技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

導電性エラストマー、導電性ゴムの材料設計、各種応用、その可能性

導電性エラストマー、導電性ゴムの材料設計、各種応用、その可能性

~伸縮性導体、ウェアラブル・ストレッチゃブルデバイス、センサ、ロボット、アクチュエータ、電池、ケーブルなど~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは導電性高分子について取り上げ、導電率、誘電率のコントロール、測定評価のポイント、市場性と最新研究動向まで詳解いたします。

開催日

  • 2019年10月9日(水) 9時30分 16時30分
  • 2019年10月10日(木) 10時00分 13時45分

修得知識

  • 導電性高分子の導電率、誘電率のコントロール、測定評価のポイント
  • 曲げたり、伸ばしたりした際の抵抗率の変化
  • 導電性高分子の市場性と最新研究動向

プログラム

第1部 導電性エラストマーのロボットやアクチュエータ、 センサ部材などへの応用について

(2019年10月9日、9:30~12:30)

 導電性エラストマーのうち、導電性ゴムを扱う。従来の加硫法とは異なる全く新しい電磁場を使った方法でゴム化し、導電性を持たせる技術を紹介する。次いで、それによるセンサー、ピエゾ素子、太陽電池等が作れることを示し、実際の作り方と特性について解説すると共に、簡単な作り方を実演する。

  1. MCFについて
    1. MCFの基礎特性
    2. MCFの応用例
    3. MCFゴムについて
  2. MCFゴムセンサー
    1. MCFゴムセンサーの基礎
    2. MCFゴムの電解重合法の概要
    3. 電解重合法によるゴム化の化学的仕組み
    4. MCFゴム液体について
  3. MCFゴムの特性
    1. はじめに
    2. MCFゴムの特性に及ぼす諸因子の影響
    3. MCFゴムにおけるMullins効果 (ストレスソフトニング効果)
    4. MCFゴムにおけるピエゾ効果
  4. MCFゴムにおけるドーピング
    1. MCFゴムの種類
    2. MCFゴムにおけるドーピングの仕組み
    3. 感度を落とすドーピングの手法
  5. MCFゴムセンサーの実用例
    1. 流体ずり速度センサー
    2. ピエゾ素子
    3. 太陽電池
    4. 電池
  6. センサー化
    1. 電極とゴムの接着
    2. 劣化防止、経年変化の回避
  7. エナジー・ハーベスティングへの応用
  8. 最後に (まとめ)
    • 質疑応答

第2部 導電性エラストマー、導電性ゴムに用いられる 導電性ペーストの設計・応用

(2019年10月9日 13:15〜14:45)

 ストレッチャブル電子デバイスの実現に向けた研究が活発化してきていますが、配線や電極に伸縮性を付与することや、伸縮に耐えうるインターコネクションを実現するための技術の開発は重要な研究課題のひとつと考えられます。従来は、このような配線・電極や接合用材料に対して「単に何%伸長しても導電性が維持される」というような曖昧な議論が行われてきましたが、応用に移る段階で様々な問題に直面することになります。今回は、ストレッチャブル導電性ペーストに焦点を絞り、繰返し変形中に観測される印刷配線の電気抵抗変動に対して影響を及ぼす因子について述べるとともに評価技術や信頼性向上のための考え方について議論したいと思います。

  1. ストレッチャブル配線・電極を作製するための材料
    1. 金属 (固相および液相)
    2. 導電性高分子
    3. 導電性コーティングを施した繊維
    4. 導電フィラー分散型ペーストおよびシート
  2. 導電フィラー分散型ペーストの応用例
    1. ストレッチャブルセンサ
    2. プリンテッドE – テキスタイル
  3. ストレッチャブル導電ペーストの特性を理解するための基礎
    1. ゴム材料の機械的特性および疲労現象
    2. 変形に伴う電気伝導特性の変化
    3. 時間依存型特性変化
    4. 疲労特性および回復現象
    5. フィラーネットワークのモデル化の現状
  4. ストレッチャブル印刷配線の特性評価
    1. 基板の機械的特性の影響~導電性ペーストの特性だけでは予測できない配線特性~
    2. 変形速度依存性~ゴムなので粘弾性を考慮する必要がある~
    3. 負荷 – 除荷過程での電気抵抗率変化の詳細解析~変形履歴によって挙動が変わる~
    4. 電気伝導特性の回復現象~マリンス効果と関係があるのか?~
  5. 繰返し変形に伴う電気伝導特性変化を抑制するための考え方
  6. まとめ
    • 質疑応答

第3部 半導体高分子鎖を有するエラストマー材料の開発

(2019年10月9日 15:00〜16:30)

 近年、ウェアラブル電子デバイス材料の設計において、伸縮性と半導体性能の両立が求められている。高分子合成化学を軸足にした新しい半導体高分子鎖を有するエラストマー材料の開発について解説する。

  1. 有機エレクトロニクスとは
    1. 有機EL
    2. 有機薄膜トランジスタ
    3. 有機太陽電池
    4. ウェアラブル電子デバイス
  2. 半導体高分子材料の開発
    1. 半導体高分子の精密合成
    2. 半導体高分子鎖を有するブロック共重合体の合成
    3. 半導体高分子鎖を有するエラストマー材料の開発
    4. 半導体高分子鎖を有するエラストマー材料のモルフォロジーと動的変化
  3. 環境にやさしい新重合法による半導体高分子材料の開発
    1. 半導体高分子合成における環境低負荷型重合法の開発動向
    2. ハロゲンおよび遷移金属元素を使用しない新規重縮合法の開拓
    3. 今後の展開
    • 質疑応答

第4部 カーボンナノ材料を用いた導電性エラストマーとその応用

(2019年10月10日 10:00~11:30)

 単層カーボンナノチューブとゴムだけという柔らかい炭素系材料だけのトランジスタを開発した。金属と半導体の両方の特性を示す単層カーボンナノチューブは、長尺の糸のように細長い構造をもつ物質であり、柔らかく曲げても壊れない。更に網目状に絡まり合うことで、伸縮性を示すため、単層カーボンナノチューブを電極やチャネルに用い、曲げ、引張り、ねじりなどの負荷に対して、トランジスタの全ての部材が一体化して変形することができる。このため衣類につけて着用したときには、人体の形状に合わせて自在に変形でき、身体に与えるストレスが少ない。また圧力や衝撃に対する耐性に優れ、ハイヒールで踏むという厳しい負荷を加えても壊れない。今後はリハビリや介護向けのスマートテキスタイルなどへの応用が期待されている。

  1. 単層カーボンナノチューブ (CNT) とは
    1. 電気特性: 半導体型CNTと金属型CNT
    2. 構造と機械特性: 直径数ナノメートルの一次元材料で柔らかく曲げても壊れない
  2. CNTとゴム材料との複合化について
  3. 単層CNTのウェアラブルエレクトロニクス応用
    1. ストレッチャブルなCNTセンサー・CNTトランジスタ
    2. 網目状CNTの高導電性ゴム複合材配線
    3. 半導体プロセスに適用可能な単層CNTの成膜・微細加工技術開発
    4. CNT – ゴムのトランジスタの構造
    5. 柔らかい炭素系材料のみでのトランジスタ製造プロセス
    6. CNTトランジスタの柔軟性とロバスト性
    • 質疑応答

第5部 導電性プラスチック・導電性エラストマーの 特徴・課題とその用途事例

(2019年10月10日 12:15〜13:45)

  1. リケンテクノス導電性プラスチックの種類
    1. 導電性プラスチックとは
    2. リケンテクノス導電性プラスチックの種類
  2. 帯電防止プラスチック (スタティックマスター) の特徴・課題
    1. 帯電防止プラスチック (スタティックマスター) の特徴
    2. 帯電防止プラスチック (スタティックマスター) の課題
  3. 導電性プラスチック (スーパーオーム) の特徴・課題
    1. 導電性プラスチック (スーパーオーム) の特徴
    2. 導電性プラスチック (スーパーオーム) の課題
  4. 導電性 (帯電防止) プラスチックの用途事例
    1. 抵抗値領域と用途事例
    2. 帯電防止プラスチックの用途事例
    3. 導電性プラスチックの用途事例
    4. 今後の用途展開
    • 質疑応答

講師

  • 島田 邦雄
    福島大学 共生システム理工学類
    教授
  • 井上 雅博
    群馬大学 理工学府 知能機械創製部門
    准教授
  • 東原 知哉
    山形大学 学術研究院 大学院有機材料システム研究科
    教授
  • 関口 貴子
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 ナノチューブ実用化研究センター CNT用途チーム
    主任研究員
  • 坂元 克司
    リケンテクノス株式会社 研究開発センター コンパウンド開発室 第3グループ

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 70,000円 (税別) / 77,000円 (税込)
複数名
: 65,000円 (税別) / 71,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 65,000円(税別) / 71,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 70,000円(税別) / 77,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 130,000円(税別) / 143,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 195,000円(税別) / 214,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/8 高分子の接着性改善と表面処理、界面の構造評価技術 オンライン
2024/5/9 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/5/10 熱分析の基礎と測定・解析技術 オンライン
2024/5/10 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/5/10 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/5/13 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/14 ポリマーアロイの基本、構造・物性および新規ポリマーアロイの材料設計の必須 & 実践知識 オンライン
2024/5/14 ブリードアウトの発生メカニズムと制御、測定法 オンライン
2024/5/14 熱可塑性エラストマー (TPE) の基礎と生分解性TPEの開発 オンライン
2024/5/15 高分子の結晶化、結晶高次構造の制御、分析解析、その応用 オンライン
2024/5/15 ヒートシールのくっつくメカニズムと不具合対策、品質評価 オンライン
2024/5/15 UV硬化樹脂における硬化不良対策と硬化状態の測定・評価 オンライン
2024/5/16 二軸押出機による混練技術とプロセス最適化 オンライン
2024/5/16 導電性カーボンブラックの使用テクニック オンライン
2024/5/16 誘電エラストマの最新技術 (基礎を含む) 及び最新応用事例について オンライン
2024/5/16 高分子材料における添加剤の基礎知識と分析法、変色の特徴と分析技術 オンライン
2024/5/17 高分子材料のトライボロジー: トライボロジーの基礎から摩耗・摩擦低減技術の手法と特徴まで オンライン
2024/5/20 廃プラスチックの最新リサイクル技術の動向 オンライン
2024/5/20 導電性高分子の基礎と最新の研究動向・応用 オンライン
2024/5/21 高分子材料のモノマー化、解重合反応とケミカルリサイクルの動向 オンライン

関連する出版物

発行年月
2017/10/31 フレキシブルOLEDの最新技術動向
2017/10/23 カーボンブラック 技術開発実態分析調査報告書
2017/10/23 カーボンブラック 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2016/5/16 カーボンナノチューブの応用技術 (2016年版) 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2016/5/16 カーボンナノチューブの応用技術 (2016年版) 技術開発実態分析調査報告書
2015/6/30 導電性フィラー、導電助剤の分散性向上、評価、応用
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法
2014/7/25 有機EL〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/7/25 有機EL〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2014/6/15 射出成形機〔2014年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/4/25 導電性接着技術 技術開発実態分析調査報告書
2013/9/2 機能性エラストマー市場の徹底分析