抗体医薬・バイオシミラー製造における大量培養方法の確立と低コスト化
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2016年9月15日(木) 10時30分
~
16時00分
プログラム
第1部. 抗体医薬高品質生産にむけた原薬不均一性評価技術
(2016年9月15日 10:30〜12:00)
一般にバイオ医薬品は、生体による生合成過程を生産に利用していることから、分子構造上、不均一なものが産生される可能性が本質的に存在する。医薬品開発において、このような不均一性の存在は好ましいことではないが、バイオ医薬品では不可避の事象として看過されている現状がある。この遠因に、翻訳後修飾、凝集化、立体構造変化に由来する原薬の分子レベルの不均一性を迅速高感度に評価する適切な分析技術が存在しないことがある。
一方、バイオ医薬品の有効性や安全性に及ぼす有効成分の分子不均一性の影響について、生じた凝集体や非天然型糖鎖等に起因する副作用惹起などの一定のリスクが潜在することが報告され始めている。
本講演では、バイオ医薬品の品質管理試験の全体像を概説したうえ、抗体医薬品の原薬不均一性評価技術の研究開発の状況を紹介する。
- バイオ医薬品の品質試験
- 品質分析の目的、原則
- 品質分析のガイドライン
- バイオ医薬品を構成する成分
- 申請前の分析と申請後の分析
- 品質分析項目別各論
- 品質管理からみた化学合成医薬品との違い
- バイオシミラーとジェネリック
- 分子不均一性
- バイオシミラーの申請
- バイオ医薬品の品質分析の課題
- FDAの指摘
- 翻訳後修飾、凝集化、立体構造変化
- 研究開発の現状
- 標準物質開発
- 開発可能性アセスメント
- メルクのケーススタディ
- ロンザのケーススタディ
- 次世代バイオ医薬品製造技術研究組合の取り組み
第2部. 効率的な製造プロセスの構築と大量培養技術
(2016年9月15日 12:40〜)
バイオ医薬品製造で主に使用されている、細胞培養、微生物培養について、大量培養法の違い、共通点を考えながら、効率的な製造とは何かを論じたい。
- 大量培養とは
- 大量培養を意識したプロセス構築の進め方
- 大量培養プロセス構築のポイントは?効率的とは?
⇒製造品目、使用細胞、スケール、プロセス の違いによってどう違うのか?
- 大量培養における生産コスト構成
- 償却費?ユーティリティーコスト?原料コスト?人件費?
- 培養槽の種類と特徴
- 通気攪拌槽、気泡塔、シングルユース培養槽/メリット、デメリット
- 培養槽の構築のための技術各論
- スケールアップ、無菌化、自動化、GMP/バリデーション、クリーンルーム
第3部. バイオシミラー開発における培養・設備の検討
(2016年9月15日 〜16:00)
バイオシミラーは、特に製造コストが重要視され、上記の培養工程に加えて精製工程の効率化が重要である。ここでも微生物、細胞培養に関して特にコストを重視した設備検討のポイントを議論したい。
- バイオシミラーの現状
- バイオシミラー開発上のポイント
- コスト構成 / 償却費 (培養?精製?) ?ユーティリティーコスト? 原料コスト?人件費?
⇒スケール、微生物と細胞培養での違い
- 設備構成と課題
- 回分培養、フィード培養、パフュージョン培養
- ステンレス中心の設備、シングルユース中心の設備
- 精製工程の連続化
- ウイルス対策 ⇒ 培地、中間製品、最終製品
講師
本田 真也 氏
産業技術総合研究所
生命工学領域
バイオメディカル研究部門
副研究部門長
菅谷 和夫 氏
株式会社IHIプラントエンジニアリング
医薬・ファインケミカル事業部
顧問
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