着色を目的とした顔料の分散から光学的特性に用いる微細粒子、その電気的特性を引き出すための電極関連での分散など、粒子の分散安定化は、コーティング・インキ・電池・フィルム等の分野での基本技術の一つである。
　ここでは、分散安定化のメカニズムを説明した上で、実際の分散剤について、その構造と機能・適性について紹介する。また、異なる粒子やバインダー系での分散剤の選定についても触れる。

1. 粒子安定化メカニズム
   1. 静電気的反発による安定化
   2. 立体障害による安定化
2. 湿潤分散剤のケミストリー
   1. 開発の歴史と背景
   2. 湿潤分散剤の構造要素
   3. 構造制御された湿潤分散剤
   4. 粒子表面と吸着基の適性
   5. バインダーと相溶性鎖
   6. ランダムポリマーに対するコントロール重合タイプの優位性
3. 制御された凝集構造と沈降の防止
4. 溶剤系・UV系での湿潤分散剤の選定
   1. 有機顔料の例
   2. 金属酸化物の例
   3. カーボン系粒子の例
5. 水系での湿潤分散剤の選択
   1. 有機顔料、金属酸化物、カーボン系粒子の分散安定化
   2. pHの影響
• 質疑応答・名刺交換