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溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方と微粒子の分散安定化への活用術

溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方と微粒子の分散安定化への活用術

~Q&A付き~
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概要

本書では、SP値・HSP値の由来とその求め方にちて、事例を踏まえて解説いたします。

ご案内

溶解度パラメータ (SP値、以下HSP値を含む) の概念を端的に表せば、“Like likes like.”「類は友を呼ぶ」です。すなわちSP値の近い物質同士は、よく溶け合い、よくぬれ、よく付きます。本書では、先ずSP値の基礎と化合物/粒子表面のSP値の様々な求め方を説明します。
次いで微粒子分散系で重要な分散・安定化において、SP値は分散化のキーパラメータですが、分散化だけでは不十分で、分散剤や表面修飾による長期安定性が欠かせません。そこでSP値だけでなく、その兄弟分の表面エネルギーや酸塩基度なども活用し、分散剤の選択指針および粒子の表面修飾とその評価法について、多くの事例や計算例を踏まえ分かり易く解説します。

目次

第1章 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の由来とその求め方

  • 1.1 SP値の由来と分散系の熱力学的安定性
    ⇒溶解/分散の熱力学とSP値の由来,ギブスエネルギー変化と相互作用パラメータ
  • 1.2 HildebrandのSP値とHansenのSP値 (HSP値,3Dパラメータ)
    ⇒相互作用距離 (HSP距離) とHansen球, Teas線図とてこの法則, HSP値の4Dパラメータモデル,モル凝集エネルギーと分子間力など
  • 1.3 溶媒/高分子/界面活性剤など化合物のSP値・HSP値の求め方
    • 1.3.1 原子団寄与法による計算例
      ⇒Fedors法,van Krevelen & Hoftyzer法,Hoy法,Stefanis & Panayiotou法, ソフトウェアHSPiPとその利用法など
    • 1.3.2 溶解性・膨潤性を利用した測定法
      ⇒滴重法,濁点滴定法,Hansen球法,拡張Hansen法,固有粘度法など
    • 1.3.3 インバースガスクロマトグラフィー (IGC) 法
      ⇒Janasらの方法,Lindvigらの方法
    • 1.3.4 SP値・HSP値における注意点
      ⇒SP値・HSP値に及ぼす圧力・温度の影響,SP値・HSP値の求め方による違い
  • 1.4 粒子表面のSP値・HSP値の測定法
    • 1.4.1 凝集・沈降法
      ⇒分散濃度法,界面沈降速度法,凝集粒子径法,ぬれ張力法など
    • 1.4.2 IGC法によるHSP値測定

第2章 微粒子分散系の調製と問題点

  • 2.1 分散系調製のポイント
    ⇒調製工程,分散・安定化のポイント
  • 2.2 高濃度系/非水系/多成分系における問題点
    ⇒比表面積増大,粒子間距離短縮,ゲル化,比誘電率,ヘテロ凝集、充填密度、

第3章 微粒子/ナノ粒子の分散・安定化機構

  • 3.1 微粒子/ナノ粒子のぬれ・分散化機構
    • 3.1.1 SP値・HSP値によるぬれ/分散化の評価
      ⇒ぬれ径,Hansen球/相互作用距離/Teas線図を用いた溶媒探索
    • 3.1.2 表面エネルギーによるぬれ/分散化の評価
      ⇒表面張力/表面エネルギーと成分項,Zismannプロット,接触角測定, IGC法による表面エネルギー成分項と表面不均一性の測定
    • 3.1.3 ぬれの形態と溶媒/樹脂の選択
      ⇒浸漬ぬれと分散性評価,拡張ぬれとwetting envelopeによる溶媒探索
  • 3.2 微粒子/ナノ粒子の安定化機構
    • 3.2.1 van der Waals引力とHamaker定数
    • 3.2.2 DLVO理論と静電反発作用による安定化
      ⇒拡散電気二重層とゼータ電位測定,非水系における静電反発作用, 多体効果による静電反発力の低下現象
    • 3.2.3 分散剤を用いた立体反発作用による安定化
      ⇒HVO理論,ポリマーブラシによる立体反発作用,静電立体反発作用
    • 3.2.4 非DLVO的相互作用
      ⇒水和陽イオン反発力,疎水性引力,枯渇凝集と枯渇分散

第4章 分散剤の働きと選択指針

  • 4.1 種類と働き
    ⇒ランダム/ブロック/くし型共重合体と吸着形態,リビングラジカル重合
  • 4.2 選択指針
    ⇒良溶媒の選択,最小吸着層厚さと最適分子量,最適添加量
  • 4.3 酸塩基度の測定と吸着特性
    ⇒中和滴定法,粒子の等電点と酸塩基性,分散剤の酸価・アミン価, IGC法による酸塩基度測定と酸塩基相互作用パラメータ

第5章 分散安定化のための表面修飾とその評価法

  • 5.1 物理化学的方法
    ⇒酸化法,照射法,マイクロカプセル法など
  • 5.2 界面活性剤を用いた表面修飾法
    ⇒イオン性と吸着特性,HLB値の求め方と用途,二分子層吸着膜
  • 5.3 自己組織化単分子膜による表面修飾とポリマーブラシ
    ⇒化学吸着法,カップリング法,グラフト重合法
  • 5.4 SP値・HSP値/表面エネルギー/酸塩基度による表面修飾の評価例
    ⇒高熱伝導材料,薄膜太陽電池,CNF複合材料,顔料分散,wetting coefficient

第6章 微粒子分散系の実用凝集・安定性試験法

  • 6.1 フロック径法
    ⇒顕微鏡画像処理法,グラインドゲージ法,超音波減衰分光法など
  • 6.2 凝集・沈降法
    ⇒濁度法、重力/遠心界面沈降速度,沈殿体積法,毛管吸引時間法など
  • 6.3 レオロジー法
    ⇒流動曲線,降伏値,チキソトロピー指数,動的粘弾性特性など

SP値・HSP値と分散安定化のためのQ&A20

  • SP値・HSP値について
  • 分散安定化について
  • 分散剤・表面修飾について

執筆者

大佐々 邦久

山口大学

名誉教授

出版社

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お問い合わせ

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体裁・ページ数

B5判 並製本 184ページ

ISBNコード

978-4-905507-39-0

発行年月

2020年1月

販売元

tech-seminar.jp

価格

50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)