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PFASにおける国内外の動向と対策技術および対応事例

PFASにおける国内外の動向と対策技術および対応事例

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、PFASの毒性や汚染状況から国内外の規制動向、企業のPFOS/PFOAを含む廃棄物処理の事例について、3名の講師が解説いたします。

開催日

  • 2024年5月27日(月) 13時00分 16時30分

受講対象者

  • PFASの規制動向に関心をお持ちの方
  • PFOS/PFOAに汚染した廃棄物で課題を抱えている方
  • 有機フッ素化合物を使用されている事業者の責任者の方
  • 化学品の研究開発に携わる方
  • 化学物質管理に携わる方
  • 産業廃棄物関連の担当者
  • サステナビリティ推進部署の方
  • 製造業又は商社の環境担当者、取引先窓口担当者、渉外担当者
  • 消費財、材料メーカーの開発に携わる方、品質保証担当の方

修得知識

  • PFASの国内の汚染状況の最新情報
  • PFASの毒性についての情報
  • 化学物質に対する規制の経緯と近年の動向
  • PFAS規制に関する国内外の動向
  • フッ素系POPsである、PFOS/PFOAを含有する廃棄物の実処理の事例
  • 現在の国内におけるPFOS/PFOA廃棄物の処理体制の構築に至った背景

プログラム

第1部 「我が国におけるPFASの環境汚染状況とPFAS毒性の基礎知識」

(13:00〜14:00)

 PFAS (Perfluoroalkyl and Polyfluoroalkyl Substances) は、フッ素化アルキル (すべて、または一部がフッ素化されているアルキル基) を持つ化合物の総称である。代表的化合物にはペルフルオロオクタンスルホン酸 (Perfluorooctane Sulfonic acid、 PFOS) やペルフルオロオクタン酸 (Perfluorooctanoic acid、 PFOA) がある。これらの化合物は熱・化学的に安定で、また撥水・撥油性の両者を有することから、コーティング剤、消火剤など多くの用途で使用されてきた。しかし、体内への蓄積性と種々の毒性が明らかとなり、2000年代初頭には多くの国で製造・輸入が原則禁止された。我が国では2010年に原則製造・輸入が禁止されたものの、基地周辺を中心に水系の汚染が問題になり、米国で提唱された健康リスクが生じる血中濃度 (20 ng/mL) をはるかに超える曝露を受けている例も散見されるようになった。そのため各省庁で対策会議等が本格化したところである。毒性に関しては、 肝毒性、免疫毒性、腎毒性に加え、近年、発達神経毒性が大きな問題となっている。胎盤や乳汁を介した曝露により、種々の異常の可能性が危惧されているが、作用機構は明らかではない。マウスを用いた我々の研究結果では授乳期の母体への曝露により、成熟後の仔の認知・記憶の低下や、協調運動 (バランスを取る能力) 及び運動学習 (運動を覚えてできるようになる。ヒトだと自転車に乗れるようになる) の低下が確認された。また、脳発達に重要な甲状腺ホルモンの作用が影響を受けている可能性も考えられた。
 本セミナーでは、現在わかっている我が国の汚染状況、及びPFASの毒性を総括し、我々の研究データを紹介し今後の対策の展望について考察したい。

  1. PFASに関する基礎知識
    1. PFASの化学構造
    2. PFASの用途と規制
    3. 我が国における汚染状況
    4. PFASの生体への影響
    5. 汚染対策の現状
  2. PFAS研究の最前線
    1. 記憶障害
    2. 運動機能障害
    3. 甲状腺ホルモン作用の撹乱
    4. 今後のPFAS毒性解明に向けての課題

第2部 「PFASに関する国内外の政策的動向について」

(14:15〜15:15)

 近年有機フッ素化合物 (PFAS) による汚染の報道や規制強化の動きが顕著になっていることを踏まえ、本セミナーでは、このような動きの背景について解説していく。
 具体的には、最初に化学物質に対する規制がどのように進んできたかについて解説した上で、近年の国内外における化学物質規制の考え方を説明する。その上で、PFASがどのような観点から規制の対象となりつつあるかについて国際的動向を中心に述べ、最後に日本においてPFASに関しどのように対応しようとしているのかについて解説する。

  1. 化学物質に関する規制 (環境安全管理) の進展
    1. 化学物質によって懸念されるリスクと法規制
    2. 日本における化学物質の規制経緯
    3. 化学物質規制に関する国際的な動向
  2. PFASの環境安全管理をめぐる国際的な動向
    1. PFASの性質について
    2. ストックホルム条約 (POPs条約) における対応
    3. 飲料水についての対応
    4. 欧州REACH規制における動向
  3. 日本におけるPFASの環境安全管理をめぐる動向
    1. PFOS/PFOA等に関する日本の対応
    2. PFOS/PFOA等の国内での検出状況
    3. PFASに対する総合戦略検討専門家会議における検討と今後の対応

第3部 「PFOS、PFOA含有廃棄物の処理とPOPs系難処理物に関する取り組み」

(15:30〜16:30)

 当社は創業以来、化学品製造業等から排出されるハロゲン等を含む燃焼負荷の高い廃棄物処理を行ってきており、POPs条約における規制物質を無害化する処理技術の検討に取り組んできた。
 本セミナーでは、フッ素系POPsであるPFOS/PFOA廃棄物について、国内の処理体制が整備されてきた経緯の説明と、当社が事業展開している焼却炉を用いた処理スキームを紹介する。

  1. 会社概要
    1. クレハグループの主な事業・製品サービス
    2. 会社概要と沿革
    3. 廃棄物処理事業 (ウェステックいわき)
    4. 廃棄物処理事業 (ウェステックかながわ)
  2. PFOS、PFOA焼却処理までの経緯
    1. 1100°CでのPFOS無害化実証試験
    2. 850°CでのPFOS無害化実証試験
    3. 850〜1100°CでのPFOA無害化実証試験
    4. PFOSおよびPFOA含有廃棄物の技術的留意事項
  3. PFOS、PFOA含有廃棄物の処理状況
    1. 受入・保管方法
    2. 処理方法 (ロータリーキルン炉)
    3. 処理方法 (キルンストーカ炉)
    4. 処理期間中の維持管理分析
    5. 処理実績
  4. 他のPOPs含有廃棄物への取り組み
    1. 低濃度PCB廃棄物の処理
    2. POPs廃農薬の処理
    3. その他POPs含有廃棄物

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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