複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
~ポリマーブレンド、ゴム粒子分散系材料、熱可逆性高分子ゲル、固体粒子分散系~
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- 2024年11月7日: 好評につき完売いたしました。
本書ではより複雑な系である多成分高分子材料のレオロジー挙動について私の研究を中心に述べる。「単純な系を取り扱うほど難しく、複雑な系を扱うにしたがってやさしくなるものである。」と「講座・レオロジー」の序論で升田先生が述べておられる。複雑な系の場合、データの十分な解釈ができなくてもグラフを見ただけで材料間の違いを認識することができるので、ある意味では簡単である。また、様々なデータを集めて分類すると個別のデータから普遍性が見えてくる。ここで述べることはこの簡単なレオロジーである複雑系材料のレオロジー「分類学」である。複雑な材料の開発や改良研究を行っている民間研究者に、このレオロジー「分類学」が少しでもお役にたてば幸いである。
目次
第1章 序論
- 1.1 複雑高分子材料のレオロジー「分類学」
- 1.2 粘弾性関数
- 1.2.1 弾性率・粘度・降伏応力
- 1.2.2 動的粘弾性
- 1.2.3 応力緩和
- 1.2.4 定常流粘度
- 1.2.5 伸長粘度
- 1.3 時間‐温度換算則と合成曲線
- 1.4 企業におけるレオロジストの役割
第2章 ポリマーブレンドのレオロジー
- 2.1 相溶性とガラス転移領域の温度分散挙動
- 2.2 相溶性・相分離温度とDSC挙動
- 2.3 ガラス転移領域における周波数分散挙動
- 2.4 反応系ブレンドの温度分散挙動
- 2.5 相溶系・非相溶系ブレンドの溶融粘弾性挙動
- 2.6 相溶系ブレンドの溶融レオロジー
- 2.6.1 移動因子αTの温度依存性
- 2.6.2 ゼロせん断粘度η0のブレンド組成依存性
- 2.6.3 ゴム状平坦域弾性率GN0のブレンド組成依存性
第3章 ゴム粒子分散系材料の溶融レオロジー
- 3.1 ABSの定常流粘度挙動
- 3.2 ABSの2種類の動的粘弾性挙動
- 3.3 ABSの構造パラメーターと粘弾性挙動
- 3.3.1 グラフト分子鎖の組成の影響
- 3.3.2 グラフト分子鎖の量 (グラフト率) の影響
- 3.3.3 ゴム粒子径の影響
- 3.4 ABSの非線形レオロジー
- 3.4.1 大変形応力緩和
- 3.4.2 伸長粘度とコンピューター・シミュレーション
第4章 熱可逆性高分子ゲルのレオロジー
- 4.1 臨界ゲル点近傍の粘弾性挙動
- 4.2 ポリ塩化ビニル (PVC) /可塑剤系の粘弾性挙動
- 4.2.1 PVC樹脂とPVC/可塑剤系材料について
- 4.2.2 PVC/可塑剤系ゲルの臨界ゲル点の決定法
- 4.2.3 臨界ゲル濃度とゲル強度の分子量依存性
- 4.2.4 臨界ゲル濃度とゲル強度の分子量分布依存性
- 4.2.5 PVC/DOPゾルのゼロせん断粘度
- 4.2.6 PVC/DOPゲルの平衡弾性率
- 4.2.7 可塑剤種の影響
- 4.2.8 修正Eldridge-Ferryの式による架橋点構造の解析
- 4.3 VCゲルの構造形成と時間発展
- 4.3.1 ゾル状態から急冷後の粘弾性挙動
- 4.3.2 小角X線散乱によるPVCゲルの構造解析
- 4.4 熱可逆性ゲルの非線形レオロジー
- 4.4.1 大変形応力緩和
- 4.4.2 伸長粘度挙動とゲル弾性
- 4.5 脆性熱可逆性ゲルの粘弾性挙動
第5章 固体粒子分散系のレオロジー
- 5.1 カーボンブラック (CB) の粒子構造について
- 5.2 定常流粘度挙動
- 5.3 ひずみ振幅依存性 (非線形性)
- 5.4 3種類の動的粘弾性挙動
- 5.4.1 凝集系 (網目構造形成系)
- 5.4.2 臨界ゲル形成系
- 5.4.3 良分散系
- 5.5 CBストラクチャーのレオロジー的特性化
- 5.5.1 凝集系の有効体積分率と降伏応力
- 5.5.2 臨界ゲル形成系の臨界ゲル点と臨界指数
- 5.6 ゾル‐ゲル転移挙動への分散媒の影響
- 5.7 粒子ゲルの形成と履歴の影響
- 5.8 CBの分散構造と導電性
- 5.9 臨界ゲル形成系の非線形レオロジー
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