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自己修復材料の復元メカニズム、材料設計と高寿命化技術

自己修復材料の復元メカニズム、材料設計と高寿命化技術

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、自己修復材料について基礎から解説し、耐候性、意匠性を維持しつつ修復性能を向上させる手法をコーティング、フィルム、複合材料への応用事例とともに解説いたします。

開催日

  • 2018年7月26日(木) 10時30分16時30分

受講対象者

  • 自己修復材料の応用製品に関連する技術者
    • 自動車ボディ
    • 自動車塗料
    • ノートパソコンの筐体
    • 地下構造物
    • ゴミ処分施設
    • 排気ガス触媒
    • 宇宙開発
    • 戦闘機など国防関連 など

プログラム

第1部 表面コーティングの自己修復技術応用の現状と今後の展開

(2018年7月26日 10:30〜12:10)

 自己修復表面コーティングは自己修復材料の商品化の先駆けとなったが、そのメカニズムは誰でも知っている簡便なものである。消費者の真のニーズを汲み取ったこと、長期の機能保持のための改良を重ねたことによる。自己修復機能は先端分野だけでなく、生活環境を快適にする技術、材料であることが広く認識されるようになり、新たな自己修復機能がいろいろな分野で発現されるようになっている。
 各種のニーズに応えられるようになり、自己修復だけでなく、自己クリーニングなども併せ持つようになりつつある。しかし、商品化されるのは、消費者の真のニーズに応え、使用環境に耐えるものであろう。
 表面コーティングという消費者に直接触れる素材の自己修復の原理、現状、今後の展開について概説し、多様な分野の製品の性能向上、信頼性や寿命の向上、トラブル回避、付加価値向上を担っている受講者に資する講座としたい。

  1. 表面コーティングの自己修復化の現状
    1. 自己修復材料研究へのニーズ、着手、流れ
    2. 世界・わが国における研究開発と市場化の現状
  2. 表面コーティングの擦り傷の自己修復のメカニズムと車体コーティング等への応用
    1. 擦り傷の自己修復メカニズム
    2. ポリウレタンコーティングの特性・自己修復
    3. 液晶画面等への活用
  3. 表面コーティングの切り傷の自己修復メカニズムと車体コーティングへの応用
    1. 切り傷の自己修復メカニズム
    2. ポリウレタンへの機能付加・カプセル分散等
    3. 防錆効果
  4. 自己修復・自己クリーニング・自己補給機能をもつ表面コーティング
    1. 低表面エネルギーのフッ素系潤滑液
    2. 潤滑液の表面の被覆と染み出し
    3. フッ素の架橋
  5. 透明高分子コーティングやスマートウインドウへの応用等、今後の展開
    1. 下地の保護
    2. コーティングがもつ各種の機能の自己修復
    • 質疑応答

第2部 光反応による自己修復性有機無機ハイブリッド材料の開発

(2018年7月26日 13:00〜14:40)

 有機無機ハイブリッドの特性を生かした光硬化による自己修復性コーティングについて、紹介します。新素材とプロセスの両面から自己修復機能を講義したいと思います。

  1. 有機無機ハイブリッドについて
  2. シルセスキオキサンの合成と応用
  3. 光架橋反応による有機無機ハイブリッドの合成と応用
  4. 自己修復性コーティングに求められる特性と現状
  5. チオール – エン反応によるフレキシブルハイブリッドコーティングの作製
  6. 3元系自己修復性ハイブリッドコーティングの作製
  7. 自己修復性ハイブリッドコーティングの特性と発現機構
    • 質疑応答

第3部 ホスト – ゲスト相互作用による自己修復材料の開発

(2018年7月26日 14:50〜16:30)

 近年、自己修復材料に多大の関心が寄せられている。演者らはシクロデキストリンを材料にして、ホスト – ゲスト相互作用を利用して、様々な超分子材料の開発に取り組んでいる。その中で、高分子鎖にシクロデキストリンとゲストを組み込むことにより、高靭性な高分子マテリアルを得ることが出来た。さらに高分子材料はホスト – ゲスト相互作用に基づく自己修復性を示すことが明らかになった。
 本講演では、ホスト – ゲスト相互作用による自己修復材料の構築だけでなく、高靭性材料の構築や形状記憶材料の構築、さらには刺激応答性材料の構築や人工筋肉の作成など、さらなる応用について述べる。

  1. シクロデキストリンの包接作用
  2. シクロデキストリンによるポリマーのとりこみ
  3. ポリロタキサンの合成
  4. シクロデキストリンによる高分子側鎖の認識
  5. ホストポリマーとゲストポリマーによるネットワークポリマーの作成
  6. ホスト – ゲスト相互作用による自己修復ゲルの形成
  7. ホスト – ゲスト相互作用による強靭性高分子材料の構築
  8. ホストゲルとゲストゲルによる分子認識の可視化
  9. ホストゲルとゲストゲルによる刺激応答性材料の構築
  10. ホスト – ゲスト相互作用による光応答性伸縮材料 (人工筋肉) の合成
  11. ホスト – ゲスト相互作用による形状記憶 材料の構築
  12. ホスト – ゲスト相互作用による無溶媒高靭性、自己修復材料の構築
    • 質疑応答

講師

  • 新谷 紀雄
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 先端材料プロセスユニット 一次元ナノ材料グループ
    リサーチアドバイザー
  • 松川 公洋
    京都工芸繊維大学 新素材イノベーションラボ
    特任教授
  • 原田 明
    大阪大学 産業科学研究所
    特任教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
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