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リチウム電池輸送の規制動向と実務対応

リチウム電池輸送の規制動向と実務対応

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の輸送について基礎から解説し、陸・海・空の輸送時の注意点、国内/海外での最新規制動向、危険物輸送規則の全般から再利用、リサイクルとの関係までを解説いたします。

開催日

  • 2023年9月14日(木) 12時30分 16時00分

修得知識

  • 電動車両 (EV、HEV、PHEV) の基本構成と電池技術
  • 駆動用電池システムの主流であるリチウムイオン電池技術
  • 自動車駆動用電池の安全性要求に関する国際基準、国際規格と危険物輸送規則との関係
  • 製品開発だけでなく自動車のライフサイクル全体を俯瞰した電池の安全性要求

プログラム

 カーボンニュートラル達成のためのキーテクノロジーとして、リチウムイオン電池を用いたモビリティの普及が2015年以降急速に進んでいます。リチウムイオン電池の生産拠点は中国、韓国、日本のアジアから現在では欧州、北米にシフトし、各国のエネルギー政策強化により、各地域への電池生産への投資が進められています。また、電池のライフサイクル (生産、一次利用、二次利用、材料リサイクル) の循環経済社会の構築が進められています。 一方で、リチウムイオン電池は可燃性電解質を内包する電池であることから、危険物輸送規則のクラス9に分類されます。単電池 (セル) から大型の組電池に至るまで、輸送対象となるそれぞれの電池に対して、輸送時の安全性を確認する輸送試験への製品型式の適合、製造時の品質管理要求のほか、輸送する電池の状態に応じて包装基準が規定されるなど、輸送実務に携われる方だけでなく、製品設計、製造部門の方、自動車の保守サービスを行う方には、輸送規則の基本的な知識と理解が求められます。 特に国連勧告の「危険物の輸送に関する国連勧告試験及び判定基準マニュアル」に定める輸送試験UN38.3に型式適合することが求められ、2022年1月からは試験結果サマリ (Test Summary) の作成と当局の提示要請に応じることが規則で定められています。 輸送規則の適用が輸送実務だけでなく、設計開発段階から市場での二次輸送、回収輸送に至る電池のライフサイクルのすべてに関わることから、一般の危険物輸送の規則体系とは異なるため、リチウムイオン電池に携わる多くの関係者に理解、運用いただくための基礎知識の確認、整理に役立つよう、本セミナーでは電気自動車の駆動電池としてのリチウムイオン電池の概要をご紹介し、輸送規則の改定経緯を交えて、解説いたします。
 電気自動車をはじめ、eモビリティの駆動用電池として主流であるリチウムイオン電池は、輸送規則および試験方法と判定基準のマニュアルに規定されるUN38.3 (リチウム電池) の改定により電池セルだけでなく、組電池としてモジュール組電池、電池パックシステムのすべての輸送形態において、製造時の品質管理規定の準拠、輸送試験適合と試験成績書サマリの作成が求められるため、適用される規則の改定内容を正確に理解することが求められます。 その一方で、リチウムイオン電池の輸送規則は2年毎に一部が改定されることが常態化しており、最新の規則を確認することは輸送実務を担当する方には大きな負担となっています。 リチウム電池、リチウムイオン電池の製造にあたっては、輸送対象となる製品型式が輸送試験UN38.3に適合することが求められるほか、製品製造者には品質管理の整備、実施が求められることがあまり知られてはいません。この規則適用は市場での用途寿命を経た電池の二次利用適用時にも適用されるため、二次利用ビジネスへの取り組みには輸送規則の理解と運用が必要です。回収リサイクル、損傷電池の輸送を含めたeモビリティの駆動電池の製造、流通、リサイクルでの適切な運用が求められるところです。 本セミナーでは、自動車駆動用リチウムイオン電池の開発、製造、物流業務に関わる方、リチウムイオン電池 (特にEV電池パック、構成電池) の輸送実務に関わる方、商社など貿易業務でリチウムイオン電池の輸出入に携わる方、自動車駆動用リチウムイオン電池の二次利用ビジネスに関わる方、リチウム電池の輸送試験 (UN38.3) に関心のある方を想定し、講習内容を組み立てました。

  1. リチウムイオン電池について
  2. 電動車両と電池を取り巻く環境と輸送
  3. 電動車両の駆動用電池に対する安全基準の動向
  4. 危険物輸送とは?
    1. 危険物の海上運送
    2. 危険物の航空輸送
    3. 荷送人の責任
    4. 輸送規則違反の罰則
  5. 危険物輸送の国際規則
    1. 危険物輸送に関する国際規則
    2. 電池の輸送規則強化の経緯
    3. 海上、航空輸送における危険物の分類
    4. 危険物輸送規則の自動車への適用
    5. 航空輸送規則の自動車、電池への適用
    6. 海上運送規則での自動車、電池への適用
    7. リチウムイオン電池に係る消防法
  6. リチウム電池輸送に関する国連勧告
    1. 国連勧告の改定経緯
    2. 輸送試験UN38.3の制定経緯と概要
    3. Test Summary (試験結果要約) の要求
  7. 各国の輸送規則
  8. 質疑応答
    • 質疑応答

講師

  • 朝倉 吉隆
    株式会社 エーワイイー
    代表取締役社長

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境 をご確認いただき、 ミーティングテスト にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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