技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

データサイエンスによる難燃性高分子材料の技術開発

データサイエンスによる難燃性高分子材料の技術開発

オンライン 開催

開催日

  • 2023年3月13日(月) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 統計の基礎知識
  • 重回帰分析及び主成分分析の実務への適用の仕方
  • タグチメソッドの概略
  • データサイエンスと機械学習の入門知識

プログラム

 火災は急激に進行する酸化反応という理由で、その現象を科学的に扱いにくいトランスサイエンス (注) といえる。データサイエンスの手法は、このような分野の技術開発に便利な手法であり、講師は大型コンピューターの時代からその点に着目し技術開発を進めてきた。
 ところで、高分子材料の難燃化技術は、1970年代から80年代にかけて技術がほぼ完成し、現在実用化されている難燃性高分子材料はこの時代の技術を基礎としている。しかし、高分子材料の環境問題が顕在化した21世紀となり、それに対応する視点で見直しが進められている。さらに同時に進展したDXの恩恵によりデータサイエンスのツールが無料で使える便利な時代となった。
 本セミナーでは、高分子の難燃化技術について40年前のデータサイエンスの手法による成果を事例にその考え方や開発手法の基礎知識を最初に説明する。この基礎知識をもとに、最近ニーズが高まっている再生樹脂の難燃化技術についてタグチメソッドによる開発事例や、データ駆動の方法により「PETボトルのリサイクル樹脂」を80wt%含有するUL94 – V2規格合格をした射出成形用難燃性樹脂の開発事例を説明し、マテリアルズインフォマティクスの参考となる内容で構成している。
 2022年4月に「3R+Renewable」のコンセプトに基づく新たな法律が施行されたが、本セミナーでは、この法律についても触れ、環境対応難燃性樹脂を設計するときの注意点をセミナーのまとめとして解説する。すなわち、データサイエンスから最新の環境問題に対応した知識まで、現代の難燃性樹脂を開発するときに必要とされる知識やノウハウについて事例を中心に構成したセミナーである。なお、本セミナーではその目的と時間の関係から特許動向等の説明を省いたが、聴講後にセミナー内容以外の質問でも対応いたします。

(注) 科学で問うことができるが、科学で答えることのできない問題。

  1. 緒言
    1. 火災と高分子の難燃化技術
    2. 高分子の難燃化技術研究の歴史
    3. データサイエンスについて
  2. 難燃性の評価試験法
    1. 高分子材料の概略と評価試験法
    2. 極限酸素指数法
    3. UL94評価試験法
    4. コーンカロリーメーター
  3. 高分子の難燃化技術の基礎
    1. 高分子の難燃化メカニズム
      1. 耐熱性高分子の高次構造の問題
      2. フェノール樹脂発泡体のLOI残渣分析
      3. 高分子の難燃化手法
    2. 炭化促進型難燃化技術の事例
      1. ホスファゼン変性ポリウレタン発泡体
      2. ホウ酸エステル変性ポリウレタン発泡体
      3. 重回帰分析とディープラーニング比較
  4. 高分子のプロセシングと難燃化技術
    1. 高分子のプロセシング概論
      1. コンパウンディング技術
      2. パーコレーション転移
    2. 事例:再生材を用いたPC/ABSの難燃化
      1. タグチメソッドによる開発事例
      2. カオス混合の効果
    3. 事例:PETボトルリサイクル材を用いた難燃性射出成形体
      1. データ駆動による材料開発事例
      2. カオス混合の効果
    4. 事例:主成分分析による難燃性コンパウンドの工程問題解決
  5. 高分子難燃化技術と環境問題
    1. 環境問題の変遷概論
    2. 3Rから4Rへ
    3. 事例:難燃性半導体ベルトのLCA
  6. まとめ

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額の 22,500円(税別) / 24,750円(税込)となります。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 24,000円(税別) / 26,400円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/8 高分子の接着性改善と表面処理、界面の構造評価技術 オンライン
2024/5/9 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/5/10 熱分析の基礎と測定・解析技術 オンライン
2024/5/10 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/5/10 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/5/10 R&D部門での生成AI活用およびDXによる材料設計の加速化 オンライン
2024/5/13 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/13 欧州のサーキュラーエコノミー政策動向とELV (廃自動車) 規則案 東京都 会場・オンライン
2024/5/14 研究・実験データ収集、管理への仕組み作りと蓄積データの活用 オンライン
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2024/5/14 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン
2024/5/15 「トランジションファイナンス」の魅力とその享受の為のポイント 東京都 会場・オンライン
2024/5/15 高分子の結晶化、結晶高次構造の制御、分析解析、その応用 オンライン
2024/5/15 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2024/5/15 UV硬化樹脂における硬化不良対策と硬化状態の測定・評価 オンライン
2024/5/15 企業間データ連携の推進・課題と材料開発への活用 会場
2024/5/16 化学・材料分野における「LCA」、GHG排出量計算、「Scope3」への対応、(自動車などユーザー企業への) 情報開示、その活用 オンライン
2024/5/16 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2024/5/16 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン

関連する出版物

発行年月
2021/7/28 プラスチックリサイクル
2021/6/29 UV硬化樹脂の開発動向と応用展開
2021/6/28 AI・MI・計算科学を活用した蓄電池研究開発動向
2021/5/31 高分子材料の劣化・変色対策
2021/5/31 重合開始剤、硬化剤、架橋剤の選び方、使い方とその事例
2021/4/30 建築・住宅用高分子材料の要求特性とその開発、性能評価
2021/1/29 高分子材料の絶縁破壊・劣化メカニズムとその対策
2020/12/30 実践Rケモ・マテリアル・データサイエンス
2020/11/30 高分子の成分・添加剤分析
2020/11/30 高分子の延伸による分子配向・結晶化メカニズムと評価方法
2020/10/30 ポリウレタンを上手に使うための合成・構造制御・トラブル対策及び応用技術
2020/9/30 食品容器包装の新しいニーズ、規制とその対応
2020/8/11 化学・素材業界におけるデジタルトランスフォーメーションの最新調査レポート
2020/8/1 材料およびプロセス開発のためのインフォマティクスの基礎と研究開発最前線
2020/3/31 自己修復材料、自己組織化、形状記憶材料の開発と応用事例
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈