技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

インシリコによる化学物質の毒性評価

インシリコによる化学物質の毒性評価

~毒性予測の精度、信頼性を高めるには / 予測モデル構築、システム適用のポイント~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年6月28日(水) 10時00分 17時00分

修得知識

  • インシリコによる毒性評価手法の基本
  • 毒性評価システム適用上での留意点
  • インシリコ上で化合物を扱う基礎
  • 化学構造から毒性を予測する際に重要な注意点と近年の毒性予測の動向
  • 化学物質管理で用いられる主なin silico評価手法と国内外における行政的活用の動向

プログラム

第1部 インシリコによる毒性評価の進め方と注意点

(2017年6月28日 10:00〜11:30)

 インシリコによる毒性評価の果たす役割が日々重要性を増している。規制当局もインシリコによる毒性評価を積極的に取り入れようとしている。また、毒性評価に適用される技術も多様性を増し、様々な研究分野の知識が必要となっている。
 インシリコによる毒性予測とはどんなものであるか。システムを用いた毒性評価実施において常に留意すべき点。毒性評価システムの毒性評価を最高のパフォーマンスで実施するにはシステムの特徴薬理活性仕組みを良く知り、さらに化合物の特徴や毒性の特性等を理解しつつ実施することが重要である。
 本講演では、インシリコによる毒性評価において、通常は議論となりにくい様々な留意点についてまとめてみる。

  1. インシリコによる毒性評価とは
    1. インシリコによる毒性評価の基本となる三大要素
      1. インシリコ (コンピュータ)
      2. 化合物
      3. 毒性
    2. インシリコによる毒性評価の二大手法
      1. 化学多変量解析/パターン認識 (ケモメトリックス)
      2. 人工知能
    3. 二大手法の融合を実現する「機械学習」
      • 化学多変量解析/パターン認識 ⇔ 機械学習 ⇔ 人工知能
  2. 三大要素間の連携技術
    1. コンピュータと構造式の連携
    2. 毒性データの扱い
  3. 毒性評価支援システムを構成する基本機能
    1. インシリコ (コンピュータ) 関連
    2. 化合物関連
    3. 毒性関連 (毒性データの品質問題)
  4. 化合物をインシリコで扱う時に生起する様々な問題点と限界
    1. 一元一項対応問題
    2. 異性体の扱い
    3. 立体情報の扱い
      • 2次元/3次元/4次元
  5. 毒性評価支援システムの基本的アルゴリズムに基づく特徴や差異に基づく留意点
    1. 化合物表現の違い
    2. 毒性評価の精度と信頼性
      • 解析手法、人工知能の差異
    3. 化合物の種類
      • 一般化合物
      • ポリマー
      • 有機金属/錯体
  6. 毒性メカニズム解明を目指したAOP (AdverseOrientedPathway) とインシリコの関係
    1. AOPとは
    2. AOP実施上でのインシリコとの関係 (EUでの定義)
  7. 規制当局が提供するインシリコによる毒性評価に関する研究支援システム
    1. HESS;KATE (日本)
    2. QSARToolbox (EU)
    3. ECOSAR (USA)
    • 質疑応答

第2部 化学構造の機械学習に基づく毒性予測

(2017年6月28日 12:10〜13:40)

 化学品・医薬品の化学構造から機械学習法によって毒性予測を達成するまでの流れを具体的に解説するとともに毒性予測に関する最新の知見を紹介する。

  1. 定量的構造毒性相関
    1. 定量的構造活性相関と定量的構造毒性相関
    2. 予測モデル構築における注意点
  2. 機械学習
    1. ランダムフォレスト
    2. サポートベクターマシン
    3. ニューラルネットワーク
    4. ディープラーニング
  3. 有害性発現経路
    1. 有害性発現経路 (AOP) とは
    2. 毒性学の大規模プロジェクトUS – Tox21
    3. Tox21の目標とAOP
    4. AOPのウルトラハイスループットスクリーニング
    5. 大規模化合物ライブラリー
    6. PubChemによるTox21 – AOP関連活性データの活用法
  4. 毒性予測コンペティションにおける機械学習
    1. 機械学習モデルの構築の実際
    2. 化学構造記述子計算
    3. 化学構造記述子の質と量
    4. 機械学習法の選択
  5. 副作用データベースと毒性
    1. PMDAJADER
    2. FDAFAERS
    3. 副作用と毒性
    • 質疑応答

第3部 QSARを活用した化学物質の毒性予測

(2017年6月28日 13:50〜15:20)

  1. 化学品管理に関する世界的な動向
  2. (Q) SARとは?
  3. グルーピングアプローチ/Read – acrossとは?
    • 質疑応答

第4部 化学物質管理におけるin silico 評価手法の活用

(2017年6月28日 15:30〜17:00)

 化学物質管理にin silico評価手法が求められる背景、主なin silico評価手法の概要並びに利点と課題、国内外におけるin silico評価手法の行政的な活用場面と新しい動向について解説する。

  1. 化学物質管理にin silico評価手法が必要とされる背景
  2. 化学物質管理で用いられる主なin silico評価手法
    1. (Q) SAR ( (定量的) 構造活性相関)
    2. Read – across (類推)
    3. TTC (毒性学的懸念の閾値)
  3. 毒性データベースとin silicoツール
    1. ToxRef DB
    2. COSMOS DB
    3. HESS (有害性評価支援システム統合プラットフォーム)
    4. OECD QSAR Toolbox
    5. 市販の毒性データベース・in silicoツール
  4. 日本国内におけるin silico評価手法の行政的活用へ向けた状況
    1. 化審法におけるin silico評価手法の活用
    2. 食品安全分野における取り組み
    3. 医薬品中に含まれる遺伝毒性不純物
  5. 海外におけるin silico評価手法の活用状況
    1. ECHA (欧州化学品庁)
    2. US EPA (米国環境保護庁)
    3. EFSA (欧州食品安全機関)
    4. US FDA (米国食品医薬品局)
    • 質疑応答

講師

  • 湯田 浩太郎
    株式会社 インシリコデータ
    取締役社長
  • 植沢 芳広
    明治薬科大学 臨床薬剤学研究室
    教授
  • 林 多恵
    一般社団法人 化学物質評価研究機構 安全性評価技術研究所 評価事業部
    主任
  • 山田 隆志
    国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 安全性予測評価部
    室長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/18 医薬品マーケティング・市場予測 オンライン
2025/2/18 CTD形式でのマスターファイル (MF) 関連の資料作成・試験データの纏め方と変更登録申請の留意点 オンライン
2025/2/18 PV・MA・マーケティング部門における医療情報データ (RWD) 活用の実践 オンライン
2025/2/18 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2025/2/19 医薬品工場建設におけるURS作成時の留意点およびトラブル防止・バリデーションのポイント オンライン
2025/2/19 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発 オンライン
2025/2/20 非臨床試験: 各治験段階における規格とバリデーション実施の具体的ポイント オンライン
2025/2/20 人工知能技術:MTシステム 超入門 オンライン
2025/2/20 PMDA審査官から高評価が得られる非臨床領域のメディカルライティング オンライン
2025/2/20 滅菌バリデーションの具体的な計画書・記録書・報告書の作成セミナー (医薬品) オンライン
2025/2/20 マイクロバイオームの実用化にむけた課題と現状 オンライン
2025/2/21 ヒューマンエラー防止に必要なSOPの書き方の工夫と文書管理 東京都 会場・オンライン
2025/2/21 製造/ラボにおける監査証跡の具体的な運用方法・管理と効率的なレビュー手順・頻度 (どこまですべきか) ・記録の残し方 オンライン
2025/2/21 非臨床試験 (基礎研究、信頼性基準試験) における電子データ完全性確保・電子ノート使用とクラウド利用でのデータ管理 オンライン
2025/2/21 GMPにおける (製造・試験) 外部委託業者管理・監査の留意点とチェック項目 オンライン
2025/2/21 Computer Software Assuranceセミナー オンライン
2025/2/25 PMDAから高評価が得られるメディカルライティング中級講座 オンライン
2025/2/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2025/2/26 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2025/2/26 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Cコース:製造技術・品質管理/品質審査編) オンライン

関連する出版物

発行年月
2012/2/14 LIMS導入に関する導入の留意点セミナー
2012/2/9 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応のための「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2012/1/20 24年度診療報酬改定におけるDPC評価の全貌
2011/12/22 光学活性医薬品開発とキラルプロセス化学技術
2011/12/14 QCラボにおける厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応セミナー
2011/12/10 製薬大手5社 技術開発実態分析調査報告書
2011/11/7 eCTD申請 「-ここまで身近になったeCTD申請-」
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点