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アノード酸化皮膜の形成、特性制御とその応用技術

アノード酸化皮膜の形成、特性制御とその応用技術

~皮膜の生成機構、微細構造制御から特性、機能を活かした応用事例まで~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、講師の経験を基にアノード酸化について総合的に概説いたします。
皮膜生成機構、微細構造の解析、多孔質構造の定量評価法、自己規則化皮膜の形成法、合金組成の影響など、アノード酸化皮膜の生成に関する基礎的な事項と、皮膜の特性や機能を引き出す応用に関して種々の事例を通して解説いたします。
また、TEM・SEM・XPS・GDOESなどを用いた最先端の構造解析とその解釈を含め、最近の研究成果についても紹介いたします。

開催日

  • 2023年1月19日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • アノード酸化皮膜に関心のある技術者
    • 化学
    • 金属材料
    • エレクトロニクス
    • 自動車
    • ナノテク
    • 医薬品
    • 化粧品 等

修得知識

  • アノード酸化皮膜の成長メカニズムとその微細構造制御
  • 皮膜の微細構造解析手法および構造と特性との関係
  • 誘電体皮膜としての特性
  • 酸化皮膜の封孔処理の種類および封孔メカニズムと耐食性
  • アルミニウム以外の金属と半導体におけるアノード酸化

プログラム

 アルミニウムのアノード酸化 (陽極酸化) 皮膜は、古くからその腐食耐性、装飾性、誘電特性の工業的な活用がなされてきたが、近年、そのナノポーラス構造が電池材料、ナノデバイス作製のための出発構造 (テンプレート) としても世界的に注目され、機能性材料としての研究も進んでいる。また、マグネシウムやチタン、ステンレス、など種々の金属のアノード酸化による新規な機能創製や触媒への応用も注目されている。
 講演者は長い間アノード酸化皮膜の研究とその応用に携わって来たが、本講座ではその経験を基に、いわば「アノード酸化のすべて」の総合的な概説を行う。皮膜生成機構、微細構造の解析、多孔質構造の定量評価法、自己規則化皮膜の形成法、合金組成の影響など、アノード酸化皮膜の生成に関する基礎的な事項と、皮膜の特性や機能を引き出す応用に関して種々の事例を通して解説する。TEM、SEM、XPS、GDOESなどを用いた最先端の構造解析とその解釈を含め、最近の研究成果についても紹介する。
 アルミニウムを中心とした種々の金属や半導体のアノード酸化 (アノード処理) により表面にナノスケールの構造を持つポーラス酸化皮膜付与する手法や原理、応用例を基礎から詳細に学ぶことができます。また、質疑応答も重視しています。

  1. アルミニウムのアノード酸化皮膜の生成機構の基礎、その研究の歴史と背景
    1. バリア型皮膜の生成のメカニズム
    2. ポーラス型皮膜の成長と孔発生過程
  2. ポーラスアノード酸化皮膜のセル径および孔径の制御
    1. 電解液による形態の差異と制御
    2. セル形態の電圧依存性
    3. ポロシティの制御
    4. 規則構造と不規則構造
  3. 電解液によるアノード酸化皮膜の組成 (アニオン分布) と構造の差異
    1. 透過電子顕微鏡を用いた酸化皮膜中のアニオン分布と溶解特性の差異
      1. 硫酸皮膜
      2. シュウ酸皮膜
      3. リン酸皮膜
      4. クロム酸皮膜
  4. アノード酸化ポーラスアルミナの自己規則化
    1. 自己規則化条件
    2. 自己規則化の制御とそのメカニズム
    3. インプリント法による理想孔配列の形成
  5. 前処理による表面組成と形態
    1. アルカリ脱脂皮膜の表面形態
    2. 鏡面を得るための電解研磨法
  6. 封孔処理とは
    1. 電子顕微鏡による形態変化と封孔挙動
    2. 沸騰水封孔、酢酸ニッケル封孔、Li塩封孔のそれぞれの特徴と耐食性
  7. ポアフィリング法による多孔質構造とバリア層の定量評価+ガス放出制御
  8. バリア型皮膜の構造と誘電特性 (キャパシタ特性:Nbを含む)
    1. バリア型皮膜の構造と欠陥
    2. 皮膜の誘電特性に対する電解質アニオンの影響
  9. 不透明白色皮膜の形成
    1. 不透明白色皮膜の生成原理
    2. 電解条件と白色度の制御
  10. 熱および化学耐性を持つ結晶性αアルミナメンブレンの作製と評価
    1. メンブレンとしての厚膜の作製
    2. Al素地からの剥離法
    3. 加熱による結晶化と湾曲の防止
    4. 結晶性メンブレンの構造解析と耐熱・耐化学性
  11. 合金組成および電源波形の皮膜構造に及ぼす効果
    1. 合金組成によるアノード酸化皮膜特性の変化
    2. 交流、矩形波による皮膜構造の変化
    3. 高周波電解によるダイカスト材のアノード酸化皮膜の均一膜厚化
  12. マグネシウムのアノード酸化皮膜の構造と耐食性
    1. マグネシウム合金表面の自然酸化膜と耐食性
    2. アノード酸化と化成処理・封孔処理
    3. プラズマアノード酸化 (PEO) の成長とその構造
    4. 電解液による構造の違い (リン酸塩とケイ酸塩)
    5. アパタイト化 (生体親和性付与)
  13. チタンのアノード酸化
    1. ポーラスチタニアの生成と構造
    2. ポーラスチタンのアノード酸化と生体親和性の付与
  14. シリコン、InPなど半導体基板のアノードエッチングによる微細加工
  15. Zn、Sn、SUSなど種々の金属のアノード酸化皮膜生成挙動と特性
    • 質疑応答

講師

  • 小野 幸子
    工学院大学
    名誉教授 / 客員研究員

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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