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ポリ乳酸の結晶化挙動解析、結晶化促進剤の選択と配合設計指針

ポリ乳酸の結晶化挙動解析、結晶化促進剤の選択と配合設計指針

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ポリ乳酸の基礎から解説し、ポリ乳酸の結晶化速度を向上させる分子設計、配合技術を解説いたします。

開催日

  • 2024年2月9日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 結晶性高分子の結晶化理論、結晶化挙動の解析と結晶化速度パラメータの算出法
  • ポリ乳酸のD体共重合比 (%D) が結晶化速度に及ぼす影響
  • ポリ乳酸の成形加工における結晶化促進剤の選択/配合設計指針
  • ポリ乳酸の結晶化速度促進による成形加工性や耐熱性、寸法安定性の向上

プログラム

 結晶性高分子は成形加工工程で結晶化することにより、その素材固有の潜在的性能としての熱的・力学的特性を発現することができる。しかるに、ポリ乳酸 (PLA) に代表される結晶化速度の遅い結晶性高分子は成形加工工程で結晶化が十分に進まず、成形加工性や得られる成形品の耐熱性や寸法安定性などは低レベルに留まらざるを得ない。
 本セミナーでは結晶性高分子の結晶化速度論を抽象的な観念論ではなく、次世代バイオプラスチックとして近年脚光を浴びているPLAの結晶化速度を飛躍的に向上させるための、具体的な材料設計 (分子設計/配合設計) 技術を成形加工分野毎に分かり易く解説する中で理論と実際の両面から論述する。
 また、得られるPLA成形品の耐熱性、寸法安定性、耐衝撃性、成形加工性や製品開発動向についても詳述する。

  1. 次世代バイオプラスチックとしてのポリ乳酸
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
      1. 石油を原料とする合成高分子化学工業が内包するパラドックス
      2. 自然界の真のリサイクルシステムとしての物質循環 (炭素循環) へのリンク
      3. 生分解性バイオマスプラへのパラダイムシフト
    2. ポリ乳酸の基本特性
      1. 熱可塑性脂肪族ポリエステル …結晶性高分子 (Tm:130〜190°C、Tg:58°C)
      2. 安全性、食品衛生性、抗菌・防カビ性
      3. 環境低負荷特性 … LCAによる客観的・定量的評価
      4. 生分解性バイオマスプラ
        1. 生分解機構 … 非酵素分解 (加水分解) 型
          • 2段階2様式の特異的な生分解機構 …生分解性と耐久性の両立
          • 分解 (開始・速度) 制御機構内包 …短期使用から長期耐久性構造材料まで
        2. 自然環境 (土壌、海水・淡水) 下での完全生分解性
        3. 使用後の再資源化 (リサイクル)
          • バイオリサイクル … 堆肥化 (好気性下) 又は生ごみ発電 (嫌気性下)
          • ケミカルリサイクル … 熱分解による原料ラクチドへの還元
          • マテリアルリサイクル
  2. ポリ乳酸の結晶化挙動の解析
    1. 結晶化速度理論
      1. 球晶成長速度G=G0exp ( – ED/RT – KTm/RT (Tm – T) の物理的意味
        1. 第一項:セグメントの拡散過程 … 温度と正の相関
        2. 第二項:核形成過程 … 温度と負の相関
      2. 非晶分率θ=1 – X/X∞=1 – x=exp ( – kt n) (Avrami式) における結晶化速度定数k
    2. DSC測定による結晶化挙動の解析 …等温結晶化温度曲線
      1. 結晶化速度パラメータ
        • 結晶化開始 (誘導) 時間ts
        • 半結晶化時間t1/2
        • 結晶化速度定数kの算出
      2. 結晶化度Wcの算出
      3. 最も結晶化速度の速い結晶化温度Tcの同定
    3. 偏光顕微鏡による球晶成長速度の観察
    4. 等温結晶化と非等温結晶化 …冷却速度が結晶化温度や結晶化度に及ぼす影響
    5. 成形加工工程における結晶化の分類
      1. Melt Crystallization (メルトから室温下への降温冷却過程における結晶化)
        • 押出成形
        • 射出成形
        • ダイレクト・ブロー成形
      2. Cold Crystallization (室温からの加熱昇温過程における結晶化)
        • 真空・圧空成形
        • 発泡成形
        • インジェクション・ブロー成形
    6. 結晶化速度が遅い場合に顕在化する問題点
      1. 成形加工性 (成形サイクル)
      2. 耐熱性 (熱変形温度)
      3. 強度・弾性率
      4. 寸法安定性
        • 熱収縮
        • 経時変化
  3. ポリ乳酸の一次構造と結晶化挙動
    1. ポリ乳酸の等温結晶化挙動 (結晶化温度:90〜130°C)
      1. Melt Crystallization
      2. Cold Crystallization
      3. 最も結晶化速度の速い結晶化温度は?
    2. ポリ乳酸の結晶化挙動に影響を及ぼす一次構造因子
      1. D体共重合比率XD (%D)
      2. 分子量
    3. 第二世代ポリ乳酸/高L組成ポリ乳酸 (High %L PLA, %D<0.5) の改良効果
    4. ポリ乳酸レジンメーカー
  4. ポリ乳酸用結晶化促進剤の選択と配合設計指針
    1. 結晶化促進剤の分類
      1. 造核剤 … 結晶核形成促進作用
        1. 固体分散型
        2. 溶解型 … 透明耐熱化
        3. 架橋剤
      2. 結晶化促進剤 … 結晶成長速度促進作用
      3. マルチ機能改質剤 … 結晶核形成と成長の双方を促進
    2. 成形加工分野別結晶化促進剤の選択指針 … 成形時の溶融張力との関係
    3. 耐熱性と耐衝撃性との両立 … マルチ機能改質剤
    4. ポリ乳酸成形品の耐熱性到達レベル
      1. 電気・電子機器筐体、部品 … 低荷重下 (0.45MPa) 150 °C
      2. 電子レンジ加熱可能 … 120〜130°C x 5分
      3. 熱湯注入可能 … 95〜100°C
    5. ポリ乳酸に残された耐熱性の挑戦課題 … 透明耐熱性 (ヘイズ<5%、130°C<)
  5. ポリ乳酸の成形加工と製品・市場開発動向
    1. 成形加工性の物理的意味
    2. 成形加工性支配因子
      1. 溶融押出過程 … 溶融粘度、溶融張力の分子量依存性
      2. 冷却固化過程 … Tg又は結晶化速度 (冷却速度、変形速度依存性)
        1. 室温
        2. Tg<室温の場合 ⇒ 結晶化速度 … 室温下への冷却過程で結晶化が必須
    3. 成形加工法
      • 押出成形
      • 射出成形
      • 真空・圧空成形
      • 発泡成形
      • ブロー成形
    4. ポリ乳酸系製品・市場開発動向 … 豊富な製品写真で紹介
      1. 農林・園芸・土木・水産資材
      2. 使い捨て容器・包装材
      3. 生活・衛生・雑貨用品
      4. 電子機器筐体・部品、自動車内装材、産業資材
    • 質疑応答

講師

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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