第1部 有機EL・次世代照明の変遷とパテントから見る有機EL

(2013年6月13日 10:30〜12:00)

知財コンサルタント&アナリスト 菅田 正夫 氏 [元 キヤノン (株) ]

　有機ELディスプレイでは、中小型が製品に搭載され、大型化をめざした技術開発が進められています。一方、有機EL照明では、白色照明が製品化され、本格的な普及をめざした改良が進められています。そこで、本講演では、知的財産情報 (パテント、デザインパテントなど) に基づき、有機EL・次世代照明の事業開発に取り組む企業の技術開発動向を詳細に解説します。併せて、企画に役立つ、パテント情報のマクロ的な見方にも触れます。

1. パテントから眺める照明の歴史
   1. 電球から蛍光灯へ、そしてLED・有機ELへ
   2. LED照明と有機EL照明
2. 有機EL照明事業のビジネスモデルはスマイルカーブ
   1. 材料供給事業のキーは材料特性
   2. 照明器具事業のキーはデザインとブランド
3. パテント情報から見た、有機EL照明事業
   1. 出願件数は、事業化意欲の指標 (技術開発段階までも示唆)
   2. 共同発明者関係から、技術開発体制が分かる
4. パテント情報から見た、日本の有機EL照明への取り組み
   1. 有機EL材料 ～発光特性向上
   2. 有機ELパネル ～照明光源としての最適層構成
   3. 有機EL照明機器 ～長寿命化と光取り出し効率向上
5. パテント情報から見た、諸外国の有機EL照明への取り組み
   1. 韓国の取り組み ～いよいよLGケムが動き出す
   2. 中国・台湾の取り組み ～日本へのパテント出願も既にある
   3. 欧州の取り組み ～欧州研究機関とも組む、二大照明企業 (フィリップス、オスラム)
   4. 米国の取り組み ～三大照明企業のGEだけではない (クアルコムまでが動き出す?)
6. パテント情報から見た、次世代照明技術
• 質疑応答・名刺交換

第2部 世界の有機EL照明産業と開発動向、今後の市場予測

(2013年6月13日 13:00〜14:30)

分析工房 (株) シニアパートナー Ph.D. 服部 寿 氏

　有機ELは小型ディスプレーでの実用化のほか、白色照明としても発光効率が蛍光灯に近づきつつあるなど、今後の市場拡大への期待が高まっています。本講演では、今後わが国がイニシャチブをとっていくための情報として、世界の開発動向のほか、アプリケーションも含めた最新の市場動向を詳細に解説します。

1. 有機EL照明のアプリケーションと課題
   1. 照明パネルの構造と製造方法
   2. LEDや他の照明と比較した特長とアプリケーション
   3. 性能目標と価格の予測
   4. 今後の課題
2. 有機EL照明と製造装置・材料の世界の市場規模予測
   1. 照明機器全体の市場規模
   2. 有機EL照明機器の市場規模
   3. 有機EL照明製造装置の課題と市場規模
   4. 有機EL照明材料の課題と市場規模
3. 世界での環境と安全への取り組み
   1. LEDに比較した有機EL照明の安全面の優位性
   2. LED照明の健康面でのリスク
4. 米国・欧州・アジアでの次世代照明の開発振興策
   1. 米国エネルギー省の開発振興政策
   2. EUの開発振興政策
   3. 欧州各国政府の開発振興政策
   4. 日本とアジア諸国政府の開発振興政策
5. 次世代照明の標準化と市場拡大策
6. 市販されている製品の性能と課題
7. 米国・欧州・アジアの企業と開発・製造動向
• 質疑応答・名刺交換

第3部 高品質照明用 有機ELデバイスの技術課題と将来展望

(2013年6月13日 14:45〜16:15)

パナソニック (株) エコソリューションズ社 技術本部 R&D企画室 技監 Ph.D (工学博士) 菰田 卓哉 氏

　次世代照明光源のひとつである白色有機ELデバイスが昨年あたりから立ち上がってきた。さまざまな会社やデザイン会社が参入を果たし、2013年のライティングフェアでは有機EL元年を髣髴とさせる展示が相次いだ。この照明用有機ELデバイス技術の現状と展望について詳説する。

1. 次世代照明と有機EL ～照明を取り巻く環境と要求特性の変化～
   1. 次世代照明に期待されるもの
   2. 世界の照明を取り巻く環境
   3. 日本の照明を取り巻く環境の変化
   4. 光源の進化の歴史
   5. 照明に求められる光源の持つべき性能
   6. 照明用有機ELに期待されるもの
   7. 有機ELとLEDのすみわけ
2. 高効率高品質化に向けた照明デバイス技術と課題
   1. 有機EL技術の開発の歴史
   2. 照明用有機ELに適したデバイス構造
   3. 高品質照明の持つべき特性
      1. パネルの色安定性
      2. 角度依存性
      3. 色温度
   4. 高品質照明を実現する技術
   5. 有機ELの高効率のための技術課題
      1. 光取り出し技術
      2. デバイス構造
      3. その他の高効率化技法
   6. 高品質高効率有機ELの性能
   7. 有機ELの寿命特性
3. 有機ELの製造方法
   1. 塗布技術
   2. 蒸着技術
   3. 封止技術
4. 有機ELの導入事例
5. 今後のロードマップ
• 質疑応答・名刺交換