技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

車載製品の品質不具合を未然に防ぐ「設計力」を支えるデザインレビューの実際

車載製品の品質不具合を未然に防ぐ「設計力」を支えるデザインレビューの実際

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2015年9月14日(月) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 開発設計にたずさわる責任者、管理者、幹部社員等

修得知識

  • デザインレビューの役割
  • デザインレビューの実施要領
  • 最も重要な詳細設計段階でのデザインレビューで議論すべき項目とそのまとめ方

プログラム

 これまでモノづくりを支える源泉は、現場の改善活動や技能といった現場力だと認識されてきたが、より一層の競争力を求めるにはより上流での取り組み、すなわち設計力の増強が不可欠である。この設計力は7つ要素から構成されるが、デザインレビューは、他の6つの設計力を高め、伸ばす役割を担っている。つまり、設計力全体を大きく左右する重要な活動に位置づけられる。
 お客様のニーズを図面として後工程に流すまでの設計段階における活動、すなわち設計プロセスに組み込まれた体系的な活動としてデザインレビューを捉える。したがって、お客様のニーズ、それを踏まえた機能、性能、コストなどの設計目標値、その対応方法、詳細設計、安全設計、品質評価など設計段階のすべての開発課題が対象となり、デザインレビューの取り組みが、図面のレベルに大きく影響し、設計段階でのアウトプットを左右する。設計力とデザインレビューは表裏一体の関係を持つ-ここにデザインレビューの重要性があり、そのデザインレビューの実施方法につき詳説する。

STEP1:設計力の中のデザインレビュー

  1. 車載製品品質への設計の役割は大きい
    1. あってはならない重致命故障
    2. 品質不具合の多くは設計に起因する
    3. 品質不具合の未然防止と設計力
      - 過去の失敗経験を今の仕事に活かすことのむつかしさ
  2. 車載製品品質を支える設計力
    設計者が身に付けるべき7つの設計力とその中でのデザインレビューの位置づけを解説
    1. 設計の役割はお客様の思いを具現化する手段を見える化すること
      - 品質・コストの80%はここで決まる
    2. 7つの設計力が設計段階の品質120%を決定する
      - 100万個造っても1個でも不具合を出さないための取り組み
    3. 7つの設計力の前提条件
    4. 7つの設計力の構成要素 – 設計者が身に付けるべき素養
      - 設計目標値/設計の手順/技術知見ノウハウ・設計ツール
      人組織/判断基準/議論[デザインレビュー]・審議/設計風土・土壌
  3. 過去も現在も品質不具合がなくならない理由
    設計に起因する不具合が、いつまでたってもなぜなくならないのかを解説
    1. 設計にあいまいということはない
      - イレギュラーはない、理論に基づくイレギュラーがあるのみ
    2. 設計の本質的且つ普遍的な課題
      - INPUT×要素、要素×要素、要素×ストレスの交互作用を全て知り尽くしているか、設計でもれなくコントロールできているか

STEP2:デザインレビュー (DR) の実施

  1. デザインレビューの役割
    デザインレビューは、設計力の活動結果への気づきの場であることを解説
    1. デザインレビューは討論、議論、混同してはいけない審議、決裁
      - 検討抜けや検討不十分な取り組みへの気づきの場であり、上司承認の場と区別が出来ているか
    2. デザインレビューを定義づけると
      - 総智、総力の設計力活動で設計自工程を完結する
    3. 定義から見えるデザインレビューの基本的な仕組み
      - 限られた時間と場所で設計力の活動を行う仕組みであること
  2. デザインレビューの使い分け
    デザインレビューは設計プロセスに組み込まれた体系的な活動であることを解説
    1. 開発設計の流れにおける使い分け
      - 設計力活動の節目及び節目内の要素作業別設計力の結果を対象とする
    2. デザインレビューの階層構造
      - 階層別V字モデルそれぞれにDRは存在する
  3. 全体節目デザインレビューの具体的な実施要領
    節目デザインレビューを実施するための具体的なマニュアルついて解説
    1. 設計プロセスにおける使い分け
      - 設計プロセスは3つのグループから構成され、DRは第3グループに入る
    2. 新製品管理ランクとデザインレビュー
      - 類似・次期型・次世代製品・革新的製品と新規性が大になるに従い、DRの対象は増加する
    3. 管理ランクと節目デザインレビュー
    4. 節目デザインレビューと個別検討会
      - 節目DRと個別検討会の効果的な組み合わせ
    5. 節目デザインレビューのメンバー構成
      - 横断的な要素技術を議論するには
    6. 節目デザインレビューに準備するもの
      - 設計、品質、生産技術、生産立場で
      • 構想設計段階のDRで必要十分な準備するものとは
      • 詳細設計段階のDRで必要十分な準備するものとは
      • 生産準備段階のDRで必要十分な準備するものとは
    7. 横展開
      - 得られた知見は設計基準などの製品固有の基準類、失敗事例集など横断的な知見集へ反映する
  4. 節目デザインレビューの中でも最も重要な詳細設計段階のデザインレビュー
    詳細設計デザインレビューで議論すべき設計項目とそのまとめ方を解説
    1. システム概要
    2. 製品動向
    3. 開発大日程
    4. 次期型コンセプト
    5. 設計目標値
    6. 構想設計
    7. 開発課題と対応策
    8. 詳細設計
    9. 安全設計
    10. 信頼得評価結果
    11. 目標達成状況
  5. 個別設計検討会
    主な個別設計検討会 (DR) についてポイントを解説
    1. 過去トラ検討会
    2. DFM検討会
    3. 設計検証検討会
    4. DRBFM
    5. 特殊特性検討会
    6. 専門分野検討会
    7. 仕入先DR
  6. デザインレビューを支える設計リーダ
    デザインレビューの効果は設計リーダに大きく依存することを解説
    1. 人材育成
    2. 設計リーダのありよう
  7. デザインレビューをDRする
    • デザインレビュー自体を継続的改善する

会場

江東区産業会館

第2会議室

東京都 江東区 東陽4丁目5-18
江東区産業会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2026/1/8 火力発電ボイラの耐熱材料トラブルと寿命予測 東京都 会場・オンライン
2026/1/9 車載電子技術の基礎習得のための電子部品・材料の基礎 オンライン
2026/1/13 異常検知への生成AI、AIエージェント導入と活用の仕方 オンライン
2026/1/13 カラートレンドの傾向と今後の展望 オンライン
2026/1/13 外観検査の自動化技術とシステムの構築 オンライン
2026/1/13 品質管理の基礎 (4日間) オンライン
2026/1/13 品質管理の基礎 (4) オンライン
2026/1/14 デジタルで進化する4M管理 オンライン
2026/1/15 デジタルで進化する4M管理 オンライン
2026/1/16 これからの自動車熱マネジメント技術 オンライン
2026/1/16 ICH (Q1) をふまえた開発段階の安定性試験実施と試験結果からの有効期間の設定 オンライン
2026/1/16 積層セラミックコンデンサの故障メカニズム、解析事例と品質向上 オンライン
2026/1/16 外観検査の効果的で効率的な進め方と実践ノウハウ オンライン
2026/1/19 ウィスカに関する故障理論と故障メカニズム・対策 東京都 会場・オンライン
2026/1/19 外観検査の効果的で効率的な進め方と実践ノウハウ オンライン
2026/1/21 医薬品製造のQC/QA業務に使用できるクラウドの導入とバリデーション オンライン
2026/1/21 利益損失を防ぐ自社と顧客の経済的リスクを根拠にした「安全係数と検査基準・規格値」決定法 オンライン
2026/1/22 異常検知への生成AI、AIエージェント導入と活用の仕方 オンライン
2026/1/22 実装状態での電子部品・基板の品質不具合に対する故障解析力・解決力の向上 オンライン
2026/1/22 カラートレンドの傾向と今後の展望 オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/5/30 AI、シミュレーションを用いた劣化・破壊評価と寿命予測
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書
2024/1/31 車室内空間の快適性向上と最適設計技術
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2023/6/30 加速試験の実施とモデルを活用した製品寿命予測
2023/6/14 車載用リチウムイオン電池リサイクル : 技術・ビジネス・法制度
2022/12/31 機械学習・ディープラーニングによる "異常検知" 技術と活用事例集
2022/6/30 自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍+PDF版)
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍版)
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2022/1/12 製造DX推進のための外観検査自動化ガイドブック