技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子結晶化のメカニズムと制御

高分子結晶化のメカニズムと制御

大阪府 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、高次構造制御や結晶化速度制御を行うために、高分子結晶化のメカニズム、セルフ・ニュークリエーションを用いた新たな制御方法について分かりやすく解説いたします。

開催日

  • 2012年6月11日(月) 12時30分 16時30分

受講対象者

  • 高分子結晶に関連する技術者
    • 機構部品 (歯車・軸受)
    • 電気製品全般の筐体
    • 携帯機器
    • エンジニアリングプラスチック
    • スーパーエンジニアリング・プラスチック など

修得知識

  • 高分子結晶の基礎
  • 高分子結晶化のメカニズム
  • セルフ・ニュークリエーションを用いた新たな制御方法

プログラム

 高強度、高弾性率プラスチック材料は多くの場合、結晶性高分子であるのでそのようなプラスチックを作製するにおいては高分子の結晶に対する理解は必要不可欠である。
 「水が凍る」と高分子が結晶化するは基本的には同じなのであるが、高分子の結晶化は水の場合と異なり、単純には理解できないことが多い。高分子結晶化のメカニズムを正しく理解することは、その高次構造制御や結晶化速度制御を行うために必要である。
 本講ではまず階層構造 (ヒエラルキー) をもつ高分子の結晶について概観する。そして理解するために必要なパラメーター (融点他) について議論したあと、核形成、球晶成長とその組み合わせによる結晶化について議論する。またその時現れるキャビテーションの成型加工に対する影響をみる。そして高分子の結晶化のメカニズムを調べるさまざまな測定方法について議論した後、最後にセルフ・ニュークリエーションを用いた新たな制御方法について提案する。またこれらの技術を用いた高分子の結晶化メカニズムに対する基本的な考え方について述べる。
 講演の最後に高分子の結晶化のメカニズムと制御についての質問を受け付ける。

  1. 結晶性高分子
    1. 結晶とは?
      1. 結晶の定義
      2. 高分子の結晶
    2. 結晶性高分子の持つ階層構造 (ヒエラルキー)
      1. 高分子の一次構造と結晶化
      2. ナノオーダーの構造 (結晶格子)
      3. サブミクロンオーダーの構造 (ラメラ結晶、長周期)
      4. ミクロンオーダーの構造 (フィブリル、球晶)
      5. より大きな構造 (球晶の集合体、繊維、シシカバブ)
    3. 結晶を観察するのに必要な概念
      1. X線、光との相互作用
      2. 散乱法と顕微鏡法 (逆空間と実空間)
      3. 結晶の形 (結晶格子)
  2. 高分子の結晶を理解するのに重要なパラメータ
    1. 融点
    2. ガラス転移点
    3. 結晶成長速度
    4. 結晶化度
    5. 長周期・ラメラ厚
    6. モルフォロジー
    7. 配向度
  3. 高分子の結晶化過程のメカニズム (核形成と結晶成長)
    1. 核形成
      1. 一次核と二次核
      2. 核剤
    2. 球晶成長
      1. 球晶の構造
      2. 球晶の成長 (成長速度)
      3. 軸晶 (アクシャライト)
      4. トランスクリスタル
    3. 結晶化 (核形成と球晶成長の2ステップ)
      1. 核形成 (一次核形成) と球晶成長
      2. Avrami指数による解析
      3. 温度による変化
      4. 伸長場、せん断流動場による変化
    4. キャビテーション
      1. キャビテーションとは何か
      2. キャビテーションはなぜ起こるのか
      3. キャビテーションはどう結晶化に影響するのか
  4. 高分子の結晶化の測定方法と解析方法
    1. 光の透過度 (結晶化度)
    2. 広角X線回折 (結晶化度)
    3. 小角X線回折 (長周期、ラメラ厚、相関関数)
    4. 光散乱 (大きさと相関関数)
    5. 熱分析 (結晶化度)
    6. 顕微鏡観察 (モルフォロジー)
  5. 高分子の結晶化の制御への提案 (主にセルフ・ニュークリエーションを用いて)
    1. セルフ・ニュークリエーションとは
      1. セルフ・ニュークリエーション① (セルフシーディング)
      2. セルフ・ニュークリエーション② (部分融解再結晶化)
      3. セルフ・ニュークリエーション③ (新しい現象)
    2. 伸長場、せん断流動場の印加
    3. 材料改質のために
      1. 結晶成長メカニズムの制御のために
      2. さらに求める材料を開発するために
  6. 高分子の結晶化のメカニズムと制御に関する議論 (質疑応答を中心に)
    • 質疑応答・名刺交換・個別相談

会場

大阪市立中央会館

2F 第5会議室

大阪府 大阪市 中央区島之内2丁目12-31
大阪市立中央会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,600円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき47,250円 (税込)
    • 2名同時にお申し込みいただいた場合、2名で49,980円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/30 高分子材料の構造・物性とラマン・赤外分光法による評価 オンライン
2024/5/30 炭素繊維強化プラスチック (CFRP) オンライン
2024/5/30 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2024/5/31 電動化 (EV駆動等) モータと回路基板の高電圧化・高周波化・熱対策に向けた、樹脂材料開発と絶縁品質評価技術 オンライン
2024/5/31 樹脂のレオロジー特性の考え方、成形加工時における流動解析の進め方 オンライン
2024/5/31 Tダイ成形機の基礎とフィルム成形トラブル対策 東京都 会場
2024/5/31 二酸化炭素 (CO2) 、二硫化炭素 (CS2) を原料とする高分子材料の合成技術と応用 オンライン
2024/5/31 溶融紡糸の基礎と工業生産技術及び生産管理の実践 オンライン
2024/6/4 バイオマスプラスチック/生分解性プラスチックの開発動向と海洋分解を含めた将来展望 大阪府 会場・オンライン
2024/6/4 摩擦振動と異音の発生メカニズムと抑制・対処方法 オンライン
2024/6/5 UV硬化とEB硬化の基礎と技術比較および応用技術 オンライン
2024/6/5 マテリアルズ・プロセスインフォマティクスの基礎とポリマー材料設計への応用 オンライン
2024/6/5 チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法 オンライン
2024/6/6 ゴムの架橋と特性解析・制御 オンライン
2024/6/6 エポキシ樹脂の実用の基礎知識とフィルム化 & 接着性の付与技術とその応用 オンライン
2024/6/7 二軸押出機における樹脂流動解析の基礎と AI/IoT 活用展開 大阪府 会場
2024/6/10 プラスチックフィルムにおける各樹脂特性、添加剤・成形加工技術および試験・評価方法 オンライン
2024/6/10 基礎から学ぶ「人工皮革・合成皮革」入門セミナー オンライン
2024/6/11 機械加工技術 オンライン
2024/6/11 分子シミュレーションの基礎と高分子材料の研究・開発の効率化への展開 オンライン