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塗布膜の乾燥メカニズムと高品質化およびトラブル対策

塗布膜の乾燥メカニズムと高品質化およびトラブル対策

~製造から開発現場まで~
東京都 開催 会場 開催 個別相談付き

概要

本セミナーでは、塗布乾燥の基礎から解説し、乾燥ムラなどの塗布乾燥におけるトラブルの原因と対策、未然防止策について豊富な実例を交えて詳解いたします。

開催日

  • 2016年4月15日(金) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • コーティングに関連する技術者、品質担当者
    • 各種民生品
    • 樹脂製品
    • 自動車・車両
    • 電極
    • 化粧品 など
  • 表面処理に関わる技術者、品質担当者
    • 塗装
    • メッキ
    • 蒸着 など

修得知識

  • 塗工液から乾燥までの一連のコーティングプロセス
  • トラブルの原因と対策、未然防止策
    • 乾燥ムラ
    • クラック
  • 膜質の最適化
  • 塗膜の品質保証
  • 個別相談を通してトラブル相談

プログラム

 近年、コーティング膜の塗布・乾燥プロセスは、処理能力の高さ、低コスト性などの観点から、主要な製造技術として用いられている。プロセスの高品化および高速化は、生産効率の向上やコスト削減には不可欠な課題である。本講座では、表面エネルギー等の塗布乾燥の概念を明確にするとともに、プロセスの本質を理解することで高品位化・高速化を考察することを目的とし、乾燥ムラなどの現場での塗布乾燥におけるトラブルを解決する能力を養う。また、研究開発・トラブルフォローや品質保証といった実務上での取り組み方について、豊富な実例を交えて解説します。また、セミナーで紹介するデータの多くは講師の研究室で取得したものであり、データの取得方法や解析ノウハウを含めて紹介する。
 本講座を通じて、初心者にも分かりやすく、基礎から学んでいただけます。また、受講者が抱えている日々のトラブル相談にも個別に応じます。

  1. 塗布膜形成の基礎 (塗工液から膜形成まで)
    1. 塗工液から塗布膜へ
      • 液体から固体 (膜) への変化
      • 混合と溶解
      • 粘性
      • 表面張力
      • 動的挙動
    2. 塗布膜の乾燥
      • 膜の品質決定
      • 濃度差拡散
      • ラプラス力
      • 蒸気圧
      • 凝集単位
  2. 各種コーティングの原理とコントロール (現象と装置機構)
    1. ロールコーティングの基礎
      • 正回転
      • 逆回転
    2. ダイ・コンマ・マイクログラビアコーティング
    3. スピン、スリット、ディップ、スプレー、インクジェット、ナノ粒子ペースト
    4. ソルダーペースト、光造形
      • 3Dプリンタ
  3. 塗工液の濡れ制御 (濡れの不確定要素を見極める)
    1. 表面エネルギーと濡れ性
      • Herringの式
    2. Youngの式により濡れ現象を理解する
      • 濡れから塗布へ
    3. 表面エネルギーの使い方
      • エネルギーで塗布現象を表す
    4. 接触角を理解する
      • 動的濡れ性
      • 拭き取り
    5. ウェットプロセスの評価手法をマスターする
      • 拡張係数S
      • 洗浄
      • 気泡除去
    6. パターン配置による濡れ
      • ピンニング効果を抑える
    7. 基板材質の差による濡れ
      • Cassieの式を使いこなす
    8. 基板の凹凸による濡れ
      • Wenzelの式を使いこなす
    9. 時間変化による濡れ
      • 初期濡れを決定する
    10. 表面処理と濡れ性
      • 疎水化と親水化処理
  4. 塗膜の乾燥メカニズムと高品質化 (乾燥のツボを抑える)
    1. 濃度差拡散
      • 塗膜内の溶剤移動を支配する
    2. 蒸気圧
      • 乾燥を促進する環境設定
    3. ラプラス力制御
      • 塗膜の凝集性の発現
    4. 乾燥装置の最適化の要因
      • 乾燥速度
      • 乾燥限界とは
    5. 加熱乾燥、赤外線乾燥
      • 比熱
      • 熱容量
      • 熱伝導
    6. 減圧乾燥による膜質改善
      • 膜内応力の緩和
    7. 凍結乾燥
      • 微粉末の作製方法
    8. 超臨界乾燥
      • 微細構造の乾燥方法
    9. スピン乾燥の膜質制御
      • ナノクラスの膜内均一性
  5. トラブル対策 (要因分析から対策まで)
    1. ピンホールの抑制方法
      • 濡れ不良
      • 拡張濡れ法
    2. 表面硬化層の形成過程
      • 塗膜内の硬化分布
    3. 乾燥ムラの発生メカニズム
      • マランゴニ対流
      • 自発拡張法
    4. 膜剥離の防止法
      • ポップアップ・ガス発生
    5. 膜クラックの抑制
      • 応力ミスマッチ
      • 応力吸収
    6. 膜クレイズの発生メカニズム
      • 環境応力亀裂
      • 溶液との接触
    7. フラクタル粘性指状 (VF) 変形とは
      • 接着剤、界面付着性の劣化
    8. ウォーターマーク・乾燥痕の形成
      • 対流とピンニング効果
    9. フィルム剥離機構と残渣発生
      • 自己応力発生機構
    10. アンダーフィル
      • ギャップ内充填技術
    11. スクリーン印刷膜の剥離不良
      • 活性化処理
    12. 燃料電池MEA膜の耐久性構造
      • 膜膨潤対策
  6. コーティングプロセスの管理計測方法
    1. 光散乱法によるフィルムエッジ検出
      • 膜剥離残り対策
    2. 光弾性散乱法による膜内応力集中解析
      • ポラリスコープ
    3. 光干渉法による薄膜の膨潤浸透評価
      • 屈折率分散
    4. フィルム表面の帯電制御と評価
      • 帯電メータ
      • ゼータ電位
    5. 膜厚および表面粗さ測定
      • 表面粗さ計
      • 光学測定
      • エリプソメータ
    6. 膜構造解析
      • X線回折
      • XPS
      • FT-IR
      • X線CTなど
    7. 薄膜の付着性測定
      • スクラッチング法
      • 引張り試験法
      • DPAT法
    8. 膜応力および凝集力測定
      • ひずみゲージ
      • インデント法
      • 屈折率法
  7. 塗膜の品質保証 (劣化、加速試験、寿命評価)
    1. 膜の劣化要因と活性化エネルギー
    2. 不良率
      • バスタブ曲線
    3. データの統計的管理法
      • 標準偏差
      • 相関係数
      • 判定
    4. 塗膜の品質保証
      • ワイブル分布
      • 加速試験
      • 寿命評価
  8. 質疑応答
    • 日頃の疑問・トラブル・解析・技術開発相談に応じます

講師

  • 河合 晃
    長岡技術科学大学
    名誉教授

会場

東宝土地 株式会社 高橋ビルヂング
東京都 千代田区 神田神保町3-2
東宝土地 株式会社 高橋ビルヂングの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,111円 (税別) / 49,800円 (税込)
複数名
: 36,111円 (税別) / 39,000円 (税込)

案内登録割引・複数名同時申込割引

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  • STbook会員登録を希望する方
    2名様まで 43,796円(税別) / 47,300円(税込) で受講いただけます。
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 43,796円(税別) / 47,300円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 43,796円(税別) / 47,300円(税込)
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,111円(税別) / 49,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 46,111円(税別) / 49,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 82,222円(税別) / 88,800円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

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