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金属系水素分離膜の材料・作製技術と性能向上

金属系水素分離膜の材料・作製技術と性能向上

会場 開催

概要

本セミナーでは、水素分離膜の高性能化とコスト低下について、材料開発と作製方法の視点から最新の技術、新用途開発までを詳解いたします。

開催日

  • 2011年2月28日(月) 10時00分16時10分

受講対象者

  • 水素分離膜の材料・作製に関連する技術者
  • 水素分離膜の応用の関連する技術者
    • 燃料電池
    • エネルギー関連

修得知識

  • 水素透過膜、水素分離膜の基礎
  • パラジウムの削減・代替技術

プログラム

第1部 金属系水素透過膜の特徴と非Pd系複相水素透過合金の開発 (10:00~11:00)

 高純度水素は現在、産業界で多量に使われているが、近い将来、燃料電池が本格的に実用化・普及するには、さらに多量の高純度水素を安価に製造する技術・プロセスを開発・確立することが大きな課題である。高純度水素の製造で最も重要な事項の一つは水素の分離と精製である。本講座では、金属を用いた水素精製法の特徴と課題、および安価で高性能な非パラジウム系の水素透過合金の開発に関する、著者らの研究を紹介する。

  1. 高純度水素の必要性と水素の精製法
  2. 金属を用いた水素精製の特徴
  3. 金属系水素透過合金の研究概況
  4. 非パラジウム系水素透過合金の必要性と課題
  5. Nb-TiNi系水素透過合金開発の経緯
  6. Nb-TiNi合金の微視的組織と水素透過度
  7. Nb-TiNi合金の耐水素脆化性機構の検討
  8. Nb-TiNi合金中の共晶相が水素透過度と耐水素脆化性で果たす役割
  9. 実用化に向けての課題
    • 質疑応答・名刺交換

第2部 水素分離膜におけるパラジウム削減・代替のための水素透過特性評価・解析技術 (11:10~12:10)

 水素透過性金属膜に使われるパラジウムの削減・代替研究開発においては材料特性を正しく理解することが不可欠です。そこで、水素透過試験の基本を紹介しつつ、研究開発において注意すべき点や考え方を紹介します。測定結果を例に具体的に解析方法を説明いたします。

  1. 水素透過試験方法とその注意点
  2. 薄膜化したパラジウム膜の水素透過特性解析方法
    1. 薄膜化したパラジウム膜の水素透過特性評価例
    2. 支持体の影響
    3. パラジウム膜の欠陥の影響
    4. 表面の影響
    5. 特性解析の例
  3. パラジウム代替金属膜の水素透過特性解析方法
    1. パラジウム代替金属膜の水素透過特性評価例
    2. 透過係数の評価
    3. 透過特性解析方法
    4. 透過特性比較方法
    5. 特性解析の実例
    • 質疑応答・名刺交換

第3部 湿式めっき法による高性能パラジウム膜の作製 (12:50~13:50)

 本講演では、水素分離に極めて高い選択性を有するパラジウム系金属膜のめっき法による薄膜化に関する研究開発状況を、講演者の研究成果を中心に概説する。
 パラジウム膜は耐熱性を有するため水蒸気改質反応による水素製造プロセスへの応用が期待されており、実現に向けたパラジウム膜の耐久性向上に関する、最新の研究成果も紹介する。

  1. 固体高分子形燃料電池用水素の製造
  2. パラジウム膜の薄膜化と高性能化
    1. パラジウムの薄膜化法の分類と特徴
    2. 湿式めっき法によるパラジウムの薄膜化
      1. 無電解めっき法
      2. 超臨界めっき法
    3. 新規なパラジウムの薄膜化法の開発
  3. パラジウム膜の応用:膜反応器を用いた水素製造反応
    1. 都市ガス (メタン) の水蒸気改質
    2. LPG (プロパン) の水蒸気改質
    3. 灯油 (ドデカン、脱硫灯油) の水蒸気改質
    4. アルコールの水蒸気改質
  4. 湿式めっき法で作製したパラジウム膜の実用化に向けた取り組み
    1. パラジウム膜の耐久性試験
    2. パラジウム膜の性能低下とその原因
    3. パラジウム膜への金属系微粉の付着とクラック生成
    4. パラジウム膜の熱処理履歴と機械的強度の関係
    5. パラジウム膜の合金化による機械的強度の向上
  5. 湿式めっき法によるパラジウム系水素分離膜の開発課題
    • 質疑応答・名刺交換

第4部 圧延法によるパラジウム系水素分離膜の超薄膜加工技術 (14:00~15:00)

 パラジウム系水素分離膜は水素ガスの高純度精製用として古くから利用されている。グリーンエネルギー源の一つとして水素エネルギーが注目されているが、そのための水素ガスの製造のために、改質ガスなどの混合ガスからの水素分離が検討されている。
 パラジウム系水素分離膜はその候補の一つとして検討されており、実現のためには精製装置の高効率化、コンパクト化、低コスト化が重要となる。そのひとつのキーとしてパラジウム系分離膜の薄膜化が挙げられる。

 本セミナーでは圧延法によるパラジウム系水素分離膜について、薄膜化において発生する問題と田中貴金属工業(株)におけるその解決策について解説する。

  1. パラジウム分離膜による水素精製
    1. 歴史と原理
    2. 他方式との比較
  2. パラジウム系分離膜の現状と課題
    1. 現状のパラジウム系分離膜
    2. 現状のパラジウム系分離膜における課題
  3. 圧延法による超薄膜化技術
    1. 圧延箔の製造プロセスと圧延原理
    2. ピンホールの原因とその抑制
    3. 圧延による極薄パラジウム系分離膜のメリット
  4. まとめ
    • 質疑応答・名刺交換

第5部 水素分離膜におけるパラジウム削減・代替のための水素透過特性評価・解析技術 (15:10~16:10)

 水素透過性金属膜に使われるパラジウムの削減・代替研究開発においては材料特性を正しく理解することが不可欠です。
 そこで、水素透過試験の基本を紹介しつつ、研究開発において注意すべき点や考え方を紹介します。
 測定結果を例に具体的に解析方法を説明いたします。

  1. 水素透過試験方法とその注意点
  2. 薄膜化したパラジウム膜の水素透過特性解析方法
    1. 薄膜化したパラジウム膜の水素透過特性評価例
    2. 支持体の影響
    3. パラジウム膜の欠陥の影響
    4. 表面の影響
    5. 特性解析の例
  3. パラジウム代替金属膜の水素透過特性解析方法
    1. パラジウム代替金属膜の水素透過特性評価例
    2. 透過係数の評価
    3. 透過特性解析方法
    4. 透過特性比較方法
    5. 特性解析の実例
    • 質疑応答・名刺交換

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん 5階 第2講習室 (東京都品川区東大井5-18-1)

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 52,500円 (税込)
複数名
: 43,000円 (税別) / 45,150円 (税込)

第1部 講師

北見工業大学
工学部
マテリアル工学科
教授
青木 清 氏

主な研究
  • 金属と水素に関連する研究
    • 水素吸蔵
    • 水素誘起アモルファス化
    • 水素透過 など

第2部 講師

(独)産業技術総合研究所
環境化学技術研究部門
膜分離プロセスグループ
グループ長
原 重樹 氏

1995年 通商産業省 物質工学工業技術研究所 (産業技術総合研究所の前進の一つ) に入所以来15年間金属膜を中心とした膜開発、利用技術開発、評価技術開発を行う。

第3部 講師

岐阜大学
工学部
機能材料工学科
教授
上宮 成之 氏

略歴
  • 1991年 :
    早稲田大学大学院理工学研究科応用化学専攻 博士後期課程修了 (工学博士)
  • 1992年~2001年 :
    成蹊大学 工学部 助手
  • 2001年~2007年 :
    岐阜大学 工学部 助教授、准教授
  • 2004年~2005年 :
    東北大学 金属材料研究所 客員助教授
  • 2007年~ :
    岐阜大学工学部 (機能材料工学科) 教授

第4部 講師

田中貴金属工業(株)
技術開発センター
富岡分室
技術開発部門
新製品開発
嶋 邦弘 氏

略歴
  • 1995年3月: 東北大学大学院工学研究科材料物性学専攻修了
  • 1995年4月: 田中貴金属工業株式会社入社
開発経歴
  • Y系高温超電導線材用配向金属基板の開発
  • Bi系高温超電導線材用Ag系Tubeの開発
  • 水素分離Pd合金圧延膜の開発
  • 高強度・高導電率Cu-Ag合金板の開発

第5部 講師

(独)産業技術総合研究所
環境化学技術研究部門
膜分離プロセスグループ
原 重樹 氏

1995年 通商産業省 物質工学工業技術研究所 (産業技術総合研究所の前進の一つ) に入所。
以来15年間金属膜を中心とした膜開発、利用技術開発、評価技術開発を行う。

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。