技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子フィルム・繊維の延伸プロセスにおける分子配向形成と制御技術

高分子フィルム・繊維の延伸プロセスにおける分子配向形成と制御技術

~高分子の延伸プロセスに関する基礎理論 / 延伸した高分子の構造とその測定方法 / 繊維の延伸による高強度化の考え方~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高分子フィルムの延伸過程における分子配向形成・結晶化メカニズム、解析手法、制御技術について分かりやすく解説いたします。

開催日

  • 2019年12月23日(月) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • フィルムの製造技術者
  • フィルムの加工技術者
  • フィルム用ポリマー開発技術者等

修得知識

  • 高分子の延伸プロセスに関する基礎理論
  • 延伸した高分子の構造とその測定方法
  • 繊維の延伸による高強度化の考え方

プログラム

 高分子のフィルムや繊維の製造工程には、押し出したフィルムや繊維を引き伸ばす延伸プロセスが含まれる。この延伸プロセスは、低速で押し出したフィルムや繊維を高速で引き取ることにより、生産効率を向上することができる事から、製造コストを左右する重要なプロセスである。さらに、延伸プロセス中ではフィルムや繊維の引き伸ばしと同時に分子配向が形成され、結晶性の高分子では分子配向に誘起されて結晶化が発生する。分子配向は製品の力学物性に大きな影響を与え、結晶化は製品の熱物性に大きな影響を与えることから、延伸プロセスにおける分子配向や結晶化を制御することは製品の物性を管理する上で非常に重要である。
 本セミナーでは、フィルムの延伸プロセスにおける分子配向形成のメカニズムやその理論的な解析方法、延伸条件と分子配向の関係、配向誘起結晶化の発生と成形性への影響について、小型試験機での実験結果を元に解説する。また、繊維の延伸に伴う分子配向形成と物性の変化、特に繊維の高強度化について解説する。さらに、配向した高分子の構造解析の手法についても解説を行う。

  1. 高分子フィルムの延伸工程
    1. 延伸装置と延伸条件
    2. 延伸工程で加わる力と変形
    3. 延伸工程で加わる熱
    4. 延伸工程における構造変化
      1. 分子配向
      2. 結晶化
  2. 延伸過程における分子配向形成
    1. 延伸過程における分子配向の形成と配向緩和
    2. 分子配向形成への延伸温度の影響
    3. 分子配向形成への延伸速度の影響
    4. 分子配向のモデル化
      1. 応力光学則と修正応力光学則
      2. Multi – Mode Maxwell Model
    5. 多段延伸過程における分子配向形成
  3. 延伸過程における結晶化
    1. PETフィルムの延伸過程における結晶化
      1. 一軸延伸過程
      2. 二軸延伸過程
      3. PETフィルムにおける分子配向と結晶化速度の関係
    2. PENフィルムの延伸過程における結晶化
      1. 一軸延伸過程
      2. 二軸延伸過程
    3. PLAフィルムの延伸過程における結晶化と延伸性
      1. PLAフィルムの延伸過程における結晶化
      2. PLAフィルムの多段延伸過程における結晶化と延伸性への影響
  4. 繊維の延伸工程
    1. 繊維の製造工程における配向形成
      1. 紡糸工程と延伸工程
      2. 紡糸工程における配向形成
        1. 高速溶融紡糸における配向形成
        2. 高速溶融紡糸における配向結晶化
        3. 高速溶融紡糸過程の数値解析
      3. 延伸工程における配向形成
        1. 多段延伸による配向形成
        2. 延伸による物性の向上
      4. 特殊な高分子における配向形成
        1. 超高分子量ポリエチレンのゲル延伸
        2. PHBHにおける微結晶延伸
        3. 液晶繊維の熱処理に伴う配向形成
    2. 繊維の延伸による高強度化
      1. 繊維の延伸性と延伸糸物性
      2. 溶融構造制御による延伸性の向上
      3. 溶融構造制御における繊維構造解析
  5. 配向高分子の構造とその測定方法
    1. 高分子繊維・フィルムにおける分子配向
      1. 繊維・フィルムにおける配向形態と配向度
      2. 繊維・フィルムにおける分子配向の測定方法
        1. アッベ屈折率計
        2. 偏光顕微鏡
        3. 光変調法
        4. エリプソメトリー
        5. その他の手法
    2. 高分子繊維・フィルムにおける結晶配向
      1. フィルムの結晶配向の特徴
      2. WAXD測定による結晶配向度の測定
        1. 平板状センサーを用いた配向度測定法
        2. 極点図測定による配向度測定法
    • 質疑応答

講師

  • 宝田 亘
    東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻
    助教

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

6F 中会議室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 42,750円 (税別) / 47,020円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 47,020円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」と記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2024/5/15 高分子の結晶化、結晶高次構造の制御、分析解析、その応用 オンライン
2024/5/15 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2024/5/15 UV硬化樹脂における硬化不良対策と硬化状態の測定・評価 オンライン
2024/5/16 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2024/5/16 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン
2024/5/17 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/20 廃プラスチックの最新リサイクル技術の動向 オンライン
2024/5/20 導電性高分子の基礎と最新の研究動向・応用 オンライン
2024/5/21 高分子材料のモノマー化、解重合反応とケミカルリサイクルの動向 オンライン
2024/5/21 摩擦振動と異音の発生メカニズムと抑制・対処方法 オンライン
2024/5/22 ポリフェニレンサルファイド (PPS) 樹脂の基礎と応用技術の総合知識 オンライン
2024/5/22 マーセル化による天然繊維の樹脂複合化と特性改善 オンライン
2024/5/23 チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法 オンライン
2024/5/24 UV硬化とEB硬化の基礎と技術比較および応用技術 オンライン
2024/5/24 エポキシ樹脂の実用の基礎知識とフィルム化 & 接着性の付与技術とその応用 オンライン
2024/5/24 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン
2024/5/28 プラスチックフィルムにおける各樹脂特性、添加剤・成形加工技術および試験・評価方法 オンライン
2024/5/28 樹脂成型の知識 オンライン