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地中熱を利用した空調・給湯システム技術動向と参入の要点

地中熱を利用した空調・給湯システム技術動向と参入の要点

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、地中熱を利用した空調・給湯システムの基礎から解説し、掘削、機器の設計、地中熱を取り巻く市場・政策動向について詳解いたします。

開催日

  • 2011年7月26日(火) 11時00分 16時00分

受講対象者

  • 地中熱の利用に関連する技術者
    • 空調システム
    • 給湯システム など
  • 地中熱利用のための掘削に関連する技術者

修得知識

  • 地中熱利用冷暖房・給湯システムの現状と参入余地
  • 地中熱利用における適地評価
  • 地中熱利用における採熱可能量の予測手法
  • 地中熱利用システムの開発/設計
  • 地中熱利用システムの低コスト化のアプローチ

プログラム

第1部 地中熱利用冷暖房・給湯システムの現状と参入余地 (11:00~12:30)

 東日本大震災とそれに伴う原発事故を受けて、我が国のエネルギー政策の見直しが始まっています。
 再生可能な自然エネルギーがこれからの日本のエネルギーを担う1つの柱として注目を集めていますが、地中熱は日本中どこでも安定的に利用できる自然エネルギーです。
 地中熱は昨年改訂されたエネルギー基本計画に初めて取り上げられましたが、まだ国民の皆様に十分認知されている状況ではありません。
 環境性に優れた自然エネルギーである地中熱を、活用していただけるよう、地中熱利用冷暖房・給湯システムの現状と参入余地について説明させて頂きます。

  1. 地中熱とは?!
  2. 地中熱の利用形態
  3. 地中熱ヒートポンプシステムの分類
  4. 地中熱ヒートポンプは、省エネルギー
  5. 地中熱の普及状況
  6. 地中熱のポテンシャル
  7. 可能性の広がる様々な利用方法
  8. オフィスでの節減・ヒートアイランド対策
  9. 農業での節電・省エネ対策
  10. 助成事業の活用
    • 質疑応答

第2部 地中熱利用における適地評価と採熱可能量の予測手法 (13:10~14:30)

 省エネルギー技術のひとつである地中熱利用システムは、比較的浅部 (深度50~100 m 程度) の地中に賦存している熱エネルギーを冷暖房や融雪等に利用する技術である。
 従来の地中熱利用システムの研究では、システムの技術開発や影響評価に重点が置かれており、立地条件の評価や検討手法に関する研究例は少ない。日本における地中熱利用システムの普及を考えた場合、掘削費等の導入コストを下げ、システム効率の向上が重要であり、そのためには地域毎の地中熱利用システムに関わる地下情報をまとめる必要がある。
 本セミナーでは、現地調査、三次元地下水流動・熱輸送解析、地理情報システム (GIS) 、熱交換井モデルを用いた地中熱利用における適地評価と採熱可能量の予測手法について述べる。

  1. 地下水流動と地下温度構造
    1. 地下水流動理論
    2. 地下水流動と地下温度構造の関係
  2. 地中熱交換器
    1. 熱交換の方式と熱交換器の種類
    2. 掘削工法
  3. 現地調査
    1. 水文調査
    2. 地下温度測定
    3. データ分析
  4. 広域地下水流動-熱移流シミュレーション
    1. 領域の決め方
    2. 境界条件
    3. 内挿検定
  5. 地理情報システムを用いた地中熱利用適地マップ
    1. 作成手順
    2. 主題図の作成
    3. 適地マップの作成
  6. 熱交換井モデルを用いた採熱可能量の予測
    1. 熱交換井モデルと作成手順
    2. 熱交換量に影響を及ぼすパラメータ
    3. 地中熱利用適地マップとの比較
  7. まとめ
    • 質疑応答

第3部 地中熱利用システムの計画・設計・施工方法の実際と導入効果の分析方法 (14:40~16:00)

 エネルギー消費量やCO2の大幅削減のためには、機器の効率向上だけは限界があり、熱源サイドにおいて再生可能エネルギー利用への転換を図らなければなりません。最も現実的で効果が高いのは高効率ヒートポンプと蓄熱の導入であると言えます。
 地中熱は、欧米では既に再生可能エネルギーと認知されており、蓄熱利用に加え、熱源としての安定性や利用場所の普遍性からドイツ以北の欧州や北米ではヒートポンプの熱源として利用が大きく進んでいます。
 我が国では導入件数は未だ数百のオーダーですが、2009年8月に施行されたエネルギー供給構造高度化法の施行令において太陽光や風力と並び、ヒートポンプが利用する空気熱、地中熱、水熱 (海水熱や河川水熱など) が、初めて法令により再生可能エネルギー源として定義され、これを契機として、国としても地中熱利用の導入・普及拡大に支援策を講じてきています。
 本講演では、まず地中熱利用システムついて概説した後、地中熱ヒートポンプシステムの計画・設計・施工方法の実際について解説します。特に、計画・設計で必要となる重要なパラメーターの一つであるTRT (熱応答試験) の実施方法と解析方法、評価方法についても丁寧に説明します。
 また、実際の現場作業で必要となる施工のポイントや省力化・省コスト化についても紹介します。
 最後に、省エネルギー性と環境性の評価方法と各種導入支援制度について解説した後、演者がコミッショニングに参画している地中熱利用システムについて、エネルギー計測方法の実際からはじまり実測データの収集、省エネルギー性と環境性など導入効果の結果などを紹介します。

  1. 地中熱利用システムの分類と特徴
    1. 地中熱利用システムとは?
    2. 地下蓄熱システムの分類と特徴
    3. 地中熱ヒートポンプシステムの分類と特徴
  2. 地中熱ヒートポンプシステムの計画・設計・施工方法の実際
    1. 地中熱ヒートポンプシステムの計画手法
    2. 地中熱ヒートポンプシステムの設計の実際と手順
    3. TRT (熱応答試験) 方法と計測データの実施方法と評価方法
    4. 施工方法と省力化・省コスト化の工夫
    5. 省エネルギー性と環境性の評価方法
    6. ライフ・サイクル・コストの分析と各種導入支援制度
    7. GSHP導入事例と導入効果の分析方法
  3. CO2削減、電力ピークカット、ヒートアイランド対策などへの貢献と普及促進の必要性
    • 質疑応答

講師

  • 高杉 真司
    地中熱利用促進協会 副理事長
  • 内田 洋平
    独立行政法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地下水研究グループ
    主任研究員
  • 長野 克則
    北海道大学大学院 工学研究院 空間性能システム部門
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5階 第3講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

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