技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

微粒子の分散・凝縮メカニズム、安定化、評価

微粒子の分散・凝縮メカニズム、安定化、評価

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、微粒子分散について取り上げ、分散剤の種類と選び方、最適な分散条件に導くための装置条件や表面処理のコツについて詳解いたします。

開催日

  • 2023年10月31日(火) 10時15分 16時45分

受講対象者

  • 粉体・微粒子分散で課題を抱えている方
  • 粉体・微粒子分散に関連する技術者・研究者、品質担当者
    • 医薬品
    • 化学品・化学原料
    • 食品
    • 化粧品
    • 塗料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金
    • セラミックス
    • 肥料 など

プログラム

第1部 微粒子の分散・凝集メカニズムとその考え方

(2023年10月31日 10:15〜12:00)

 微粒子の分散・凝集は粒子間ファンデルワールス引力と粒子周囲の電気二重層間の斥力の大小で決まる。それぞれハマカー定数 (凝集促進因子) およびゼータ電位 (分散促進因子) で表される。これらの因子を用いてDLVO理論に基づき粒子間相互作用のポテンシャル曲線を描くと分散安定性を定量的に評価できる。本講演では2つの因子の評価、DLVO理論およびポテンシャル曲線の描き方を解説する。

  1. はじめに:自然界における2つの原理 (自然の意思)
    1. 確率の大きい状態へ:エントロピー (無秩序さの度合) を増やす
    2. 力に逆らわない:ポテンシャルエネルギー (力に逆らう度合) を下げる
  2. 微粒子集団は凝集する
    1. 分子間ファンデルワールス引力がないと分子集団から微粒子はできない
    2. 微粒子間に斥力がなければ微粒子集団は凝集する
    3. エネルギーと電位の尺度:熱エネルギー
  3. 分子間引力と微粒子間引力
    1. 微粒子間引力は分子間ファンデルワールス引力の総和
    2. 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
    3. 似た者同士は引き合う:疎水性コロイドと親水性コロイド
  4. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:何かの層で粒子表面を覆う
    1. 静電斥力:対イオンの雲で粒子表面を覆う
    2. 高分子による立体相互作用:高分子層で微粒子表面を覆う
  5. 界面電気現象の基礎
    1. 帯電微粒子は裸ではなく電気二重層 (対イオンの雲) で覆われている
    2. ポアソン・ボルツマンの式
    3. 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
  6. 電気泳動移動度の測定値からゼータ電位を計算する式
    1. スモルコフスキーの式:任意の形状の大きな固体粒子
    2. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系
    3. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球または円柱
    4. ゼータ電位が50 mV以上では緩和効果 (電気二重層の変形) を考慮
    5. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動
    6. 柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) ではゼータ電位の概念は失われる
  7. 沈降電位、濃厚系および動的電気泳動:CVPとESA
    1. 沈降電位
    2. 濃厚系
    3. 動的電気泳動:CVPとESA
  8. 微粒子間の静電反発エネルギー: DLVO理論
    1. 粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なり
    2. DLVO理論:分散安定性を評価する標準理論
  9. 分散系の安定性の評価:ポテンシャル曲線の作成
    1. 微粒子間全相互作用エネルギーと微粒子分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ
    • 質疑応答

第2部 微粒子の分散安定化と分散剤の選択について

(2023年10月31日 12:45〜14:15)

 塗料などのコーティング剤に機能性粒子を配合することで、高性能化・多機能化が期待されるが、粒子は微粒子に分散するほど不安定になり様々なトラブルを発生しやすい。安定な分散を達成するための分散剤の選定、分散条件の考え方について、トラブル事例を交えて解説する。

  1. 分散安定化の考え方
    1. 溶剤系での分散安定化
    2. 水系での分散安定化
  2. 微粒子の分散モデル
    1. 微粒子にしていくと何が変わるのか
    2. 微粒子化と分散安定性のトラブル事例と対応策
    3. 分散剤としてどのようなものがあるのか
    4. 分散剤の選択方法と配合設計
  3. 過分散について
    1. 分散条件の影響
    2. 分散機の動向
    • 質疑応答

第3部 ビーズミルによる微粒子分散技術

(2023年10月31日 14:30〜15:30)

 スラリー中に存在する微粒子の凝集体を分散するためには分散機が必要である。分散機には様々な種類があるが、ビーズミルは微細化が可能で分散効率のよい装置である。このビーズミルの分散技術について解説する。

  1. 粉砕・分散・乳化について
  2. ビーズミルの用途
  3. 分散機の原理・特徴
  4. ビーズミルの原理・特徴
  5. ビーズミルの運転方法
  6. ビーズミルの粉砕・分散効率に影響を与える因子
  7. 微小ビーズの効果
  8. 投入動力量と粉砕・分散の関係
  9. 過分散とマイルド分散R
  10. マイクロビーズ対応型ビーズミル
  11. ビーズ分離能力強化型ビーズミル
  12. メディアレス分散・乳化機
  13. ビーズミルでの分散例
    • 質疑応答

第4部 ゼータ電位・粒子径測定による微粒子分散系の安定性とその評価

(2023年10月31日 15:45〜16:45)

 溶液中に分散する粒子の分散・安定性の評価は、一般的にゼータ電位や粒子径、粒度分布などがある。特にナノ粒子から数μmの粒子においては、最も簡便な測定法として光散乱電気泳動法、動的光散乱法がある。今回、その手法の測定原理、測定時のノウハウおよびアプリケーションデータを紹介したい。

  1. 光散乱について
  2. ゼータ電位測定の原理
    1. ゼータ電位とは
    2. 原理について
    3. 解析方法について
  3. 粒子径測定の原理
    1. 原理について
    2. 解析方法について
    3. 動的光散乱法の特徴
  4. ゼータ電位、粒子径の測定技術
    1. 測定上の注意点
    2. サンプル調製時のノウハウ
  5. ゼータ電位、粒子径・粒度分布の測定例
    • 質疑応答

講師

  • 大島 広行
    東京理科大学
    名誉教授
  • 郷司 春憲
    郷司技術士事務所
    代表
  • 石井 利博
    アシザワ・ファインテック株式会社 微粒子技術研究所
    主任研究員
  • 稲山 良介
    大塚電子 株式会社 粒子物性開発部 粒子物性西日本分析グループ

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/19 高剪断成形加工法の基礎と新規材料創出への応用 オンライン
2024/12/19 乳化・分散・攪拌の基礎と操作およびスケールアップ評価 オンライン
2024/12/19 造粒・打錠・コーティング製造技術とスケールアップ/打錠障害・品質異変の防止・対策 オンライン
2024/12/20 フィラーの最密充填と表面処理技術 オンライン
2024/12/20 分散剤の作用機構と種類・特徴およびナノ分散 オンライン
2024/12/24 粘度、粘弾性の測定法とデータの読み方、活用例 オンライン
2024/12/25 粒子・粉体の混合・分散技術の基礎と応用・トラブルシューティング オンライン
2024/12/25 乳化・分散・攪拌の基礎と操作およびスケールアップ評価 オンライン
2024/12/27 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2025/1/6 チクソ性の基礎、制御、測定・評価と実用系への活用方法 オンライン
2025/1/7 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎および機能性材料開発のための活用ノウハウ最前線 (全2回) オンライン
2025/1/7 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎と測定・計算・評価方法 オンライン
2025/1/7 高品質スラリー調製のための分散技術とその安定化、評価方法 オンライン
2025/1/15 スラリー中粒子の分散・凝集状態の制御に向けた評価技術 オンライン
2025/1/15 実例を踏まえたスプレードライ技術の基礎とスケールアップ手法 オンライン
2025/1/21 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の基礎および機能性材料開発のための活用ノウハウ最前線 (全2回) オンライン
2025/1/21 溶解度パラメータ(HSP)の機能性材料開発への応用最前線 オンライン
2025/1/23 粉体・微粒子の表面処理と機能性ナノコーティング技術 会場・オンライン
2025/1/23 気体・ガスの吸着・脱着の基礎と効果的な活用法 オンライン
2025/1/24 トラブルのない上手な粉体装置・設備のエンジニアリング オンライン