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リチウムイオン電池の熱マネジメント技術

リチウムイオン電池の熱マネジメント技術

~熱、膨張シミュレーション・発熱解析、モデリング~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の熱マネジメントについて取り上げ、リチウムイオン電池の性能改善、モデリングに向けたシミュレーション、解析技術を解説いたします。

開催日

  • 2023年9月4日(月) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の製造・設計に関与するエンジニア、研究者
  • 電池開発セル技術者/研究者
  • 電池モジュール/パック設計技術者
  • これから発熱シミュレーションに携わる方
  • バッテリマネジメントシステムの設計に関わる技術者、開発チームリーダー
  • 電動車や蓄電池などリチウムイオンバッテリを搭載した製品への新規参入を検討している開発マネージャー

修得知識

  • 電池熱シミュレーションの理論的な基礎、計算方法、結果の解釈、シミュレーションの検証方法、実測との検証方法
  • 3次元のシミュレーションとそこから温度予測モデルを作成する方法論
  • 予測モデルの活用方法
  • リチウムイオン電池の発熱メカニズムとその影響
  • 電池の温度と膨張量の測定技術
  • シミュレーションとモデル化の基礎知識とその利用法
  • 電池技術における熱管理問題への対処法や改善策
  • 熱と膨張シミュレーションを通じた電池性能改善の新たな視点やアプローチ方法
  • バッテリマネジメントシステムを安全に設計できる手法
  • 電動車や蓄電池などのリチウムイオンバッテリを搭載した製品開発に活用することができる

プログラム

第1部 リチウムイオン電池の熱シミュレーションモデルの開発

(2023年9月4日 10:00〜11:30)

 本講座では、電池セルやモジュール、パックの発熱シミュレーションモデルついて、電気化学をはじめとする理論的な基礎、必要なパラメータ取得方法、モデリング方法や活用方法、結果の解釈までの一連のプロセスを、実例を交えて紹介します。また、その際ポイントとなるモデル検証や、シミュレーションで出来ること/出来ないことを整理し、モデリングの指針を優しく解説します。また、安全性試験データベースを用いた統計的モデリング、および試験やシミュレーションとの組み合わせ事例を合わせて紹介します。

  1. 二次電池シミュレーションとは
    1. 二次電池シミュレーションの種類と特徴
    2. 機械学習/深層学習モデリング
  2. 充放電・発熱特性シミュレーション
    1. 充放電・発熱特性シミュレーションの基礎
    2. 劣化現象と発熱モデリング方法
    3. 電池モジュール・パックへの展開
    4. パラメータ取得とモデル検証
  3. 電池安全性シミュレーション
    1. 二次電池の安全性モデリングの基礎
    2. 電池セル/モジュールの安全性シミュレーション
    3. 電池パックの変形・圧壊シミュレーション
    4. 安全性試験データベースを用いた統計解析
    • 質疑応答

第2部 バッテリーの熱マネージメントにおける次数低減モデルの活用

(2023年9月4日 12:10〜13:40)

 バッテリー設計において、充放電、劣化、熱暴走などに関連する熱マネージメントは重要な項目であり、温度予測に対して3次元の数値シミュレーションが活用されていますが、走行モードを模擬したような数十分に及ぶ時系列予測を多数実施するにはかなり大規模な計算が必要です。この課題を解決するために、3次元のシミュレーションモデルをもとに、高速に応答する予測モデル (次数低減モデル) を作成する技術の開発が進んでいます。
 ここではその次数低減モデルやそれを使ったシステムの評価例などを紹介します。

  1. EV設計とバッテリーの熱マネージメント
  2. バッテリーの3次元熱流れシミュレーションと次数低減モデル
    1. 電気化学反応を含むバッテリーの熱シミュレーション手法
    2. バッテリーの劣化と熱マネージメント
    3. 次数低減モデルの考え方と適用方法
  3. バッテリーモジュールの熱問題と次数低減モデル
    1. バッテリーモジュールの3次元熱流れ解析
    2. 次数低減モデルの作成例
    3. 冷却流路を伴う次数低減モデルの作成例
  4. EVのシステムシミュレーションとバッテリーの次数低減モデル
    • 質疑応答

第3部 車載用リチウムイオン電池の充放電による温度と膨張量の計測からシミュレーションモデルの開発ご紹介

(2023年9月4日 13:50〜15:20)

 本研究はリチウムイオン電池の発熱問題に焦点を当て、その解析とシミュレーションによるモデル化を行います。まず、リチウムイオン電池の基本的な構造と動作原理を理解し、発熱が生じる具体的なメカニズムを把握します。
 次に実験的手法と解析技術を用いて充放電による発熱および構造の膨張を具体的に評価します。これにより電池が充放電時にどの程度発熱、膨張するのかを定量的に評価します。
 さらに、シミュレーションによりこれらの知見を統合し、より包括的な理解を得るための計算を行います。このモデル化により内部の温度や膨張による変形状態を予測することが可能となります。
 本研究は、理論、実験、シミュレーションという3つの視点を統合してリチウムイオン電池の発熱問題に取り組むことです。これにより、電池技術の深化と社会的な要求に対応するために必要な情報を提供し、電池の発熱と膨張の影響による電池の経年劣化の対策に貢献します。

  1. 序章
    1. リチウムイオン電池の重要性と問題点
    2. バッテリー寿命に対する関心
    3. 本研究の目的と手法
  2. リチウムイオン電池の基本的な理論
    1. リチウムイオン電池の構造と動作原理
    2. 発熱の原因となるメカニズム
    3. 発熱による問題とリスク
  3. 発熱解析の手法
    1. 熱解析の基本的な原理と手法
    2. リチウムイオン電池発熱解析手法
    3. 使用したソフトウェア
  4. 温度測定のための実験設計と手順
    1. 実験目的と設計
    2. 実施した実験手順
    3. 実験の結果と観察
  5. 発熱シミュレーション
    1. 解析モデル形状
    2. モデル化の手法と詳細
    3. 実験と解析の結果比較
  6. 充放電による膨張量の測定のための実験設計と手順
    1. 実験目的と設計
    2. 実施した実験手順
    3. 実験の結果と観察
  7. 構造膨張シミュレーション
    1. 解析モデル形状
    2. モデル化の手法と詳細
    3. 実験と解析の結果比較
  8. 応用と改善の可能性
    1. 本研究の成果の実用的な応用
    2. 構造膨張シミュレーションによる内部の変形状態の予測
    3. 今後の研究
  9. まとめ
    • 質疑応答

第4部 バッテリマネジメントシステムとバッテリ温度の制御手法

(2023年9月4日 15:30〜17:00)

 本講座では初心者の方でも理解しやすいようにバッテリマネジメントシステムやセルモニターユニットを説明しながら、バッテリの熱発生メカニズムや冷却方法などを設計経験者の立場で説明します。 初心者の方でもバッテリマネジメントシステムとバッテリ温度の制御手法を習得することができ、貴社製品へのリチウムイオンバッテリの搭載をご検討されている方には大変お勧めです。

  1. セルモニターユニットの基礎
    1. セルモニターユニットの機能
    2. セルモニターユニットの構成
  2. バッテリマネジメントシステムの制御手法
    1. セルモニターユニットの制御シーケンス
    2. 上位システムの制御シーケンス
  3. バッテリ温度の制御手法
    1. バッテリの熱発生メカニズム
    2. バッテリ温度の制御アルゴリズム
    3. バッテリの冷却方法
    • 質疑応答

講師

  • 高岸 洋一
    株式会社コベルコ科研 計算科学センター モデルベース解析技術室
    室長
  • 藤井 明
    アンシス・ジャパン株式会社 技術部
    ソリューションスペシャリスト
  • 天野 慎一
    株式会社JSOL エンジニアリング事業本部
  • 高瀨 弘嗣 (髙瀨 弘嗣)
    デルタテックラボラトリ株式会社
    代表取締役

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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