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全固体電池の評価技術

全固体電池の評価技術

~充放電特性、界面分析、劣化評価~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、全固体電池に関する試験評価・構造解析について基礎から解説いたします。
内部抵抗の発生箇所の特定、実験中の「硫化水素」対策、安全管理のポイント、全固体電池における試験法「国際標準化」の動向、車載用途への要求特性について詳解いたします。

開催日

  • 2023年8月25日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 全固体電池の内部抵抗解析
  • 全固体電池の解析に必要な物理解析、化学分析
  • STEM関連の分光法を用いたスペクトラムイメージ法
  • 次元削減を用いたスペクトル分解
  • EELSスペクトルの解釈
  • 最新のデータ解析手法の基礎
  • 電子顕微鏡による電池のオペランド観察技術/解析技術

プログラム

第1部 全固体電池の内部抵抗解析及び評価解析技術

(2023年8月25日 10:00〜11:30)

 環境規制の強化やカーボンニュートラル達成のために開発が盛んに行われている全固体電池について、 インピーダンス測定による内部抵抗解析事例について紹介するとともに、 当社における全固体電池の評価・解析技術について解説する。

  1. 全固体電池開発の課題
    1. 全固体電池とは
    2. 全固体電池の開発の課題
  2. 全固体電池におけるインピーダンス測定、内部抵抗解析事例
    1. 固体電解質のイオン伝導率測定
    2. 交流インピーダンス法を用いた内部抵抗解析
    3. 対称セル法と伝送線モデルを用いたRionの解析
  3. コベルコ科研における全固体電池評価技術
    1. 固体電解質の最適化へのソリューション
      • 固体電解質の合成と評価
    2. コーティング層の最適化へのソリューション
      • 表面コート層の評価
    3. 電極・セル構造の最適化へのソリューション
      • 電極構造の解析
      • リチウムイオンパス、電子パスの解析
      • 低露点環境下の機械物性評価
    4. 電池特性制御・管理の最適化へのソリューション
      • サイクル試験、劣化解析
    • 質疑応答

第2部 硫化物系固体電解質の構造、組織変化の解析

(2023年8月25日 12:10〜13:40)

 無機固体電解質の1つである硫化物系電解質は、酸化物系よりも高いイオン伝導度を有し、広い電位域において電気化学的に安定であることから、全固体電池への応用が期待されている。
 本講演では、硫化物系ガラス電解質に着目し、硫化物系固体電解質の構造、組織変化の解析として、透過型電子顕微鏡を用いた非晶質状態の直接観察やガラスの結晶化挙動を加熱その場観察できる実験技術について解説する。

  1. 硫黄系ガラスセラミックス
    1. 全固体電池について
    2. Li2S-P2S5系固体電解質材料について
  2. 透過型電子顕微鏡を用いた電池材料の構造・組織変化の解析について
    1. 電子回折法による構造解析
    2. ホローコーン暗視野法による微細構造観察
    3. 電子線PDF法による局所構造解析
    4. 高温TEMその場観察
  3. 最近の研究から
    • 質疑応答

第3部 断面STEM-EELS解析による全固体電池LATP/LCO 界面評価

(2023年8月25日 13:50〜15:20)

 本講義では、走査透過電子顕微鏡 (STEM) と電子エネルギー損失分光 (EELS) を用いた全固体リチウム電池固体電解質/正極界面の構造及び電子状態をナノレベル可視化する手法を詳細に解説する。また従来のスペクトル分解法を超えて、様々なタイプの界面のスペクトルデータに適用可能なデータ解析法の基本について述べる。

  1. STEM分光法の概要
    1. STEMとEELS・EDX分析
    2. STEMスペクトラムイメージ (SI) 法
  2. 次元削減による多変量スペクトル分解法 (MCR)
    1. なぜスペクトル分解か
    2. 主成分解析 (PCA) と非負値行列分解 (NMF)
    3. Log最大尤度法 (LLM)
    4. スペクトル分解における注意点
      1. 解の一意性問題
      2. 試料厚さの不均一性問題
  3. STEM-EELS-SIによる固体電解質/正極界面の電子状態解析
    1. MCR-LLM解析
    2. PCAを使ったクラスター解析の基本
  4. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第4部 In situ/operando電子顕微鏡法による全固体電池反応の可視化

(2023年8月25日 15:30〜17:00)

 全固体電池の電池反応は電極と固体電解質の界面近傍で起こっており、そのメカニズムを解明するためには、局所的な分析が必須である。
 本講座では、主に、透過型電子顕微鏡内で電池を充放電させる技術、および、それを用いたイオン濃度や電位の変化をオペランドで観察した結果について解説する。

  1. はじめに
    1. 電子顕微鏡による電池解析の意義
    2. 電子顕微鏡の種類と観察例
  2. その場電子顕微鏡技術
    1. 試料作製法
    2. その場観察用装置など
  3. 電子線ホログラフィーによる電池内部の電位分布のその場観察
    1. 電子線ホログラフィーの原理
    2. 電子線ホログラフィーによる局所領域の電位分布その場観察
  4. 電子エネルギー損失分光法によるその場観察
    1. 電子エネルギー損失分光法の原理
    2. 電子エネルギー損失分光法によるLi分布、遷移元素の電子状態観察
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 阿知波 敬
    株式会社コベルコ科研 技術本部 EV・電池ソリューションセンター EV・電池解析技術室 マーケティング・ソリューショングループ
    グループ長
  • 森 茂生
    大阪公立大学 大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻 マテリアル工学分野
    教授
  • 武藤 俊介
    名古屋大学 未来材料・システム研究所 高度計測技術実践センター
    教授
  • 山本 和生
    一般財団法人 ファインセラミックスセンター ナノ構造研究所 電子顕微鏡計測インフォマティクスグループ
    グループ長 / 主任研究員

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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