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イオン液体の物性と用途展開動向

イオン液体の物性と用途展開動向

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2012年11月2日(金) 10時00分 16時20分

受講対象者

  • イオン液体の応用製品に関連する技術者
    • 半導体
    • 薄膜
    • 太陽電池
    • リチウムイオン電池
    • 二次電池
    • 燃料電池 など

プログラム

第1部 イオン液体の物性と合成技術

(2012年11月2日 10:00~11:20)

 イオン液体が登場して20年が経った。その間、イオン液体に関する報告数が年を追うごとに飛躍的に増加しただけでなく、活躍分野もイオニクスデバイスからバイオサイエンスと多岐にわたることが特徴として挙げられる。これには、イオン液体が有機分子で構成され、目的に合致した分子構造をデザインできる点が大きく貢献している。
 本講演では、一般的なイオン液体の歴史、合成方法、基礎物性、電気化学特性について紹介し、現在知られているイオン液体に共通する特徴を述べる。

  1. イオン液体とは
    1. 歴史と定義
    2. 合成方法
      1. アニオン交換法
      2. 酸エステル法
      3. 錯イオン化法
      4. 中和法
  2. 物理化学特性
    1. 融点、ガラス転移温度
    2. フラジリティ
    3. 極性評価
    4. イオン拡散係数
  3. 電気化学特性
    1. 電位窓
    2. イオン伝導度
    3. イオン輸率
  4. イオン性と物理化学的性質の関係
  5. 総括
  • 質疑応答

第2部 イオン液体の電気化学デバイス電解質への適用

(2012年11月2日 11:30~12:50)

 水や有機溶媒を全く含まない液体であるイオン液体は電気化学デバイスにとっては夢であった不揮発性電解液として注目されるようになって以来、その電解液特性についてかなり検討されてきました。本講座では特にリチウム二次電池を中心にイオン液体が有機溶媒電解液との相違点が浮き彫りとなるように種々の報告を紹介したいと思います。
 また、今後の展望として、イオン液体に端を発するユニークな液体電解液であるアルカリ金属低温溶融塩、またユニークな固体電解質の可能性を秘める有機イオン性柔粘性結晶のようなゼロソルベント系物質群について紹介したいと思います。

  1. イオン液体の物性とイオン構造の相関性
    1. 融点
    2. 粘度とイオン伝導度
    3. 電位窓
  2. リチウム二次電池への適用例
    1. 正極
    2. 負極
    3. レート特性とイオン構造の相関性
  3. 熱安定性評価
    1. イオン液体
    2. リチウム塩
    3. 電池材料共存下での熱安定性試験
  4. その他のゼロソルベント系電解液 (質)
    1. アルカリ金属中低音溶融塩
    2. 有機イオン性プラスチッククリスタル
    • 質疑応答

第3部 新しい潤滑剤としてのイオン液体の特徴とその応用

(2012年11月2日 13:30~14:50)

 蒸気圧がほとんどなく、高温でも安定なイオン液体は、これまでにない新しい潤滑剤として、高真空中や高温環境といったこれまで液体による潤滑が困難であった摺動システムをはじめとして、その応用に期待が寄せられている。潤滑剤として見た場合のイオン液体の特徴を述べるとともに、これまでに明らかとなったいくつかの問題点、またその解決方法などについて紹介することにより、トライボシステムへのイオン液体の展開の可能性について述べる。

  1. 潤滑剤に必要とされる性質
    1. 潤滑の基礎
    2. 潤滑油としてのイオン液体の特徴
  2. イオン液体の潤滑性
    1. 潤滑メカニズムと腐食の問題
    2. フッ素系イオン液体
    3. ハロゲンフリーイオン液体
    4. 摺動材料との組み合わせ
  3. イオン液体が拓く新しいトライボシステム
    1. 高真空
    2. 高温環境
    3. そのほか
  • 質疑応答

第4部 イオン液体を用いた分離精製技術 ~二酸化炭素の分離回収を中心に ~

(2012年11月2日 15:00~16:20)

 イオン液体は揮発性が低く、難燃性で、電気伝導性に優れ、幅広い温度で液体状態をとり、カチオンやアニオンの分子構造やそれらの組合せで物質の溶解性など様々な性質を制御可能である。それらの従来の溶媒に無い特徴を活かして、イオン液体を分離・精製の媒体として利用した研究が盛んに進められている。
 本講演では、イオン液体と種々の物質との間に働く相互作用の重要性や多様性について言及し、二酸化炭素など酸性ガスの分離回収を中心に、イオン液体を媒体として用いた分離精製技術について解説する。

  1. イオン液体とは
    1. イオン液体の種類
    2. イオン液体の特徴
  2. イオン液体を用いた分離精製技術の概要
    1. 液液抽出
    2. クロマトグラフィー
    3. キャピラリー電気泳動
    4. 共沸蒸留
    5. 超臨界CO2抽出
  3. イオン液体を用いたガス分離技術の概要
    1. ガス分離精製技術の分類
    2. イオン液体のガス物理吸収特性
      1. イオン液体+CO2系の相挙動と体積挙動
      2. 種々のイオン液体のCO2溶解度
      3. CO2以外のガス種の溶解度
    3. イオン液体のガス化学吸収特性
      1. CO2と化学反応する部位を有したイオン液体
      2. その他の例
    4. イオン液体を用いたガス分離プロセスの例
      1. 高圧物理吸収法
      2. 化学吸収法
      3. 真空スイング法
      4. 膜分離法
  4. その他の応用用途
  5. おわりに
  • 質疑応答

講師

  • 藤田 正博
    上智大学 理工学部 物質生命理工学科
    教授
  • 松本 一
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 電池技術研究部門 エネルギー材料研究グループ
    主任研究員
  • 牧野 貴至
    (独)産業技術総合研究所 コンパクト化学システム研究センター
    主任研究員

会場

東京都立産業貿易センター 浜松町館

中3F 第6会議室

東京都 港区 海岸1-7-8
東京都立産業貿易センター 浜松町館の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 42,667円 (税別) / 44,800円 (税込)
複数名
: 35,667円 (税別) / 37,450円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
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本セミナーは終了いたしました。

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