技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

環状ペプチドの探索法と構造・配座解析

環状ペプチドの探索法と構造・配座解析

~ライブラリーの翻訳構築 / X線結晶構造解析 / 分子間相互作用解析~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、環状ペプチドの研究者が、高い特異性・生物活性・安定性を有するペプチドを創製する方法について解説いたします。

開催日

  • 2019年1月31日(木) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部. 中分子創薬を見据えた擬天然ペプチド開発戦略

(2019年1月31日 10:00〜12:00)

 有機小分子薬剤とバイオ医薬品の両者の長所を併せ持つ次世代薬剤として、中分子医薬品開発の期待が高まっている。講演者らは、天然物を模した非タンパク質性骨格を有する人工ペプチド「擬天然ペプチド」を翻訳合成する技術を開発した。この技術を駆使することで、擬天然ペプチドの大規模ライブラリーから、高い特異性・生物活性を有する医薬品候補を迅速に発見できることも実証している。本講演では、様々な疾患原因タンパク質を阻害するペプチドの探索事例を紹介しつつ、本技術がもつポテンシャルと今後の展望について述べる。

  • 中分子創薬および擬天然ペプチドに関する背景概略
  • 試験管内改変翻訳系を用いた特殊環状ペプチドの生産技術
  • 特殊環状ペプチドライブラリーの翻訳構築と試験管内分子選択
  • 本技術を用いた生物活性擬天然ペプチドの開発事例の紹介
  • 主鎖修飾構造を有するペプチドを生産する試験管内人工生合成系の構築と展望
  • 質疑応答

第2部. 環状ペプチドと標的タンパク質の複合体の立体構造に基づく阻害機構

(2019年1月31日 12:45〜14:45)

 我々は、東大菅博士との共同研究により、標的タンパク質に強く結合する環状ペプチドをスクリーニングし、それらの複合体のX線結晶構造解析を行うことにより、環状ペプチドによる阻害機構を原子分解能レベルで解明してきた。本講演では、院内感染で有名なMRSAの多剤耐性の原因となる多剤排出トランスポーターとヒストンの脱アセチル化を触媒するSirtuinを例にとって、環状ペプチドにより機能阻害機構について解説する。

  1. 環状ペプチドのスクリーニング
  2. 多剤排出トランスポーターMATEの特異的環状ペプチドによる阻害機構
    1. MATEの結晶構造
    2. MATEのプロトン依存性薬剤排出機構
    3. MATEと特異的環状ペプチドとの複合体の結晶構造
    4. 環状ペプチドによるMATEの活性阻害機構
  3. ヒストン脱アセチル化酵素Sirtuinの特異的環状ペプチドによる阻害機構
    1. SirT2の結晶構造
    2. SirT2と特異的環状ペプチドとの複合体の結晶構造
    3. 環状ペプチドによるSirT2の活性阻害機構
    • 質疑応答

第3部. in silico による環状ペプチドの配座解析と分子間相互作用解析

(2019年1月31日 15:00〜17:00)

 環状ペプチドは、低分子・抗体に続く医薬品として期待されています。環状ペプチドをインシリコでデザインしその立体配座を予測することは、ペプチドの物理化学的特性の評価や標的タンパク質との相互作用解析、バーチャルスクリーニングなどの創薬プロセスの初期段階における探索や最適化研究を強力に支援します。本講座では統合計算化学システムMOEを用いた環状ペプチドにおける分子モデリング事例を中心に紹介します。

  1. 環状ペプチドのモデリング
    1. 天然および特殊アミノ酸を用いた環状ペプチドモデリング
    2. ペプチドライブラリーの構築
  2. 環状ペプチドの配座解析
    1. 効率的な配座解析手法の解説
    2. 環状ペプチドの配座解析
    3. モデル構造と実験構造との比較
  3. 環状ペプチドの物性推算と分子間相互作用解析
    1. 環状ペプチドの物性推算
    2. 相互作用界面における特徴づけ
    3. 標的タンパク質とのドッキングシミュレーション
    • 質疑応答

講師

  • 後藤 佑樹
    東京大学 大学院 理学系研究科 化学専攻
    准教授
  • 濡木 理
    東京大学 大学院理学系研究科 生物化学専攻
    教授
  • 池上 貴史
    株式会社モルシス ライフサイエンス部

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/26 製品品質照査の活用による製造工程、原料・資材及び製品規格の妥当性検証 オンライン
2024/4/26 GMP監査と当局査察・無通告査察対応セミナー オンライン
2024/4/26 改正GMP省令で求められているGMP文書・記録の作成・管理のポイント オンライン
2024/4/26 品質不正事案を踏まえたGMP手順書および記録書の管理体制の見直し オンライン
2024/4/26 改正GMPに対応した製品品質照査とCAPAの具体的進め方 オンライン
2024/4/26 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/4/26 ICH M7ガイドラインに則ったニトロソアミン類不純物の評価・管理に関する最新動向と当局の考え方 オンライン
2024/4/26 Excelで作成可能な医療用医薬品の販売予測のポイント オンライン
2024/4/30 医薬品・バイオ技術のライセンスと研究提携における「経済条件」 の決め方及びリスク対策 オンライン
2024/4/30 新規モダリティにおける特許の現状および特許戦略 オンライン
2024/5/1 安定性試験実施の留意事項と安定性試験結果の統計解析/安定性予測・評価方法および有効期間の設定 オンライン
2024/5/1 ラボでの電子実験ノート管理・運用における経験からわかった電子情報管理の問題点・解決とDXの進め方 オンライン
2024/5/7 GMP査察の指摘事項をふまえたQA・バリデーションの考え方と対応/回答時の留意点 オンライン
2024/5/7 医薬品開発における事業性評価・ポートフォリオ分析と意思決定手法 オンライン
2024/5/7 安全性定期報告書等の作成にむけた安全性集積データの見方・評価と文章作成のコツ オンライン
2024/5/7 非GLP試験の書面調査と過剰に陥らない効率的な信頼性確保の基準 オンライン
2024/5/8 化学プロセスのコスト削減 オンライン
2024/5/8 リアルワールドデータ (RWD) を活用するための薬剤疫学基礎セミナー オンライン
2024/5/8 中東主要国の薬事規制比較と現地対応手法 オンライン
2024/5/8 核酸医薬品の特許戦略 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策
2022/6/17 経験/査察指摘/根拠文献・規制から導く洗浄・洗浄バリデーション:判断基準と実務ノウハウ (追補版)
2022/3/31 疾患原因遺伝子・タンパク質の解析技術と創薬/診断技術への応用
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善 (書籍 + ebook版)
2021/11/26 改正GMP省令で要求される「医薬品品質システム」と継続的改善
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点)
2021/10/28 改正GMP省令をふまえた国内/海外ベンダー・サプライヤGMP監査 (管理) 手法と事例考察 (聞き取り・観察・着眼点) (製本版 + ebook版)
2021/10/11 抗ウイルス薬 (CD-ROM版)
2021/10/11 抗ウイルス薬