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生分解性プラスチックの基礎と最新技術・市場開発動向

生分解性プラスチックの基礎と最新技術・市場開発動向

~最新の法規制動向から、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向を解説~
大阪府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。

開催日

  • 2019年3月5日(火) 10時00分 16時30分

受講対象者

  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 海洋プラスチック汚染の実態・対策
  • 地球環境保全・資源循環型社会に向けての法規制動向
  • 生分解性プラスチックの基本特性
  • 様々な環境下における生分解挙動/機構
  • 生分解性プラスチックの材料設計/成形加工技術
  • 生分解性プラスチックの製品・市場開発動向

プログラム

 インスタントラーメンが発明されて60年を迎えた今日、先般の「世界ラーメンサミット」においてこれまで使い捨てプラ食品容器の象徴的存在であったラーメン容器を生分解性プラスチックに切り替えていくとの「大阪宣言」が採択された。また、環境先進地欧州のフランスでは2020年には使い捨てプラ容器の50%以上を生分解性素材に切り替えていく法令が既に制定されている。海洋プラスチック汚染問題も顕在化した今日、地球環境・資源・廃棄物問題解決の切り札、植物由来生分解性プラスチックの本格的実用化時代の到来である。
 本講では、生分解性プラスチックの基礎から応用まで、ポリ乳酸を中心とする代表的な生分解性素材の基本特性や材料設計/成形加工技術、製品/市場開発動向について、初級~中級技術者にも分かり易く解説する。これまで産学両分野で基礎研究から技術・事業開発まで、約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者による渾身のセミナーである。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題と生分解性プラスチック
    1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
      1. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの役割
      2. 鳥や魚、貝、プランクトン、そして人間の体内からマイクロプラスチック
      3. 海洋プラスチック濃度の経年変化 (累積増加) 曲線
      4. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバルな) 視点
      5. 海水中のマイクロチップは太古の昔より存在した?
      6. 生分解性プラスチックの海水中での分解挙動
        • ポリ乳酸は海水中で分解するのか、しないのか?
      7. 地球上に生命が生まれて38億年、地球はなぜ廃棄物で埋もれなかったのか?
      8. 自然界が有する真のリサイクルシステムである炭素循環へのリンク
    2. 生分解性プラスチックの識別表示と環境負荷低減効果
      1. グリーンプラ・マーク … 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度
      2. カーボン・フットプリント … LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    3. 持続的な資源循環型社会の建設のために
      1. 欧米グリーンガイド指針
      2. バイオリサイクル (再資源化) …堆肥化又はバイオガス化
      3. プラスチックのCompostable (堆肥化可能) 認証基準…
        EN13432 by OK Compost or Din Certco, ASTM D6400 by BPI
        • 生分解性プラスチックは廃棄物処理ではなくて、再資源化処理である
    4. 欧州その他の法規制動向
      1. 欧州…イタリア、ドイツ、フランス
        • 欧州ではごみ袋やレジ袋は生分解性が主流、仏は2020年に使い捨てプラ器具の50%を生分解性に切り替える法規制を制定
      2. アジア…日本、インド、台湾
  2. 生分解性プラスチックの分類と基本特性
    1. 代表的な生分解性プラスチックの分類と特徴
      1. 硬質タイプ…ポリ乳酸 (PLA)
        • 生分解性機能が求められるバイオリサイクル材と長期使用耐久性が求めれる 構造材料としての両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
      2. 軟質タイプ
      3. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT)
      4. ポリブチレンサクシネート系
        • PBS
        • PBSA
      5. その他
        • 微生物産生ポリエステル
          • PHBV
          • PHBH
        • デンプン系
    2. 生分解機構
      1. 酵素分解型…surface erosion (表面から溶かされていく)
      2. 非酵素分解型 (加水分解型) …bulk degradation (全体的に壊されていく)
        • PLAが生分解性と耐久性の両面展開が可能な理由を生分解機構から理解する
    3. 様々な環境下における生分解挙動
      1. 自然環境下
        • 土壌中
        • 海水中
      2. バイオリサイクル過程…好気性下 (堆肥化) 又は嫌気性下 (バイオガス化)
    4. 安全性/食品衛生性…食品衛生法370号ほか
  3. 生分解性プラスチックの高性能・高機能化材料設計技術の進展
    1. 基幹素材としての第二世代PLA…高L組成ポリ乳酸 (high L PLA) , %D<0.5,
      1. D体共重合比 (%D) が結晶化速度や熱的・機械的特性に及ぼす影響
      2. 高L組成ポリ乳酸の改良効果
        • 耐熱性
        • 寸法安定性
        • 強度
        • 成形加工性
    2. 高性能・高機能化材料設計技術
      1. 耐衝撃性
        • 可塑剤又は耐衝撃性改良剤
        • PLA+PBAT又はPBSブレンド体
      2. 耐熱性 (透明耐熱性)
        • 分散型核剤 (溶解型核剤)
        • 結晶化促進剤
      3. 耐久性 (耐湿熱性) …加水分解抑制剤
  4. 生分解性プラスチックの成形加工と用途・製品・市場開発動向
    1. 成形加工の物理的意味
    2. 成形加工法と成形加工性支配因子
      1. 溶融押出過程
        • 溶融粘度
        • 溶融張力⇔分子量
        • 架橋密度依存性
      2. 冷却固化過程
        • Tg又は結晶化速度⇔冷却速度
        • 変形速度依存性
      3. 室温
      4. 室温下への冷却だけでガラス化 ⇒ Tg
      5. Tg<室温の場合
        • 室温下への冷却過程で結晶化が必須 ⇒ 結晶化速度
    3. 成形加工性改良添加剤
      1. 溶融押出過程
        • 溶融粘度
        • 溶融張力調整剤
      2. 冷却固化過程
        • 結晶化促進剤
        • マルチ機能改質剤
    4. 成形加工分野
      • 繊維・不織布・モノフィラメント
      • フィルム・シート
      • 真空成形
      • 射出成形
      • 発泡成形
        • 押出発泡
        • ビーズ発泡
      • ブロー成形
    5. 用途・製品・市場開発動向
      1. 食品容器・包装材
        • 青果物容器
        • 使い捨て食器具
        • インスタントラーメン容器
        • 紙コップ
        • リターナブル食器
        • ティバッグ
        • 生ゴミ袋
        • 生ごみ水切りネット
      2. 農林・土木・園芸・水産分野
        • 農業用マルチフィルム
        • 防草・植栽シート
        • バーチカルドレインシート
        • 植樹ポット
        • シェールガス採掘目止材
        • 養殖筏浮き
      3. 生活雑貨分野
        • レジ袋
        • エコバッグ
        • タオル
        • ワイパー
        • シュリンク包装・ラベル
        • 封筒窓貼り
        • ブリスターパック
      4. 耐久性構造材料
        • 電子機器筐体・部品
        • 自動車内装材
        • ヘルメットライナー
        • 3Dプリンター用モノフィラメント
    • 質疑応答

会場

ドーンセンター

4F 中会議室1

大阪府 大阪市 中央区大手前1丁目3-49
ドーンセンターの地図

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,278円(税別) / 49,980円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 92,556円(税別) / 99,960円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 138,833円(税別) / 149,940円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

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