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高分子混練・分散工学

高分子混練・分散工学

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概要

本書籍は、多種の物質を混ぜ合わせる際に求める物性に近づけるためのアプローチ、手法について詳解しております。
分散評価方法、スケールアップ、最新のナノ分散など混練・分散の現場で役立つ1冊です。

ご案内

  • 2016年12月26日: 好評につき完売いたしました。

 従来多くの高分子材料が開発され、実用化されてきたが、高分子材料の種類にも限界がある。さらに、単一高分子材料の物性では満足できない場合が多い。こうした状況下で、他物質と混ぜあわせをして、求める物性に近づけ、新しい物質として登場させようとする努力があり、複合材料として無限種類に近いほどの可能性が生まれました。
 本書籍では多種の物質を混ぜ合わせるとき、どのような方法で、どのような状態に混ぜ合わせたら求める物性に近づくか、分散評価方法、スケールアップ、最新のナノ分散など混練・分散の現場で役立つ1冊です。

目次

第1章 基礎式と高分子材料の異常流動

  • 1. 基本知識
    • 1.1 せん断速度、せん断応力の測定と静的粘度特性
    • 1.2 流動基礎式
    • 1.3 CB分散評価の2方法
    • 1.4 最悪分散部分評価方法と平均分散部分評価方法
    • 1.5 次元解析表示
  • 2. 高分子材料の異常流動
    • 2.1 メルトフラクチャ
    • 2.2 BRのせん断試験
    • 2.3 Mohrの円と破壊条件
    • 2.4 2ロール上のシートに発生する滑り線
    • 2.5 キャピラリ入口に発生する滑り面、Slip Cone
    • 2.6 平行平板レオメータ表面および内部材料に発生する滑り線と滑り面

第2章 せん断流動分散理論と応用

  • 3. 分散
    • 3.1 分散目的の混練
    • 3.2 均質化と分子量制御のための混練
      • 3.2.1 Homogenizing効果
      • 3.2.2 Vis-Breaking技術
      • 3.2.3 IV Control 技術
      • 3.2.4 Mooney reduction 技術
      • 3.2.5 架橋発泡PE樹脂の復活化
    • 3.3 ポリマーブレンド (ポリマーアロイ) とコンパウンド
    • 3.4 コンパウンドにおける凝集粒子の破壊
    • 3.5 凝集破砕を含む分散と材料物性
    • 3.6 ポリマーブレンドにおける破砕分散
    • 3.7 ポリマー補強理論
      • 3.7.1 コンパウンドの場合
      • 3.7.2 ポリマーブレンドの場合
    • 3.8 ポリマーブレンド、コンパウンドにおける分配分散
    • 3.9 特殊なコンパウンド技術
    • 3.10 分散品質の予見と分散品質管理
  • 4. せん断流動破砕分散理論と応用
    • 4.1 Mckelveyの2粒子分割理論
    • 4.2 橋爪の回転粒子分割理論
    • 4.3 往復せん断実験
    • 4.4 t2、t3の解析
    • 4.5 黄金分割理論
    • 4.6 T関数
  • 5. せん断流動分配分散理論と応用
    • 5.1 分配分散効果の評価
    • 5.2 非拡散、拡散流動
    • 5.3 層流非拡散流動
      • 5.3.1 スタティックミキサ
      • 5.3.2 CTM (Cavity transfer mixer)
      • 5.3.3 2ロール上の層流非拡散流動の折りたたみ効果
      • 5.3.4 伸長流動における分配分散
    • 5.4 メルトフラクチャ拡散流動と全体比較
    • 5.5 引抜成形 (Pulltrusion system)
  • 6. 各機種における不均一流動、不均一分散挙動
    • 6.1 1軸押出機における不均一溶融
    • 6.2 2ロールにおける不均一流動
    • 6.3 楔形空間、C形空間における不均一流動
    • 6.4 NRの素練り工程における不均一ムーニ粘度特性
  • 7. 未溶融固着層、第2のトルクピークと分散特性
    • 7.1 未溶融固着層の発生
    • 7.2 未溶融固着層の温度特性
    • 7.3 未溶融固着層の運動特性
    • 7.4 各物質のBreaking温度
    • 7.5 Breaking現象 (第2のトルクピーク発生現象) とCB分散性
    • 7.6 第1のトルクピークの解析
    • 7.7 第2のトルクピークの解析

第3章 高分子分散技術におけるスケールアップ技術

  • 8. スケールアップ理論
    • 8.1 相似実験
    • 8.2 相似則、πナンバーと無次元数
    • 8.3 完全相似と不完全相似
    • 8.4 解析の試み:地震の発生現象解析
    • 8.5 挙動の相似、現象の相似と品質の相似
    • 8.6 緩和則
    • 8.7 樹脂押出し挙動のスケールアップ
    • 8.8 樹脂内の平均温度のスケールアップ
    • 8.9 樹脂内温度の均一性のスケールアップ
    • 8.10 2軸押出機、混練機で応用される一つの緩和則
    • 8.11 分配分散品質の相似
    • 8.12 押出機、連続混練機で加熱、冷却条件を相似則に併用する場合
    • 8.13 破砕分散品質の相似
  • 9. 分散パラメータの応用
    • 9.1 分散パラメータ
    • 9.2 適合最適分散パラメータと品質方程式
    • 9.3 従来形の分散パラメータ
    • 9.4 新しく提案する分散パラメータと分散パラメータ平面
    • 9.5 層流非拡散流動における新しい形態の分散パラメータ
    • 9.6 メルトフラクチャ拡散流動における新しい形態の分散パラメータ
    • 9.7 CB分散過程の変化分散パラメータ
    • 9.8 真空混練技術
    • 9.9 最大せん断速度と平均せん断速度
    • 9.10 比エネルギ、比冷却量と機械性能
  • 10. せん断流動分散装置
    • 10.1 均一せん断負荷装置と不均一せん断負荷装置
    • 10.2 せん断分散装置
    • 10.3 平行平板レオメータ
    • 10.4 せん断装置のせん断特性と破砕分散品質
    • 10.5 適合最適分散パラメータの策定
    • 10.6 操作の自由度

第4章 特異な物質の混練分散特性

  • 11. CBの分散特性と応用装置の特性
    • 11.1 層流分散とメルトフラクチャ分散
    • 11.2 2次元高速試験機
    • 11.3 CB分散と機械的特性
    • 11.4 McKelvey理論と橋爪理論
    • 11.5 多成分系の破砕分散技術
  • 12. 天然ゴムの破砕挙動と分散挙動
    • 12.1 天然ゴムの弾性挙動と塑性挙動
    • 12.2 天然ゴムの弾性変形と初期トルクピーク
    • 12.3 微粒子の発生メカニズム
    • 12.4 混練における微粒子の発生
    • 12.5 天然ゴムの固体挙動と素練り特性
    • 12.6 不均一流動挙動
    • 12.7 CB分散性と最適な機械形状
    • 12.8 SBRのCB分散性と最適な機械形状
  • 13. 2軸押出機の高脱気技術
    • 13.1 キャリアを用いた高脱気技術
    • 13.2 脱気モデルと脱気理論
      • 13.2.1 水をキャリアとして使用する場合
      • 13.2.2 従来の脱気理論
      • 13.2.3 樹脂フィルム部分の脱気現象
      • 13.2.4 樹脂プール部の脱気現象
      • 13.2.5 2軸押出機全体の脱気性能
    • 13.3 脱気性能解析
    • 13.4 生分解性樹脂その他の樹脂の脱気性能

第5章 伸長流動分散理論と応用

  • 14. 伸長流動における分散理論
    • 14.1 せん断流動と伸長流動
    • 14.2 伸長流動における分散
    • 14.3 アフィン変形と伸長流動分散機構
    • 14.4 伸長流動分散理論
    • 14.5 アフィン変形における粒子破砕の条件
    • 14.6 分散相破壊のための必要十分条件になるCritical capillary number
    • 14.7 Grace curve
    • 14.8 McKelveyの2粒子分割理論と橋爪の回転粒子分割理論
    • 14.9 Rayleigh乱れ
    • 14.10 紐状粒子への変形
    • 14.11 伸長流動とせん断流動におけるくびれの発生
  • 15. 伸長流動分散技術の応用
    • 15.1 キャピラリーレオメータでの樹脂の流れ
    • 15.2 Utrackiによる伸長流動分散機構EFM
    • 15.3 橋爪モデルによる伸長流動分散機構
    • 15.4 伸長応力とバーグレイ効果の関係
    • 15.5 流入角180°モデルでの実験結果
    • 15.6 高せん断技術と伸長流動分散技術
    • 15.7 ゴム中への他ゴムの分散
    • 15.8 せん断流動分散物と伸長流動分散物摺動特性
    • 15.9 EFMとEFDM
    • 15.10 1、2軸押出機への応用

第6章 ナノ分散を含む分散応用技術

  • 16. ナノ分散技術、超微分散技術とスラリ分散技術
    • 16.1 フィラー
    • 16.2 水スラリの製造
    • 16.3 スラリ分散の基本技術
    • 16.4 2軸押出機の応用機構
    • 16.5 PETへのTiO2のスラリ分散
    • 16.6 実プラントの稼動
    • 16.7 応用技術展開
  • 17. ナノ分散技術を用いた結晶性PLAの高発泡技術
    • 17.1 結晶性PLAが抱える問題
    • 17.2 PLAの温度特性
    • 17.3 PLAの粘度特性
    • 17.4 発泡の可否条件
    • 17.5 示差熱天秤 (DSC) 測定特性
    • 17.6 #5000の従来の発泡技術の試み
    • 17.7 ナノ物質とその分散
    • 17.8 発泡原理
    • 17.9 #5000高発泡体の物性
    • 17.10 発泡製品、発泡技術の問題点
    • 17.11 #9030の高発泡技術
    • 17.12 非晶性から結晶性へのアニーリング特性
    • 17.13 混合樹脂の温度及び粘度特性

執筆者

(有)エスティア
代表取締役
橋爪 慎治

職歴、研究歴

  • 1968年:
    (株)神戸製鋼所機械事業部勤務
    高分子加工技術の開発、装置の設計に従事
  • 1980年:
    (株)神戸製鋼所機械研究所勤務
    高分子材料の加工に関する研究開発に従事
    多くの混練技術、押出技術を開発する。
    対象材料として、高分子、金属、セラミックス、食品などに幅広く応用技術を広げる
  • 1989年:
    日本レオロジー学会有効賞受賞
    「混練における高分子材料の流動挙動」
  • 1999年:
    (株)神戸製鋼所定年退職
    (有)エスティア設立、代表取締役
    (株)前川製作所勤務
    食品加工装置に関する研究開発に従事
  • 2001年:
    (株)日本無人化システム社長に就任
    多くの食品自動加工装置を開発する
  • 2006年:
    (株)前川製作所定年退職
  • 2007年:
    (株)双日マシナリー技術顧問
    中空糸膜の成形プラント建設に従事

公表歴

  • 共著書籍 6冊
  • 技術論文 50以上
  • 講演 大学、学協会、企業など多数
  • 取得特許 180以上

出版社

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お問い合わせ

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体裁・ページ数

B5判上製本 266ページ

ISBNコード

ISBN978-4-903413-67-9

発行年月

2009年5月

販売元

tech-seminar.jp

価格

60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)

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