技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

液晶ポリマーの成形加工、フィルム化技術と配線形成

液晶ポリマーの成形加工、フィルム化技術と配線形成

~5G市場での本格普及へ向けたLCP特有の課題と解決への取り組みを解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、優れた低誘電率、低誘電正接特性から5G用途でますます注目されるLCPを取り上げ、LCP材料の基礎 (特徴・種類・成形加工技術) から世界の市場動向、さらにフレキシブルプリント配線板 (FPC) 用の絶縁材料として開発が進むLCPのフィルム化技術とその量産化に向けた各社の取り組み事例について解説いたします。

開催日

  • 2023年5月25日(木) 10時30分 16時15分

修得知識

  • 液晶ポリマー (LCP) の内外における市場・用途:特許などの公開情報に基づいた
    • LCPの基本的特徴
    • LCPの成形加工:特に5G向け材料としてのフィルム成形法の現状と展望
  • 液晶ポリマーへの湿式処理と紫外線処理
  • 低粗度での高密着力創生方法
  • パターニングの可能性
  • 無電解ニッケルーリンめっき
  • 無電解銅めっき

プログラム

第1部 液晶ポリマーの特性、市場動向、成形加工、フィルム化技術および特許情報からみる技術動向

(2023年5月25日 10:30〜14:30 / 途中、昼休みを含む)

 液晶ポリマー (LCP) は、一般にスーパーエンジニアリングプラスチックと呼ばれる分野に属し、高い耐熱性、そして射出成形時における優れた寸法安定性、高い流動性そしてバリなどが発生しにくいことから精密・微細化などを目的とする用途に適している。更に近年、これまでの通信方式と比べ高速・大容量化などの特徴を有する第5世代移動通信システム (5G) への適用が始まり、高周波・高速伝達回路による伝達損失を抑えることのできる材料としてもLCPは期待されている。しかしながら、5G向けの用途としてはフィルム化が要求されており、LCPの持つ高い配向性が原因でフィルム加工しにくい欠点を有していた。そこで、各LCPメーカーは独自の加工技術で、この欠点を克服し、フィルム化とその量産化を試みている。
 本セミナーでは、LCPに関する市場動向、基礎的物性、用途、そして特許などの公開情報から最新の成形加工技術や課題を紹介し、さらに将来の展望について幅広く紹介する。特に成形加工技術に関しては5G向け FCCL 用フィルムの製造を、さらに最後ではBeyond 5G向けの課題などについても紹介する。

  1. はじめに
  2. 世界の液晶ポリマー (LCP) の市場
    1. LCPの市場動向
    2. 市場を支配する中国
  3. 液晶とは
    1. 液晶分子の特徴
    2. 液晶構造の主な種類
  4. 液晶ポリマーとは
    1. ポリマーの特徴
    2. 液晶ポリマーの種類
      1. リオトロピック液晶ポリマー
      2. サーモトロピック液晶ポリマー
  5. グローバルLCP市場の主要プレーヤー
  6. LCPのモノマー
  7. LCPの用途
  8. LCPの成形加工
    1. リオトロピックLCPの成形方法
    2. サーモトロピックLCPの成形方法
      1. 射出成形
      2. 押出成形
      3. 溶液キャスト法
  9. 5G技術を支えるLCPの動向
    1. LCPフィルム市場動向
    2. LCPフィルムの現状と課題
    3. LCPの特許情報
    4. 特許情報から見るLCPフィルムの量産化に向けた技術動向
      1. 新規フィルム成形法への挑戦
        1. 多層Tダイの交差成形
        2. 磁場をかける製膜方法
        3. ラミネート成形した後、延伸成形
        4. インフレーション成形の各取り組み
        5. 溶液キャストフィルム成形
      2. LCPフィルムを使った FCCLとFPCの製造技術
  10. LCPの今後の展望
  11. Beyond 5Gに向けた最新のLCP 情報
  12. おわりに
    • 質疑応答

第2部 液晶ポリマーなどの高周波プリント基板上へのめっき法による配線形成技術

(2023年5月25日 14:45〜16:15)

 5G以降は、表皮効果のため、低粗度で高密着力を実現する必要がある。特に、液晶ポリマー (LCP) は注目されている低誘電率、低誘電正接を有する基板樹脂である。そのLCPの処理には溶液を用いる湿式法と紫外線などを用いる方法がある。
 本講座では、過マンガン酸カリウムを用いる湿式法と紫外線照射法を解説する。過マンガン酸カリウムを用いる湿式法は新規に開発した弱酸性過マンガン酸カリウム処理と無電解銅めっきを解説する。紫外線処理では無電解ニッケルーリン下地について解説する。

  1. 湿式法前処理による液晶ポリマー (LCP) への銅めっき
    1. 緒言
    2. 実験方法
    3. 実験結果および考察
      1. めっきの析出性
      2. めっき皮膜の密着強度および表面形態
      3. 断面SEM観察
      4. LCP表面改質の解析
    4. 結言
  2. 表面平滑性を有した液晶ポリマー (LCP) とポニフェニレンスルファイド (PPS) 基板上に紫外線照射を用いた無電解Ni-Pの選択析出と密着力の評価
    1. 緒言
    2. 実験方法
    3. 結果と考察
      1. 紫外照射によるパターニング
      2. 平滑樹脂表面での十分な密着力の確保
        1. 前処理が密着力に与える影響
        2. めっき浴条件が密着力に与える影響
        3. 微細パターンの形成
      3. レーザー顕微鏡による観察
    4. 結論
    • 質疑応答

講師

  • 八角 克夫
    八角コンサルティンググループ
    代表
  • 小岩 一郎
    関東学院大学 理工学部 理工学科 表面工学学系
    教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/19 生分解性プラスチックの基礎・最新動向と食品容器・包装への応用展開 オンライン
2024/4/19 副資材を利用した高分子材料の設計技術 オンライン
2024/4/22 高分子インフォマティクスの応用事例 オンライン
2024/4/22 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/22 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/4/22 溶融製膜/溶液製膜によるフィルム成形技術の基礎と実際 オンライン
2024/4/23 ナノ触診原子間力顕微鏡 (AFM) による高分子材料の解析技術 オンライン
2024/4/24 樹脂材料のEV駆動モータ/パワーデバイスへの実装に向けた高電圧絶縁特性の基礎と評価法 オンライン
2024/4/24 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/4/24 ヒートシールの基礎と材料設計および品質管理・不具合対策 オンライン
2024/4/24 プラスチック用添加剤の基礎と選び方・使い方のポイント、その注意点 オンライン
2024/4/24 高分子の絶縁破壊メカニズムとその劣化抑制技術 オンライン
2024/4/24 ディスプレイ向け光学フィルムの基礎・市場と高機能化技術トレンド オンライン
2024/4/24 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/4/24 天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用 東京都 会場
2024/4/25 押出成形のDX化と活用技術 オンライン
2024/4/25 5G高度化とDXを支える半導体実装用低誘電特性樹脂・基板材料の開発と技術動向 オンライン
2024/4/25 プラスチックフィルムの表面処理・改質技術と接着性の改善評価方法 オンライン
2024/4/25 レオロジー測定・データ解釈の勘どころ オンライン
2024/4/25 結晶性高分子における力学物性と高次構造の関係 オンライン