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Liイオン二次電池の製品規格&安全性試験 2011

Liイオン二次電池の製品規格&安全性試験 2011

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概要

本レポートは、リチウムイオン電池の2011年現在における国内外の安全性試験や製品規格をめぐる動向をとらえるため、可能な限り広範囲に漏れなく情報を収集し、電池工学的な解説を加えて、要点をまとめたものです。

ご案内

 1990年代初めに製品化されたリチウムイオン電池は、ノートPC や携帯電話のバッテリーとして採用され、その後20 年近くの開発の歴史を積み重ね、コストや安全性問題を克服しながら、社会生活に不可欠なインフラとして定着してきた。
 そして2010年を起点とし、自動車や自然エネルギー利用、あるいは電動工具やアシスト自転車などの蓄電分野で、これまでとは桁違いの容量のリチウムイオン電池 (セル) の大量生産が始まろうとしている。
 その背景としてリチウムイオン電池 (セル) の技術開発の急速な進展と、それに伴う応用分野の広がりがあるが、一方で、これらに対する世界各国の規格や安全性試験の対応は、かなりアンバランスな状況にある。
 電池 (セル) の性能向上や応用展開のスピードにその規範や標準化の規格 (スタンダード) が、遅れてくるのは致し方ない面もあるが、この段階に至って、さらなる課題の解決…“コストダウン“・“製品寿命 (ライフ)“・“安全性の確保“…のために、スタンダードの必要性が高まっている。
 材料をはじめ個々が目的とする技術開発がまずは先行することは当然のことではあるが、個別技術を統一的に比較し評価をするためには何らかのスタンダードとしての試験・規格が必要である。
 これらの課題は、「技術開発と製品が先か」、「試験・規格が先か」ということでは議論の余地が多いところであるが、それぞれのステップを踏みながら両者の考えが相互補完的に進んでいるのが、現在2011 年の状況であろう。
 本レポートは、現時点 (2011 年) における国内外の安全性試験や製品規格をめぐる動向をとらえるため、可能な限り広範囲に漏れなく情報を収集すると共に、これに電池工学的な解説を加えて、要点をまとめたものである。
 また、判り難い海外規格やそのドラフトは要点を翻訳した一覧を付記して便宜も図っている。
 本レポートが、リチウムイオン電池の国内外の規格や安全性問題の把握する際の一助となれば幸いである。

目次

1章 はじめに

  • (1) 技術・製品と試験・規格のアンバランス
  • (2) 3 つの課題の達成への規格
  • (3) 規格試験などへ情報ニーズ
  • (4) グローバル化
  • (5) 規格・規制などのマップ
  • (6) 本レポートのまとめ方

2章 リチウムイオン電池の規格・規制および規定・規程 (種類と分類)

  • 2.1 工業製品関係の規格などの制定と拘束力
  • 2.2 リチウムイオン電池に関する規定、規程およびガイドライン
    • (1) 日本・欧米・国際のガイドライン
    • (2) 材料とセルに関する日本・海外の規制・規格のマップ

3章 リチウムイオン電池の特性・性能に関する規格およびロードマップ

  • 3.1 国内 (NEDO/RM2010 ほか)
    • (1) 大型リチウムイオン電池 (セル)
    • (2) 大型電池システムにおける問題
    • (3) 自動車用途の出力vs.容量マップ
    • (4) EV などの電池仕様
    • (5) NEDO のロードマップ
  • 3.2 欧米 (EUCAR、VDA)
    • (1) USABC のPHV 用電池
    • (2) EUCAR のロードマップ 1
    • (3) EUCAR のロードマップ 2
    • (4) EUCAR のロードマップ 3

4章 リチウムイオン電池の規格と項目

  • 4.1 電池特性と測定方法
    • (1) 基本規格JIS C 8711
    • (2) 規格の準用と測定条件の変化
    • (3) その他の測定項目と測定条件
    • (4) セルの内部抵抗の測定と条件
    • (5) 電池 (セル) の製造工程における測定と条件
  • 4.2 充放電サイクルと寿命評価
    • (1) サイクル数と放電容量維持率
    • (2) サイクル劣化と保存劣化を組み合わせた寿命評価 (NEDO 法)
    • (3) パルス成分を含んだ充電プロセスと評価
    • (4) 1/2 乗則によるセルの寿命評価
  • 4.3 放電容量、外形寸法および互換性
    • (1) 規格表示と具体例
    • (2) 電池 (セル) の容量に関する規格
    • (3) JIS の標準リチウムイオン電池
    • (4) 円筒型セルの製品事例
    • (5) 大型リチウムイオンセルの規格案

5章 リチウムイオン電池の用途を特定した諸規格 (一覧表形式による概要)

  • 5.1 小型民生用 (携帯機器、アシスト自転車、電動工具)
    • (1) 用途分野と対応規制 (国内、欧米および国際)
    • (2) IEEE1725 携帯電話用の例
    • (3) ISO とIEC
    • (4) IEC の新設および改訂
  • 5.2 自動車 (EV、PHV&HV) および輸送機械
    • (1) 既存のJIS およびJEVS の電動車輌関係規格
    • (2) 新たな自動車関係の規格制定
    • (3) 車載用電池の設計手順
    • (4) DOE のPHV 用電池 (セル) の規格提案
    • (5) 自動車用の電池の規格化の問題点
  • 5.3 系統電力および自然エネルギー貯蔵
    • (1) 電力貯蔵用電池の規程 (電気事業連合会)
    • (2) 大量の電池としての問題
    • (3) スマートグリッド関係

6章 リチウムイオン電池の安全性に関する試験項目の概要

  • 6.1 安全性試験規格の概要
    • (1) 安全性と試験規格 (JIS、UN、UL 等)
    • (2) 現行の安全性試験
    • (3) 安全性試験と評価は複雑系
  • 6.2 電気的な試験とセルの挙動
    • (1) 試験の区分と性格
    • (2) 試験対象、単電池と組電池
    • (3) JIS などの試験項目
    • (4) 試験の過程におけるセルの挙動 (3 例)
    • (5) ガス膨張と分解ガスの成分
    • (6) 電池のハザードと原因
    • (7) ハザードの原因
  • 6.3 機械的な試験とセルの変化
    • (1) 試験規格と対象、JIS ほか
    • (2) 試験項目の概要
    • (3) 自動車用リチウムイオン電池の温度
    • (4) 振動、衝撃、圧壊および釘刺し
    • (5) 釘刺し試験の多様性
    • (6) 釘刺試験におけるセルの挙動
    • (7) 釘刺し試験の意味するもの
  • 6.4 試験対象の電池と設計へのフィードバック
    • (1) 安全性試験と時間の経過
    • (2) 電池 (セル) の開発ステップと安全性試験の入れ方
    • (3) mAh 評価セル
    • (4) Ah 評価セル
    • (5) セルの設計と安全マージン
    • (6) 時間の経過と安全性
    • (7) 充放電のレートと安全性
  • 6.5 リスクとハザード

7章 リチウムイオン電池の安全性へのガイドラインと電気用品安全法

  • 7.1 小型民生用 (BAJ、JEITA ほか)
    • (1) 事故の経緯と背景
    • (2) 事故原因の推定
    • (3) BAJ のガイドライン (手引き書)
    • (4) 充放電電圧の設定など、安全な使用への情報
  • 7.2 電気用品安全法 (PSE マーク)
    • (1) 法令の概要と対象となる電池
    • (2) 該当製品の比容量、事例
    • (3) 技術基準としてのJIS 規格
  • 7.3 電気事業などその他の用途
    • (1) 電力貯蔵用電池規程の概要
    • (2) 住宅用など新たな蓄電システムの可能性

8章 リチウムイオン電池の安全性に関する試験規格

  • 8.1 UL 規格と認証システム
    • (1) 北米におけるNRTL の制度
    • (2) UL の機関と認証機能
    • (3) UL の試験項目 (目的に限定された内容)
    • (4) 対象となるリチウムイオン
    • (5) UL 規格の制定経過と技術的な背景
    • (6) 大型リチウムイオン電池 (セル) への拡大アクション
    • (7) UL のSubject 2580
  • 8.2 UN 規格
    • (1) 危険物の国際輸送
    • (2) 試験項目
    • (3) UN 基準の運用
  • 8.3 JIS 規格
    • (1) 単電池および組電池に関するJIS 一覧
    • (2) それぞれのJIS の要点
    • (3) 認証システムとしてのJIS
  • 8.4 DIN 予備規格とドイツの認証機能
    • (1) VDE との連係
    • (2) DIN V VDE V 0510-11
    • (3) TUV Rheinland ® ドイツによる認証と事例
  • 8.5 BATSO 規格
    電動バイクe-BIKE のインフラ整備

9章 リチウムイオン電池の自動車用途の安全性に関する試験手順と安全レベル

  • 9.1 Abuse Test とUSABC,FreedomCAR (米国)
    • (1) 米国の開発プロジェクト
    • (2) 試験マニュアルおよび付属書
  • 9.2 EUCAR のハザードレベル (EU)
    • (1) EUCAR の取り組み
    • (2) ハザードレベルの決め方と対象
    • (3) ハザードレベルの活用
  • 9.3 SAE 規格 (国際)
    • (1) 自動車におけるSAE
    • (2) 化学蓄電システムの試験規格
  • 9.4 QC/T743 (中国)
    • (1) 用語、定義および運用
    • (2) 試験方法、単電池
    • (3) 試験方法、組電池
  • 9.5 米国のEV 用リチウムイオン電気に関する規制
    • NRTL
    • OSHA
    • NHTSA
    • FMVSS ほか
    • EV の電気絶縁などへの安全

10章 リチウムイオン電池のリサイクル・環境規制との関連

  • 10.1 EU 電池指令とRoHS、WEEE
    • (1) EU 指令/EU-Directives
    • (2) EU (新) 電池指令
    • (3) 関連事項 電池指令の構成と用語
    • (4) 日本の対応、電池工業会の解釈
    • (5) 携帯機器の固定リチウムイオン電池
  • 10.2 製品への表示とガイドライン
    • (1) リサイクルマークと化学種別
    • (2) 容量表示と商品の比較

11章 リチウムイオン電池 (セル) の輸送に関する規制とルール

  • 11.1 UN オレンジブック
    • (1) 概要
    • (2) 試験内容と添付資料
  • 11.2 海上・航空輸送ほか
    • (1) 最近の改訂と対応する国内法令
    • (2) 運輸・運用の詳細とラベル

12章 リチウムイオン電池の化学物質に関する規制

  • 12.1 使用される化学物質と日本国内の法規制
    • (1) 化学原料>セルの製造>電池製品の流れの
    • (2) 実際に使用される化学物質
    • (3) リチウムイオン電池 (セル) における使用量と消防法危険物
    • (4) 参考資料
    • (5) その他の懸念事項として電気回路や消火手段
  • 12.2 REACH など国際的な化学物質規制
    • (1) REACH によるグローバルな化学物質の規制
    • (2) REACH とリチウムイオン電池 (セル)
  • 12.3 リチウムイオン電池の製品安全データシート (MSDS)
    • (1) リチウムイオン電池 (セル) にMSDS が必要か
    • (2) GHS 対応のMSDS

資料編

  • A. 電池 (セル) の特性と特徴 (エネルギー特性とパワー特性およびAh容量)
    • A1. リチウムイオン電池 (セル) の特徴 (大きな電極面積、低い内部抵抗)
    • A2. エネルギー特性とパワー特性
  • B. 電池 (セル) の材料構成、多様性と電気化学的な要件 (過充電と過放電)
    • B1. セルを構成する材料 正極と負極
    • B2. 最近の高容量正極、負極
    • B3. 電解液とセパレーター
    • B4. 過充電と過放電 (電解液の酸化還元窓の範囲)
  • C. 電池 (セル) の構成と内部構造 (電極構成と外装材)
    • C1. 構造設計、集電と電極端子
    • C2. 各種セルの内部構造
    • C3. 応用製品の事例 (1)
    • C4. 応用製品の事例 (2)
  • D. 電池 (セル) の設計、試作と製造 (各段階での評価)
    • D1. 設計と製造へのステップ
    • D2. 試作段階の性能評価
  • E. 電池 (セル) の特性値の表示と測定チャートの読み方
    • E1. 充電と放電
    • E2. サイクル特性との関係チャート
  • F. JIS 準拠、英和二次電池用語
    • F1. リチウムイオン電池 英和用語辞典
    • F2. 二次電池の特性値などの英文、和文の表現
  • 引用文献・資料一覧

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体裁・ページ数

A4判 並製本 270ページ

ISBNコード

ISBN978-4-7813-0482-3

発行年月

2011年9月

販売元

tech-seminar.jp

価格

75,000円 (税別) / 82,500円 (税込)

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