4. まとめ
    1. 有機フッ素化学の現在の動向
    2. 今後の展望

  • 質疑応答・名刺交換

第2部 フッ素の凝集効果を活かした新しいタイプのフッ素系高分子ナノコンポジット類の開発と不燃材料への応用

(2013年6月14日 12:45〜14:15)

弘前大学 大学院理工学研究科 教授 澤田 英夫 氏

 フッ素系高分子材料は従来、フッ素の互いに反発する機能を活かすことにより、撥水・撥油剤を含め数多くの分野への応用展開がなされてきた。一方、我々の研究グループでは最近、フッ素系高分子材料において特異な分子設計を基に開発されたABAトリブロック型フッ素系高分子化合物におけるフッ素は反発するのではなく、逆に凝集しナノサイズに制御された新しいタイプのフッ素系高分子ナノ粒子を構築することを見いだした。
 そこで、本講演ではこれら新しいタイプのフッ素系高分子ナノ粒子の調製とナノコンポジット化への応用、さらには汎用の有機化合物の不燃化への応用展開について我々の研究グループにおける最近の研究成果を中心に述べる。

  1. 新しいタイプのABAトリブロック型フッ素系高分子化合物の開発
  2. フッ素系高分子ナノ粒子の調製
  3. 種々の無機微粒子がカプセル化された新しいタイプのフッ素系高分子ナノコンポジット類の開発とその応用展開
  4. 有機化合物に不燃性を付与させる新しいタイプのフッ素系ナノコンポジット類の開発
  5. 総括
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 フッ素樹脂の特性を活かした用途と今後の利用展開 (仮)

(2013年6月14日 14:30〜16:00)

旭硝子 (株) 化学品カンパニー 技術統括本部 開発部 機能商品開発室 西 栄一 氏

  1. フッ素樹脂の開発の歴史
  2. フッ素樹脂の特性
    • フッ素樹脂の種類及び分類
  3. フッ素樹脂の構造
    • 特にエチレンーテトタフルオロエチレン交互共重合体に関して
  4. フッ素樹脂の接着特性
    • 高耐熱化の接着特性
    • 接着性フッ素樹脂の構造
  5. 他材料との積層化
    • 共押出多層成形
  6. 応用例 (積層ホース)
    • 自動車用高耐熱燃料ホース
    • 次世代の自動車用燃料ホース (高耐熱性、高燃料バリア性)
    • 高周波プリント基盤
    • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 今野 勉
    京都工芸繊維大学 大学院 工芸化学研究科 物質工学部門
    教授
  • 澤田 英夫
    弘前大学 大学院 理工学研究科
    教授
  • 西 栄一
    旭硝子(株) 化学品カンパニー 技術統括本部 開発部 機能商品開発室

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 研修室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,667円 (税別) / 44,800円 (税込)
複数名
: 35,667円 (税別) / 37,450円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

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