懸濁重合法により付加価値の高いポリマー粒子および各種複合粒子が調製され、多くの分野で応用されている。懸濁重合法は確立された操作方法であるが、複合粒子調製においては、粒径制御やスケールアップなどの解決すべき基礎的な課題が存在している。
　そこで、本セミナーにおいては、懸濁重合操作における基礎的事項として、粒径制御およびスケールアップについて解説するとともに、複合粒子調製への応用に関する最近の実施例についても解説する。

1. 懸濁重合の基礎
   1. 重合反応系のモデル図
   2. 重合反応速度式
   3. 分散安定剤種
      • 高分子安定剤種
      • 高分子安定剤の安定化機構
      • 固体微粉末種
      • 固体粉末安定剤の安定化機構
2. 粒径制御の考え方
   1. 液液分散系の調製法
      • 攪拌操作による調製
      • 特殊な装置による調製
      • 固体膜乳化法
      • マイクロチャネル法
      • その他 (高圧ホモジナイザー、振動ノズル法等)
   2. 反応槽内における液滴の分散挙動
      • 槽内循環挙動
      • 液滴の合一と分裂挙動
      • 液滴の合一速度式と分裂速度式
      • 合一と分裂の操作条件への依存性
   3. ハード的制御 (反応装置による粒径制御)
      • 攪拌速度による制御
      • 攪拌翼設置法による制御
      • 循環挙動に着目した制御
      • 反応槽の形状による制御
   4. ソフト的制御 (安定剤の添加法)
      • 添加法による制御
      • 連続相の粘度調整による制御
3. 平均粒径と操作条件との相関式
   1. 文献における実験式
      • 分裂支配下の液液分散系
      • 合一支配下の液液分散系
      • 高ホールドアップ下の液液分散系
   2. 分裂支配下における液滴と操作条件との理論式
      • 界面張力支配下
      • 粘性力支配下
      • 界面張力と粘性力の合力支配下
   3. 狭窄間における生成液滴と操作条件との相関式
      • 界面張力支配下
      • 粘性力支配下
      • 界面張力と粘性力の合力支配下
4. 懸濁重合の実施例
   1. スチレンの懸濁重合における粒径制御
   2. スチレンの懸濁重合における固体粉末の安定化効果
   3. ループ型反応器によるスチレンの懸濁重合
   4. スチレンの懸濁重合における気泡巻込みの影響
5. 懸濁重合の複合粒子調製への応用
   1. 潜熱蓄熱剤含有複合粒子の調製
   2. マイクロカプセル型トナーの調製
   3. 固体粉末被覆型複合粒子
   4. 水溶液含有複合粒子調製
   5. 多孔性ポリマー粒子調製
   6. 逆相懸濁重合によるパターン化された銀粒子被覆粒子の調製
   7. その他 (文献紹介)
• 質疑応用・名刺交換