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リチウムイオン電池製造の勘どころ

リチウムイオン電池製造の勘どころ

~スラリー調整から塗布・乾燥プロセスまで~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の製造について基礎から解説し、スラリー調整・塗布・乾燥プロセスまでを4名の専門家が徹底解説いたします。

開催日

  • 2011年4月26日(火) 10時30分 16時50分

受講対象者

  • リチウムイオン電池に関連する技術者

修得知識

  • リチウムイオン電池製造の基礎とポイント
    • バインダーの選定
    • 分散技術
    • 電極スラリーの調整と最適化
    • 塗布・乾燥
    • 電極動作・評価

プログラム

第1部 リチウムイオン電池製造におけるバインダーの選定と分散技術 (10:30~11:50)

日本ゼオン(株) 機能性材料事業部 エナジー材料販売部長 脇坂 康尋 氏

 近年、リチウムイオン電池が自動車用途、産業用途などに適用拡大されるにあたり、バインダーが電池特性に与える影響、バインダーの使用方法などが注目されてきている。バインダーの使用量は電池構成部材としては、僅かに数%に過ぎないが、電池特性に対して様々な影響を与える。
 本講演では、リチウムイオン二次電池用バインダーの重要な機能、および設計上の留意点、各種バインダーの特徴など解説。その中で、重要な分散制御技術の基礎的な考え方を実演と共に説明する。

  1. リチウムイオン電池におけるバインダーの機能と役割
    • プロセス面における機能
    • 電池特性における機能
  2. 分散の基本技術とバインダーの設計
    • 分散の基礎理論
    • バインダー設計による分散制御
  3. 正極用バインダーの種類と特徴
    • 溶剤系バインダー
    • 水系バインダー
  4. 負極用バインダーの種類と特徴
    • 溶剤系バインダー
    • 水系バインダー
  5. バインダーの電気化学的特性と設計
  • 質疑応答

第2部 リチウムイオン電池製造における電極スラリーの調整と最適化 (12:30~13:50)

名古屋大学 大学院 工学研究科 物質制御工学専攻 助教 工学博士 森 隆昌 氏

 スラリー中の粒子集合状態評価技術について解説します。それぞれの評価法の評価原理について実際の測定例を交えて説明します。リチウムイオン電池電極用のスラリー調製で特に問題となる多成分のスラリーにおいて、いかに粒子集合状態を評価するか、そしてその評価結果がどのように極板微細構造に影響を及ぼすのかを解説します。

  1. 粒子集合状態評価技術の基礎
    1. 重力、遠心沈降による評価
    2. 液圧測定法による評価
    3. スラリー評価の落とし穴
  2. リチウムイオン電池正極材スラリー評価への応用
    1. 活物質粒子の集合状態評価
    2. 導電材粒子の集合状態評価
    3. 多成分粒子スラリーの評価
  3. スラリー評価結果からの電極微構造の予測
    1. スラリー評価から予想される電極微構造
    2. スラリー評価結果と電極特性の関係
  4. まとめ
    • 質疑応答

第3部 リチウムイオン電池製造における塗布・乾燥と電極動作 (14:00~15:15)

山形大学 大学院 理工学研究科 准教授 立花 和宏 氏

 リチウムイオン電池の用途拡大に伴い、その電極製造技術について再検討されている。
 リチウムイオン電池の電極動作原理と、種々の構成材料の機能を概説すると共に、塗布乾燥に伴う要素技術が電池性能にどのように関わるかを解説する。

  1. リチウムイオン二次電池の電極構造とその動作
    1. 電池の基本とその原理
    2. リチウム電池電極内部の電気の流れ
    3. 活物質、集電体、導電助材、電解液の役割
    4. 内部抵抗とサイクル特性
    5. 電池材料粉体特性と電極性能の関係
  2. 電極スラリーの調整と評価
    1. 活物質表面への溶媒吸着とスラリー中での分散性能
    2. 炭素導電助材への溶媒吸着とスラリー中での分散性能
    3. 交流インピーダンス法によるスラリー分散状態の解析
    4. 交流インピーダンス法によるスラリー乾燥過程の導電ネットワーク解析
    5. XRDによるスラリー乾燥過程における導電助材の状態解析
  3. 塗布・乾燥後の電極性能
    1. 粉体材料へのバインダー被覆と電池性能
    2. 材料混合の順序とバインダーの選択と電池性能
    3. 集電体へのバインダー関与と電池性能
    4. 粉体材料と集電体界面の密着性と内部抵抗。
    5. バインダーや分散剤が内部抵抗やサイクル特性に及ぼす影響。
  • 質疑応答

第4部 電極膜の乾燥・硬化と電極膜の“ぬれ“、電解液の浸透性 (15:30~16:50)

(株)エー・アンド・デイ 営業本部 販売促進部 担当部長 田中 丈之 氏

 活物質、結着剤、溶剤、他で構成する液体材料は集電材にしっかり付着する必要がある。そのためには集電材がよく濡れることが重要だ。
 本セミナーでは、液体材料をしっかりと集電材に付着させ、乾燥・硬化させていく中で、どのような過程が電極として最適なのか、また電極膜に電解液がどのような過程で浸透するのか、浸透過程に起こる欠陥などを示すとともに、乾燥・硬化プロセスにおける物性とその評価技術について解説する。

  1. 電極膜の構造と機能
    1. 電極膜材料の物性
    2. 膜形成方法と特徴、問題点
    3. 溶剤の蒸発挙動と硬化挙動
  2. 電極膜の形成
    1. 乾燥・硬化膜の構造
    2. 最低乾燥・硬化条件の試験法
  3. 電解液のぬれ、浸透性
    1. 膜中の液体の浸透性
    2. 電池における浸透の問題点
    3. 集電材に立ちするぬれ性
    • 質疑応答

講師

  • 脇坂 康尋
    日本ゼオン(株) エナジー材料事業推進部
    部門長
  • 森 隆昌
    法政大学 生命科学部 環境応用科学科
    教授
  • 立花 和宏
    山形大学 大学院 理工学研究科
    准教授

会場

東京流通センター

2F 第5会議室

東京都 大田区 平和島6-1-1
東京流通センターの地図

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
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本セミナーは終了いたしました。

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