技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

抗体生産技術開発におけるコンフォメーション変化への対応と凝集体・会合体を防ぐ方法

会合・凝集を効果的に防ぐための

抗体生産技術開発におけるコンフォメーション変化への対応と凝集体・会合体を防ぐ方法

東京都 開催 会場 開催

タンパク質溶液の安定化へ「pH、塩、糖、界面活性剤」の効果とは!

開催日

  • 2011年3月30日(水) 10時30分16時25分

受講対象者

  • 医薬品の製剤に関連する技術者

修得知識

  • タンパク質製剤の会合・凝集体のメカニズム
  • 会合体・凝集体の検出方法・防止法
  • 超遠心分析による会合体の分析
  • 抗体医薬品のコンフォメーション変化の問題点とその対応

プログラム

第1部 タンパク質製剤の会合・凝集体のメカニズムと検出方法・防ぐ方法 (10:30~12:10)

 抗体医薬などのタンパク質製剤における凝集体の発生メカニズムおよび凝集体の性質を解説する。
 次に、凝集体評価のために用いられる複数の解析法について特徴と関係を説明する。
 会合や凝集を効果的に防ぐために用いられる方法を紹介する。

  1. タンパク質溶液の特徴
  2. タンパク質が溶液中で凝集する理由
  3. タンパク質の安定性
    1. タンパク質の安定性1 熱安定性
    2. タンパク質の安定性2 変性剤に対する安定性
    3. タンパク質の安定性3 コロイド安定性
  4. タンパク質凝集体の性質
    1. 凝集体の性質 可逆or不可逆?
    2. 凝集体の性質 変性or未変性?
  5. タンパク質凝集体の評価
    1. 凝集体のサイズと評価法の関係
    2. 凝集体の定量法1 サイズ排除クロマトグラフィー
    3. 凝集体の定量法2 超遠心沈降速度法
    4. 凝集体の定量法3 FFF
    5. 凝集体の定量法4 光散乱
    6. 凝集体の定量法5 MFI
    7. 凝集体の定量法6 濁度法
  6. タンパク質溶液の分析法
    1. 溶液中でのタンパク質分子間相互作用
    2. 高濃度タンパク質溶液の性質
    3. タンパク質溶液の分析法1 粘度測定
    4. タンパク質溶液の分析法2 超遠心沈降平衡法
    5. タンパク質溶液の分析法3 光散乱
    6. タンパク質溶液の分析法4 示差走査熱量測定
  7. タンパク質溶液の安定化戦略
    1. pHの効果
    2. 塩の効果
    3. 糖の効果
    4. 界面活性剤の効果
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 超遠心分析による会合体の分析 (12:50~14:30)

 超遠心分析は、溶液中の溶質の分子量・分子量分布を測定する手法で、分子の形に依存しない絶対分子量が求められるのが特長である。
 1990年以降、新しい機器の出現と解析法の新たな発展によって、溶液中の蛋白質の性状解析・相互作用解析の方法として新たな注目を集めている。
 本講演では、原理を出来るだけわかりやすく説明すると共に解析例を挙げて、超遠心分析の有用性を解説する。

  1. はじめに :
    会合体の分析に用いられる物理化学的方法の概観
    • 超遠心分析と他の方法との比較
  2. 超遠心分析の原理
    • 沈降速度法と沈降平衡法
      • 沈降係数
      • 拡散係数
      • 偏比容
      • スベドベリーの式
      • 摩擦比
      • ストークス半径
      • 溶質の不均一性
      • 動的平衡にある解離会合系 (相互作用)
      • 非理想性について
    • 沈降平衡法と静的光散乱の理論的類似性 (偏比容と屈折率増分)
  3. 拡散しながら沈降する粒子のシミュレーション (アニメーション)
  4. データ解析の方法 :
    SEDFIT (沈降係数の分布関数c (s) を求める) について
  5. 解析例
    • 抗体溶液中のオリゴマーの検出
    • バクテリオファージの分子集合への応用、
    • ヘモグロビンのダイマー・テトラマー平衡
    • Nox-Prxにおける安定なホモ2量体と安定なホモ10量体のヘテロな会合
    • あるウイルス蛋白質の1量体-2量体-4量体間の動的平衡
    • ペプチドの解析
    • 膜蛋白質の解析
  6. まとめ 超遠心分析の長所・問題点と展望
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 抗体医薬品のコンフォメーション変化の問題点とその対応 (14:45~16:25)

講師

  • 内山 進
    大阪大学 工学研究科 生命先端工学専攻
    教授
  • 有坂 文雄
    東京工業大学 大学院 生命理工学研究科 分子生命科学専攻
    教授
  • 津本 浩平
    東京大学 医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリー
    教授

会場

連合会館

5F 502

東京都 千代田区 神田駿河台三丁目2-11
連合会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 47,250円 (税込)
複数名
: 38,000円 (税別) / 39,900円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/10/27 GMP基礎 (2日間講座) オンライン
2025/10/27 GMP基礎 (全2日間講座 / 1日目) オンライン
2025/10/27 試験検査室管理におけるGMP対応の重点チェックポイント オンライン
2025/10/27 GMP/バリデーション入門 オンライン
2025/10/27 ICH Q1改定案の要求に沿った安定性モニタリングの進め方とOOS/OOT発生時の実務対応 オンライン
2025/10/27 製薬用水の基礎と実践知識を理解する講座 オンライン
2025/10/27 バイオ医薬品・タンパク質医薬品の試験室におけるQC/QAと製造工程の変更に伴う同等性/同質性評価および変更管理 東京都 会場・オンライン
2025/10/27 医薬品開発における結晶多形・非晶質の基礎と評価法 オンライン
2025/10/28 GMP基礎 (全2日間講座 / 2日目) オンライン
2025/10/28 アレニウスプロットの作成とその測定数値の取り扱い オンライン
2025/10/28 医薬品開発における結晶多形・非晶質の基礎と評価法 オンライン
2025/10/28 ペプチド医薬品原薬の製造プロセス開発・スケールアップの考え方 オンライン
2025/10/29 グローバルGMPをふまえた非無菌医薬品の製造、品質管理における環境モニタリング・空調・製薬用水の管理範囲と必要レベル オンライン
2025/10/29 非GLP試験での信頼性基準試験におけるリスクベースドアプローチを用いた信頼性保証 オンライン
2025/10/29 医薬品の処方・剤型変更におけるBE試験回避の考え方 オンライン
2025/10/29 パテントリンケージ制度の仕組みと製薬企業への影響 オンライン
2025/10/29 臨床研究法の改訂 (2025) の正しい理解・運用と新しい手続き オンライン
2025/10/29 ICH M7/ニトロソアミン不純物のリスク評価・限度値設定と新規ニトロソアミン類の許容摂取量におけるCPCAとリードアクロス設定基準の考え方 オンライン
2025/10/29 医薬品ライセンス契約における効果的ドラフティングの基礎と交渉上の重要論点 オンライン
2025/10/29 医薬品開発・薬事戦略・事業計画のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/6/11 タンパク質分解医薬の実用化に向けた基盤技術と評価
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/2/20 医薬品製造を目的としたプロセス化学と薬事規制及び製薬企業の動向
2025/1/27 世界の中分子医薬・抗体医薬、およびCDMO最新業界レポート
2024/11/29 ファインケミカル、医薬品の連続生産プロセス
2024/9/30 タンパク質、細胞の吸着制御技術
2024/9/30 最新GMPおよび関連ICHガイドライン対応実務
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用