無人航空機は軍事利用を中心に発展してきた技術であるが、近年、いわゆるドローンと呼ばれる民生・商用向けの利用を目指した動きが活発化しており、近い将来に一般社会に広く実装されることが期待されている。しかしながら、ドローンへの期待が先行するのとは裏腹に無人航空機の技術的な実像と課題、またその利用における様々な課題 (空の交通ルール等) に関しては、航空分野以外ではあまり知られていないのが現状である。
　本講演では無人航空機の歴史からその体系を整理し、空の交通ルール等の中で如何に社会実装が進んでいくかに関して、最新の研究開発の動向を紹介する。また、特に注目を浴びている”マルチコプタ”形式のドローンに関して、飛行原理と要素技術、技術動向を解説する。

1. 無人航空機 (ドローン) の歴史
   1. 世界の無人航空機の歴史
   2. 日本における無人航空機の歴史
2. 無人航空機のカテゴリ (航空法の観点から)
   1. 空の交通ルール:空域・航空交通管制
   2. 日本における無人航空機の法的分類
   3. 世界の動向
3. 管制空域内を飛行する無人航空機と技術課題
   1. 常続的インフラとしての無人航空機
   2. 有人航空機と同等な運用の実現に向けた取り組み
4. 管制空域外 (低高度) を飛行する無人航空機と技術課題
   1. 小型無人航空機
   2. (いわゆる) ドローンの普及
   3. 交通整理の必要性
5. 無人航空機のカテゴリ (飛行形式の観点から)
   1. 高高度滞空型無人航空機
   2. 中高度滞空型無人航空機
   3. 小型無人航空機
6. マルチコプタの技術
   1. 飛行原理
   2. 要素技術と飛行性能
7. 先進的な研究事例紹介
   1. 先進的な機体形式
   2. 屋内環境下における無人航空機の飛行技術
   3. 複数機の連携によるミッション
• 質疑応答・名刺交換