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「市場起点の思考と活動」「コア技術戦略の実行」「オープン・イノベーションの徹底」による三位一体の研究開発マネジメントとその具体的活動

研究開発部門が先導的・主導的な役割を担うべき

「市場起点の思考と活動」「コア技術戦略の実行」「オープン・イノベーションの徹底」による三位一体の研究開発マネジメントとその具体的活動

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年4月27日(水) 10時30分 16時30分

プログラム

 日本企業は、過去20年間停滞を経験してきました。一方で、海外企業に目を向けると、この20年間で、多くの新興国企業が成長し、欧米の優良企業は本質的な経営変革を実行し、数多くのベンチャー企業が生まれ成功してきました。私は、日本企業の停滞の原因は、誤解を恐れずに言えば、「ものづくり」への強い固執にあると考えています。多くの場合、「ものづくり」とは、市場価値が低下しつつある自己の従来の強みへの拘泥であり、自己の「視野狭窄」を生み 出してきているからです。企業は、その本質において、「顧客が享受する価値に対して支払う対価」を源泉に存続しています。したがって、企業が目を向けるべきは、直接的に、顧客が享受する「価値」です。企業にとってこの「価値」を継続的に創出すること、すなわち「価値づくり」が、その本来的使命であるはずです。そして、研究開発部門は、この「価値づくり」において先導的・主導的な役割を担わなければなりません。
 この「価値づくり」を成功させ収益を継続的に拡大するためには、研究開発部門における「市場起点の思考と活動」、「コア技術戦略の実行」そして「オープン・イノベーションの徹底」の3つの戦略イニシャティブを有機的・相乗効果的に三位一体で組み合わせ、そしてそれらを強力に展開することが重要です。
 本セミナーでは、以上のような「価値づくり」に向けての三位一体の研究開発の必要性の背景と、その構造と内容を紹介した後、具体的にどのような活動を行うことが必要なのかを、様々な事例を交えながら説明をしていきます。

  1. はじめに
    1. 日本企業の大きな問題点:ものづくり経営
    2. 日立の研究開発体制の改革:『価値づくり』へ
  2. なぜ『価値づくり』なのか
    1. 『価値づくり』の定義
    2. 「価値づくりへの脱皮」が求められる5つの大きな背景
      • 顧客は享受する価値に対し対価を支払う
      • 新興国企業の台頭による既存価値追求競争の限界 (韓国化粧品企業などの例)
      • 先進国での低レベルの市場ニーズの充足
      • 顧客は常に充足されない潜在ニーズを持つ (アマゾンのドローン活用例)
      • 常に存在する『非顧客』
  3. 日本企業の大きな問題点:「ものづくり」への固執
    1. 「ものづくり」の関心領域:製品や技術
    2. 「a solution without a problem (問題のない解決策) 」
    3. 「ハンマーを持つ人には、すべてが釘に見える」 (マズロー)
    4. 『価値づくり』の視野 VS. 『ものづくり』の視野
  4. 『価値づくり』への『三位一体型』研究開発マネジメントとは
    1. 『価値づくり』は継続的収益確保のため
    2. 『価値づくり』による収益拡大のメカニズム
    3. 『価値づくり』のための三位一体の研究開発の全体像
  5. 『価値づくり』の視点を持つ
    1. 『価値づくり』における研究開発部門の役割 (三菱ケミカル、富士フイルムの例)
    2. 『価値づくり』の研究開発部門における現状「市場起点の思考と活動」の位置付
    3. 『価値づくり』の視点:VACESモデル (日本触媒、東洋電機、コマツ等の例)
  6. 市場起点の思考と活動
    1. 「市場起点の思考と活動」の位置付 (日立製作所の例)
    2. なぜ『顧客』起点ではなく、『市場』起点なのか
    3. 市場起点の重要性 ( (本田宗一郎、花王の例など)
    4. 研究者は蛸壺から出でよ!
    5. 市場・顧客を理解する3軸、TADとそのための具体的活動 (島津製作所、IBMの20%ルール、日本テトラパック他)
    6. 研究開発部門の市場起点の思考と活動のための方策
  7. コア技術戦略の追求
    1. 「コア技術戦略の追求」の位置付
    2. なぜ「自社独自性実現」が技術によるのか
    3. コア技術戦略とは
    4. コア技術設定の企業事例 (3M、クレハ、富士フイルム、東レ等)
    5. コア技術の選定軸
    6. コア技術の選定軸と三位一体モデルとの関係
    7. コア技術は戦略思考・未来志向で設定する
    8. コア技術による「市場起点の思考と活動」の促進 (日立、キヤノンの例)
    9. 「市場起点の思考と活動」によるコア技術の発見
    10. コア技術の設定プロセス
  8. 「オープン・イノベーションの徹底」
    1. 「オープン・イノベーションの徹底の」三位一体モデルでの位置付
    2. オープン・イノベーションとは
    3. オープン・イノベーションが必要とされる背景
    4. オープン・イノベーションの対象:技術/情報・アイデア/能力×製品/ビジネスモデル/技術
    5. オープン・イノベーションの事例 (スピード、シスコ、東レ)
    6. 『価値づくり』に向けてのオープン・イノベーションが必要とされる背景
    7. 他の要素とのその他の相乗効果
      • コア技術によるオープン・イノベーション機会増大 (富士フイルムの例)
      • オープン・イノベーションにおけるコア技術による収益確保
      • オープン・イノベーションによるコア技術の強化と補完 (コンチネンタル、オリンパスの例)
      • オープン・イノベーションによる市場理解の視野拡大 (インテカーの例)
      • 市場起点の思考と活動によるオープン・イノベーション対象者の発見
    8. 外部パートナー探索2つの方向性
    9. 自社が個別に外部を探す (P&G、コニカミノルタ、ソフトバンク、ナインシグマ等)
    10. 外部に積極的に探される
      • 自社保有技術の開示・発信法 (GE、3M、ホンダ等)
    11. オープン・イノベーション実現の阻害要因と対応策
  9. 最後に
    1. 『価値づくり』とそこに向けての三位一体モデルは成長の根幹
    2. 「忙しく髪を振り乱している」だけの経営になっていないか
    • 質疑応答

講師

  • 浪江 一公
    ベクター・コンサルティング 株式会社
    代表取締役

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

4F 第1特別講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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