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熱電発電技術の研究動向

用途・利用温度域別

熱電発電技術の研究動向

~微小な熱、100度~300度、300度~500度、500度以上、利用温度域とそれに対応する主用途ごとに解説~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、熱電発電の基礎から解説し、低温熱電発電、高温熱電発電の最新技術と研究開発動向、自動車廃熱回生の事例について詳解いたします。

開催日

  • 2011年5月30日(月) 10時00分 17時40分

受講対象者

  • 熱電発電に関連する技術者
  • エネルギーに関連する技術者

修得知識

  • 熱電発電技術の基礎
  • 熱電発電の市場動向
  • 熱電発電の普及拡大に向けた課題
  • マイクロ熱電発電素子・モジュールの研究動向
  • 自動車廃熱回生の事例と展望
  • 高温産業排熱回収

プログラム

第1部 熱電発電技術・市場動向と普及拡大に向けた課題 (10:00~11:30)

 近年の化石エネルギ―資源の価格高騰と不安定性の増大並びに地球温暖化に係わる環境問題の緊急性により、更なるエネルギー高度利用の推進と創エネルギー技術の確立の必要性が高まっている。
 幸い、1990年代後半から急激に進展してきた熱電材料の技術革新により、「ニュー熱電」ともいうべき熱電材料技術が進展し、エネルギーシステムやユビキタスエネルギー社会に活用できる可能性を見通せるようになってきた。
 これは、材料基礎科学の飛躍的な深化とナノテクノロジーの活用をベースにして、熱電では宿命的ともいえる複雑多元系材料を手中におさめることを可能にしてきた。その中の幾つかの材料ブレークスルー技術が工業的技術にまで成熟してきていると現時点をとらえることができる。
 講演においては、熱電発電技術の基礎及び開発動向の現状を明らかにすると共に、未だ一般社会・経済活動において本格的実用展開のなされていない、まさに萌芽期にある熱電発電産業の潜在的市場性を検討し、熱電が真に社会に役立つ技術として普及拡大していくための今後の課題について、コスト低減および市場形成発展シナリオなどを通じて展望する。

  1. 熱電発電技術の原理
  2. 発電システムの基本構成とそれぞれの基幹技術
  3. 熱電発電素子の性能、特にエネルギー変換効率の現状と限界
  4. 工業的視点からの熱電発電のエネルギー指標からの評価
  5. 熱電発電モジュール技術と現状動向
  6. 熱電発電システム技術と課題
  7. 熱電発電の実用化のための開発の変遷
  8. 熱電市場の考え方と社会への普及シナリオ
  9. 普及拡大への課題と将来展望
  10. むすび
  • 質疑応答

第2部 僅かな熱を電力へと変えるマイクロ熱電発電素子/モジュールの研究動向 (12:10~13:25)

  • 利用対象温度域 : 微小な熱
  • 用途 : エネルギーハーベスティング

 近年、環境発電 (エネルギーハーベスティング) のキーワードで微量の電気エネルギを利用して、電子デバイスを作動させる技術が盛んになってきている。熱電素子は機械的な可動部なく発電するため微細化に適しており、我々研究室では薄膜技術を用いて熱電発電によるマイクロジェネレーターを開発してきた。
 本講演では、開発してきた熱電マイクロジェネレーターを紹介するとともに、近年の熱電マイクロジェネレーターの研究動向について紹介する。

  1. 熱電発電
    1. 熱電発電の基礎
    2. 熱電変換の研究動向
  2. 熱電薄膜
    1. 薄膜生成法
    2. 熱電薄膜の熱電特性
    3. 薄膜モジュール
  3. マイクロジェネレーター
    1. マイクロジェネレーターの作製手法
    2. マイクロジェネレーターの熱電性能
    3. 設計について
  4. マイクロジェネレーター研究動向
    1. ICT2010 マイクロシステムのセッション より
    2. その他
  5. まとめ
  • 質疑応答

第3部 産業廃熱利用に向けた熱電発電素子/モジュールの開発 (13:30~14:45)

  • 利用対象温度域 : 100度~300度
  • 用途 : 産業排熱

 現在、熱電モジュールの市場は、そのほとんどが冷却および温度調整用である。発電用途としては、宇宙船用などインフラのない場所での電源用途であり、エネルギー回収を目的としたものはなかった。
 熱電発電は廃熱エネルギーを回収し使いやすい電気エネルギーへ変換できる技術であるが、実用化が遅れている理由は効率の低さにあった。しかし、近年熱電変換モジュールの特性が大幅に向上しており、地球温暖化対策に対する関心の高まりから、熱電発電の可能性も浮上している。
 本講演では、熱電発電の基礎から、コマツの熱電発電モジュール開発の概要とその応用例、特に産業廃熱利用の可能性について紹介する。

  1. 熱電モジュールの市場について
  2. 熱電発電材料について
  3. 熱電発電モジュールについて
  4. 世界最高効率の熱電発電モジュールの開発
  5. 熱電発電モジュールの性能評価
  6. 熱電発電システムの例
  7. 熱電発電システムの経済性
  • 質疑応答

第4部 高温廃熱回収への熱電技術の応用 (15:00~16:15)

  • 利用対象温度域 : 500度以上
  • 用途 : 産業廃熱など

 原発事故を踏まえ、色々な発電技術による電力構築が検討され始めている中、熱電発電技術も産業界からその応用が期待されています。 特に燃焼炉、工業炉、船舶エンジンなどからは、多くの未利用エネルギーが廃熱として排出され、高温廃熱利用への期待が高まっています。
 本セミナーでは、高温廃熱回収を目指した熱電技術の開発とその応用の現状と将来を述べます。

  1. 高温熱電材料及びモジュールの特性
    1. 材料特性
    2. モジュール特性
  2. 高温廃熱回収に期待されている熱電技術の現状と課題
    1. マーケットのニーズ
    2. 課題
  3. 課題解決に向けた取り組み
    1. 高温廃熱回収システム
    2. カスケードシステム
    3. 実証例
  4. 将来の展望
  5. まとめ
  • 質疑応答

第5部 欧州で動き出した環境低負荷型熱電発電素子開発と 自動車搭載への本気度、そして固体素子型太陽熱発電 (16:25~17:40)

  • 利用対象温度域 : 300度~500度
  • 用途 : 自動車廃熱など
  1. 排熱発電による来るべき排出量取引対策
    1. 他の熱利用発電技術と熱電変換技術の比較・特徴、すみ分け
    2. 排熱発電の原理と排熱発電素子の従来構造
    3. 排熱発電用途材料の特徴と有害化危惧・環境低負荷性
    4. 新材料・新構造によるブレークスルーの進捗状況
  2. 排熱発電および太陽熱発電システムへの要素技術
    1. シリサイド系素材の特徴、および熱電変換素子の特性
    2. 産業廃棄物シリコンを原料としたシリサイド熱電変換素子
    3. 新型シリサイド系排熱発電モジュールの概要
  3. 海外で本格化する環境低負荷型熱電発電材料・素子開発
    1. 欧州の最新動向と現状
    2. アメリカの最新動向と現状
    3. 日本の現状と排熱発電コンソーシアムの設立
  • 質疑応答

講師

  • 梶川 武信
    湘南工科大学
    名誉教授
  • 宮崎 康次
    九州大学 大学院 工学研究院 機械工学部門
    教授
  • 八馬 弘邦
    株式会社 KELK 素子事業部
    部長
  • 藤田 和博
    株式会社 TESニューエナジー
    代表取締役
  • 飯田 努
    東京理科大学 基礎工学部 材料工学科
    教授

会場

連合会館

4階 401会議室

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 52,500円 (税込)
複数名
: 43,000円 (税別) / 45,150円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

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