技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
視聴期間は2024年6月25日〜7月5日を予定しております。
お申し込みは2024年7月3日まで承ります。
後天性血栓性血小板減少性紫斑病 (後天性TTP) は、微小血管血栓症 (TMA) の1病型であり、血管内皮から分泌されたvon Willebrand factor (VWF) の大きな重合体が、末梢の細動脈等で、ずり応力によって進展された際に、通常であればVWFのA2ドメインでVWFを切断するADAMTS13と呼ばれる酵素に対する中和抗体や時に結合抗体が生じて機能せず、VWFが非常に大きな重合体のまま進展し、その各A1ドメインに血小板が結合、さらに末梢に進んでVWF血小板血栓を生じ、消費性の血小板減少と虚血による組織障害を生じる疾患である。後天性TTPは、現在ではその機序により次第に免疫性TTPと呼ばれるようになっている。
疾患の概容が明確になった1966年時点では致死率90%とされていたが、その後病因が明確になる以前に、新鮮凍結血漿 (FFP) を用いた血漿交換の有効性が前向き比較試験で確立し、さらに免疫的機序が明らかとなって、血漿交換と副腎皮質ホルモンを中心とした免疫抑制療法が初期治療として確立、死亡率も20 – 10%程度まで改善した。しかしながら、FFPを用いた血漿交換は、抗ADAMTS13抗体を除去する一方で不足するADAMTS13を補充する治療であるが、同時に抗体産生しているBリンパ球に対応抗原を負荷する治療であるため、約半数でinhibitor boostingと呼ばれる、いったん減少した抗体の再上昇による病状の悪化が生じ、免疫抑制の強化と頻回の血漿交換が必要となる。
ADAMTS13活性、インヒビターの確認には時間がかかる一方で、死亡症例の大部分は、発症早期の微小血管血栓による心臓死であることも明らかとなり、早期対応の重要性が指摘されている。ラマは重鎖のみの抗体を持つが、VWFA1ドメインに対するラマの抗体の可変部位をヒト化したNanobodyであるCaplacizumabが、昨年血漿交換、適切な免疫抑制薬との併用で保険適応となった。Caplacizumabは、抗ADAMTS13抗体存在下でも、VWFと血小板の結合を阻害し、VWF血小板血栓形成を阻止するため、血栓形成も血小板減少も速やかに生じなくなる。海外国内の治験で有効性が確認され、2023年の我が国の診療ガイドでも1Aの評価となっている。ただし、Caplacizumab使用下では、抗体が存在しADAMTS13活性が著減していても症状は改善するので、臨床症状の改善が病因の解決に結び付かないことに留意が必要であり、臨床症状のみで病因が改善されたと誤認すると、その中止によってTTPが再燃しさらに病状を悪化させる可能性がある。CaplacizumabはTTP治療のパラダイムシフトをもたらす薬剤である一方、強力な免疫抑制療法と綿密なADAMTS13活性、抗体価の確認がその終了時期の決定には必要である。免疫性TTPは初期対応が重要な疾患であるが、疑うことができれば診断にたどり着くことは難しくない。その歴史、病態、治療について、最新の知見も交えて、理解を深めていただきたい。
R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
「案内の希望」をご選択いただいた場合、1名様 42,000円(税別) / 46,200円(税込) で受講いただけます。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
開始日時 | 会場 | 開催方法 | |
---|---|---|---|
2024/10/21 | Excelを使った医薬品売上予測 | オンライン | |
2024/10/21 | 医薬品企業における英文契約書読み方基礎講座 | オンライン | |
2024/10/21 | 医薬品GCP 超入門講座 | オンライン | |
2024/10/21 | 製薬関連企業のための契約演習講座 | オンライン | |
2024/10/21 | 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 | オンライン | |
2024/10/22 | GMP入門講座 | オンライン | |
2024/10/23 | 承認申請資料としての価値を高めるための効果的な日本語メディカルライティング | オンライン | |
2024/10/23 | 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み | オンライン | |
2024/10/23 | 神経変性疾患の臨床試験実施と試験デザインの留意点および審査の視点 | オンライン | |
2024/10/23 | 生物薬品 (バイオテクノロジー応用医薬品等) におけるCMC開発戦略と開発ステージに応じた対応 | オンライン | |
2024/10/23 | 医薬品研究開発におけるポートフォリオマネジメント | オンライン | |
2024/10/24 | GMP文書、記録のデータインテグリティ対応 | オンライン | |
2024/10/24 | 教育訓練の実効性評価の具体的な方法/逸脱対策 | オンライン | |
2024/10/24 | 医薬品中の元素不純物分析のデータ試験・管理及びPMDA等の対応ポイント | オンライン | |
2024/10/25 | GMP違反を起こさせない/逸脱の再発防止としての効果的な教育訓練方法と教育資料 | 東京都 | 会場・オンライン |
2024/10/25 | FDAから製造所認証を得るための査察対応ポイント | オンライン | |
2024/10/25 | 医薬品製造・試験における電子化・DXの推進による課題解決、MES・LIMS等の導入と活用、データインテグリティの確保 | オンライン | |
2024/10/25 | 各種製剤におけるヒト経口吸収予測法と品質規格の設定 | オンライン | |
2024/10/25 | 製薬関連企業のための契約演習講座 | オンライン | |
2024/10/25 | バイオ/抗体医薬品における品質試験/安定性試験と品質規格設定のポイント | オンライン |
発行年月 | |
---|---|
2013/1/28 | 造粒・打錠プロセスにおけるトラブル対策とスケールアップの進め方 |
2012/3/29 | 治験中 / 市販後における3極安全性情報の収集・報告・評価実務と相違 |
2012/3/13 | 超入門 GMP基礎セミナー |
2012/3/5 | 育毛剤・発毛剤 技術開発実態分析調査報告書 |
2012/2/16 | システムの適格性確認および回顧的バリデーションの具体的実施方法 |
2012/2/14 | LIMS導入に関する導入の留意点セミナー |
2012/2/9 | 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法 |
2012/1/20 | 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌 |
2011/12/22 | 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術 |
2011/12/14 | QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー |
2011/12/10 | 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書 |
2011/11/7 | eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」 |
2011/9/1 | 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き |
2011/8/29 | グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法 |
2011/8/24 | 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座 |
2011/8/3 | 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法 |
2011/7/10 | 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書 |
2011/7/5 | 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針 |
2011/7/1 | コンピュータバリデーション実施の手引き |
2011/6/29 | 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理 |