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硫化物系固体電解質の作製技術とイオン伝導性向上

硫化物系固体電解質の作製技術とイオン伝導性向上

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高いイオン伝導率を示す電解質の最新開発状況と、実用化への課題を解説いたします。

開催日

  • 2018年4月27日(金) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 硫化物系固体電解質の開発状況と性能向上

(2018年4月27日 10:00〜11:30)

 ポストリチウムイオン電池の開発が求められる中、全固体型のリチウム電池の実現が期待されている。全固体リチウム電池は安全性、エネルギー密度に優れるデバイスとして位置付けられているが、その性能は固体電解質に強く依存する。本講座では、固体電解質材料の分類や、開発状況について説明した上で、特に高いイオン導電率を示す、Li10GeP2S12系電解質の開発状況および電池への適用例について紹介する。Li10GeP2S12系電解質を用いた全固体リチウム電池の性能や課題について、最新の動向を踏まえて講義する。

  1. 全固体リチウム電池
    1. 固体電池の特徴
    2. 全固体リチウム電池の現状
  2. リチウム系固体電解質
    1. 固体電解質の分類
      1. 酸化物系材料
      2. 硫化物系材料
      3. その他の材料
    2. リチウム系固体電解質の課題
  3. Li12GeP2S12系固体電解質
    1. LGPS電解質の特徴
    2. LGPS電解質の開発状況
    3. LGPS電解質の分類
  4. LGPS系電解質の適用事例
    1. 硫黄活物質を用いた電池
    2. 高出力型の全固体電池
  5. 総括
    • 質疑応答

第2部 全固体電池用高容量負極材料の開発動向と応用技術

(2018年4月27日 12:10〜13:40)

 本講演ではリチウム電池の負極材料の現状について触れた後、現在知られている高容量負極材料と課題について触れます。電池の全固体化の必要性について議論した後、全固体リチウム電池における、高容量負極の充放電特性について、最近得られた結果をいくつか発表いたします。全固体電池においてSi負極は、非常に速いレート特性有していることがわかっております。また薄膜電極では充放電サイクル劣化が少なく、全固体電池においても高容量負極が十分に動作可能であることが示唆されております。更にSiへの酸素ドープによるレート・サイクル特性の向上についても併せて講演いたします。

  1. リチウム電池用の高容量負極材料
    1. 負極材料の現状と課題
    2. Siをはじめとする高容量負極の充放電機構
    3. 充放電に伴う体積変化
  2. 体積変化抑制に向けた負極材料開発
    1. 多孔質化、ナノコンポジット構造
    2. 酸化物・窒化物の固相マトリックス導入
  3. 全固体リチウム電池におけるSi薄膜の負極特性
    1. 放電レート特性
    2. 膜厚による充放電サイクル特性の変化
    3. 充放電後の電極組織の変化
  4. SiOx薄膜の作製と全固体電池における負極特性
    1. 高周波スパッタにより作製したSiOxの微細構造
    2. 充放電レート特性
    3. 充放電サイクル特性、膜厚依存性
    • 質疑応答

第3部 ミリング法による硫化物固体電解質の合成と電池特性

(2018年4月27日 13:50〜15:20)

 硫化物固体電解質を用いた全固体電池は、既存の電解液系リチウムイオン二次電池に比べて安全性が高まるものとして主に車載用として期待されている。当所においては、基礎検討としてまず多くの種類の“柔らかい”固体電解質を産業界に提供できるよう、ミリング法を用いて合成を行っている。
 講演ではその開発状況をご報告するとともに、なぜ柔らかい固体電解質が必要なのかを説明させて頂きます。

  1. はじめに
  2. 硫化物全固体電池の特徴 (期待と現実)
  3. 硫化物固体電解質開発の考え方
  4. 得られた各種固体電解質材料の特徴と固体電池特性
  5. 今後の展開
    • 質疑応答

第4部 放射光X線回折を用いた硫化物ガラスの構造解析

(2018年4月27日 15:30〜17:00)

 放射光X線回折を用いた硫化物ガラスの構造解析について紹介いたします。特に、二体分布関数 (Pair distribution function, PDF) 解析に焦点を当てて講演いたします。さらに、現在SPring-8で開発を進めている時分割PDF解析の現状と、その開発により観測できるようになった硫化物ガラスの結晶化過程における構造変化について紹介する。

  1. 硫化物ガラスの回折実験を基にした構造解析について
    1. 全散乱測定原理
    2. 大型放射光施設SPring-8 BL04B2, BL08Wにおける測定
  2. 二体分布関数 (PDF) 解析による硫化物ガラス構造解析
    1. X線と中性子回折の相違
    2. 実空間解析の種類と配位数の評価
    3. 短・中距離秩序の評価、ナノスケール構造評価
    4. 差分PDF解析法を用いた混合 (ガラスと結晶) 材料の分離解析
  3. SPring-8におけるPDF解析の進展
    1. 2次元検出器を用いた時分割PDF解析
    2. 時分割PDF解析による硫化物ガラスの熱処理挙動解析
    • 質疑応答

講師

  • 鈴木 耕太
    東京工業大学 物質理工学院 応用化学系
    助教
  • 宮崎 怜雄奈
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 物理工学専攻
    助教
  • 田渕 光春
    国立研究開発法人産業技術総合研究所 電池技術研究部門 電池システム研究グループ
    主任研究員
  • 尾原 幸治
    公益財団法人 高輝度光科学研究センター 利用研究促進部門
    研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
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本セミナーは終了いたしました。

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